9月16日(土)           
一日中雨。雨はすごく僕を寮に留めようとする、けど寮にいたところで本当にやる事がないので、雨の中をうろうろ街に出る。で、大発見。ベルギー人は傘をささない。大半のベルギー人が(それは小さい子からおじいちゃんおばあちゃんまで)雨の中を傘もささずに歩いている。カップルもそう、雨に打たれながら楽しそうに話をしている。
夜にはTayasuさん家で牡蠣とムール貝と焼肉とワインパーティー。そこにはAsamiさんやTuneさんや、10月から日本のNOVAで(関西を希望しているらしい)フランス語を教えに行くソーニャなど初対面の人がごっそり。(このパーティ自体Tuneさんメインのもので、そこに僕がちょこっと呼んでもらえたもの)。”初対面人多少人見知り症候群”の僕は、文字通り少し人見知りっぷりを発揮してしまった。
2時くらいに雨の中をとぼとぼと帰寮。治安は大丈夫なんかな?まだ、分からん。
          

  
  
9月17日(日)           
今日はGenkにサッカーの試合を見に行く。カードは「Genk-Charleroi」。Genkがフランドル地方(ベルギーの北側、フランドル語を話す地域)のチームで、Charleroiはワロン地方のチーム(フランス語を話すベルギー南部)、何かと争っているフランドルとワロンの戦いでもあるわけ。さらにはCharleroiはあのEnzo Scifo(シーフォ)がいるチーム。Scifoといえば、知っていると思うけど、ワールドカップ4回も出場しているベルギーの超大物。ベルギーの宝。日本でも結構有名。もちろんベルギーでは超有名。はっきり言って他の選手の名前なんて全然知らない。今日はScifoが見れれば大満足。
MonsからGenkはなかなか遠い。とはいっても小さな国ベルギーのこと、びびる程の距離ではないけど、それでもBruxellesで乗り換えて3時間半くらいはかかる。Genkの駅を降りてひとまず何もないのにびびる。そしてここはもうフランドルだから周りはフランドル語ばかり。とうとう、恥ずかしながら、僕の英語が飛び出す日が来た(英語は結構通じる)。英語なんて……。やっぱり言葉が通じないというのは結構びびるもんだ(フランス語も決して通じている訳じゃないけど、なんとなく分かるからまだよい)。
どうにかどのバスで行けばいいのか聞き出して、運転手に何度となく「僕はfootballの試合が見たいんだよ」と言っておく。これでstadeについたら教えてくれるはずだ。バスは大渋滞に巻き込まれほとんど進まない(今思えばそこら辺がstade)。そして運転手は運転手で「あぁ、君footballがみたいって言っていたね。もうstade通り過ぎたよ。うーんここからなら1kmぐらい。その道を真っ直ぐ歩いていけば大丈夫」と言う始末。おーい、ただでさえ渋滞で開始時間に遅れているのに……。「じゃ、ここで降りるよ」と行ってバスを降り人通りの全くない小道を歩く。そして10分後どうにかstadeに辿り着くことが出来る。はぁーよかった。
800BFのチケットを買って、stadeの中に入った時にはもう試合開始15分後。すでにCharleroiが1点取っている。いやーこのstadeはなかなか素晴らしい。規模は小さいけどサッカー専用stadeで雰囲気が素晴らしい。Scifoも出ているし。応援が凄い。で、試合には関係なくGenkとCharleroiのサポーターが間にガラスの壁を挟んで小競り合いをしている。僕はちょうど両サポーターの間にいて(一応Genk側)、ちょっとびびっていた。これがワロンとフラマンの争いか。なんとなくワロンのサポーターの方が大人気なく見えるのは地域性かな。
試合はGenkが後半2点入れて逆転勝利。もうstade全体が大盛上がり。Scifoはずっと精彩なし。怪我明けの試合だからか、年のせいか。あまり動かないし、ボールタッチの回数が少ない。それにCharleroiのキーパーはひどすぎ。いつもポロポロ。あれはダメだ。いいプレーしてなくてもScifo見れてよかった。これはでぶでぶになったポール・マッカトニーを見て大満足するのと同じ気持ちなんだろね。
多分明日から学校が始まる(ような気がするんだけど……、はっきりとはしない)。

Stade Genk-Charleroi
Stadionplein 「Genk-Charleroi」
ハーフタイムだけど……
          

  
  
9月18日(月)           
今日から学校始まんのかな?朝適当に起きて、適当に準備して、適当に大学に行ってみる。うーん人が一杯いる。とりあえずMme Rénatoの研究室に行く。ここにも人が溢れている。何をすればいいのか隣のやつに聞いてもいまいち要領がはっきりしない。まぁここではっきりしたのは東洋人の留学生は他にいないということ。で、教室に留学生が集められて説明を受ける。よく分からんのでMme Rénatoに「よう分からんかった」って言いに行ったら、「明日いつでもいいのでまた来い」と言われた。彼女の周りにはまだまだ沢山の人がいて、フランス語ゆっくりバージョンで説明を繰り返している時間がないということだろう。
その後、大学のInstitut de Linguistiqueという所のやっている「夜間外国人のためのフランス語コース」の申込みをしに行く。街に大学の施設が点在していて、1つ1つの建物が距離がある。まぁここのおばちゃんはゆっくり喋ってくれて、優しくしてくれて本当に良かった。さらには京都から来ている学生は料金を払わなくてもいいらしい。28日にテストで、10月の3日から始まる。大学よりもこっちの方が早く始まって欲しいのに……。
今日はちょっと凹んだ。切なさを感じた。そしてちょっと悲しさを感じた。まだこっちに来て2週間、こんな所で負けてはいかん(らしい……と自分で思った)。
          

  
  
9月19日(火)           
今日は初めて授業に出る。授業に出るまでには本当に沢山の紆余曲折があったわけで、Mme Rénatoに聞きに行ってもすぐ追い返されるし、EII(École d'interprètes internationaux)の事務所行ってもたらい回しにされるし、終いには張り出してある時間割の前まで連れて行かれておしまい。いやその時間割の読みかたが分からんのや。色々質問してもため息混じりやし。どうやねん?
仕方ないのでじーっと時間割を見ていたら、何人かのベルギー人が話しかけてきてくれた。おぉ、噂とは違ってベルギー人いい奴らやん。それはあまりにも可愛そうな姿だった僕への同情か、それともこの東洋の神秘が彼らを引きつけたのか?まぁ、前者だけど……。この夏日本旅行してきたというちっちゃな女子も話しかけてきてくれたりして、(彼女は「すいません」しか日本語喋れないけど)ちょっとときめいた。で、ごっついにいちゃんに「もうすぐフランス語の授業始まるよ」と言われ、授業が行われる建物まで案内してもらった。彼は何も言ってないのに、わざわざ3階まで案内してくれた。有り難う。
まぁ、授業は殆どわからなかったけど、クラスのベルギー人は優しくしてくれた。終わった後も次の授業が始まるまで1時間くらいの間色々と喋った。日本について色々聞かれて、一番困ったのが日本の面積。分からんので勘でベルギーの大体8倍くらい、と答えた。本当な日本の面積どれくらい?
さてどんな時間割にしよう。別に興味を引くものがあんまりない。ロシア語でも取ってみようかと思うけど、どれくらいのレベルなのだか。とりあえずまた明日。
今日パソコンルームへ行った。人は想像よりはるかに少ない。パソコンもまま速くて快適、ただキーボードの違いには戸惑った。フランス語(カナダ)にしようとしたけど(カナダのパソコンのキーボードの配列はほとんど日本と同じ)、何故だか出来なかった。そしてAOLに入ってメールをチェックしようとしたけど、どうしても出来なかった。外国のパソコンで強引に日本語のHPを見ることが出来るサイト(http://www.shodouka.com/)を使っても無理、ちなみに自分のHPも見ることが出来なかった。何故だろう?ということで、hotmailのアドレスを取った。これからはsositenaotohayumenonaka@hotmail.comにメールを下さい。これならわりとまめにメールチェック出来るので(と思うので)。
夜は部屋で「Anderlecht-PSV Eindhoven」の中継をラジオで聞く。さすがに分からん。いや集中すれば……、サッカーだから……、やっぱり分からん。けど、1ー0でAnderlechtが勝った(ような気がする)。これじゃ新聞よりも悪い。
          

  
  
9月20日(水)           
今日はロシア語の授業を受けてみた。それは一応初心者のための授業だけど、ロシア語を専攻とする奴らの授業。1週間に10時間もロシア語の授業があるし……(フランス語の授業より多くなってしまう!)、受けるかどうか迷う。午後から"Grands courants artistique"という美術史の授業を受ける。大教室で開講されるんだけど、その途中でLuigiというベルーギー人学生に会う。彼はフランス語の授業が昨日いっしょで、色々話しかけてきてくれた。今一番話をしている人。ちょっとアンディ・フグ(死んだって本当?そんな情報を聞いたんやけど……)に似ていていい奴なんだけど、「タバコは体に悪いから吸うな!」とか「インターネットは悪い!」といつも言っている。ちょっと変な奴?まぁ、一緒に授業受けて、周りに「日本人おもろいで」って紹介してくれるので、嬉しいんだけど……。
授業は予想通り分からず。Lascauxの話もしていたけど……。途中で、「Tu as compris quelque chose?」て前の奴から紙がまわってきて、「L'art est la réunion des expréssions humaines. (芸術は人間の表現の集合、と言うつもり)」と書いて送ると、おいおいという顔をされた。いいの、僕にはそう言っているように聞こえたの!けど、授業が終わったら皆すぐに帰ってしまった。何て冷たい。もっと優しく包み込んでおくれ。
E-mailアドレスを新しくしたのでみんなに『アドレス変わりましたよ』メール出すためにをパソコンルーム(local internet)に行ったけど、時間切れ。仕方ないので、他の建物にあるパソコンルーム(salle ingormatique)に行ったけど、そこはちゃんと学生証を出してパスワードを取得しないといけないらしい。と言うことで、お知らせは明後日になります(明日は開いてない)。
夜9時くらいに昨日会ったベルギー人の女の子が部屋を尋ねてきてくれた。例の夏に日本を旅行して、日本に興味をもっている子。名前はMumu(本当の名前は発音し難いのでこれでいいらしい。日本でもこう呼ばれていたらしい)。実家はCineyというちっちゃな街。偶然僕がそこのBièreを飲んでいて、発覚した。12時くらいまでたくさん話をした。彼女はロータリーのやつで家族で夏に福井に行ったらしい。そして福井でとっても良くしてもらったらしい。やっぱり北陸人だね。北陸人は優しいんだよ。彼女においしいチョコや、安く電話をすることの出来るテレホンカードとか、その他色々ベルギーについて教えてもらった。そしていくつかベルギーフランス語(belgicisme)も教えてもらった、というか彼女が普通に使っていた。例えばKotは『学生用の部屋(寮)』とか。また、septante(70)やnonante(90)なんて実際に普通に使っていて、初めは分からなかった。実際に聞いて感動した。僕が途中でnotammentとかépargnerとかを会話の仲で使ったら、すっごい驚かれた。そしてすっごい誉められた。どうも日常会話であんまり使わないらしい。最後に「おやすみなさい」といって別れた。
          

  
  
9月21日(木)           
今日はフランス語の授業が2時間。本当は3時間だけど、理由は分からないけどひとつ休講になった。本当にみんな理由が分からないらしい、そして僕と同じく休講と知らない奴もたくさんいた。2つの授業ともLuigiと一緒。クラスが同じで他にも知った顔がいたけど、みんな挨拶ぐらいで興味を示してくれない。なんて冷たいんや!と思ったけど、僕が反対の立場だったら(京都で日本人のクラスの中にポツンと一人外国人が入ってきたら)僕はそんなに仲良くしないかも知れない……。それを考えるとLuigiは有り難い存在だ。けど彼はかなり真面目な男で授業が始まると何を聞いても「シィッ!」と言われる。まぁ、クラス全体で授業中は私語ゼロなんだけど……incroyable!
お昼はMumuとも出会って3人で学食に行く。110Fで定食が食べれる。飲み物は別で25F、多分ワインも飲めるらしい。お昼(の定食?)がdînerというのには最初意味が分からなかった。ベルギーでは朝がdéjeuner、昼がdîner、夜がsouperらしい。他にもベルギー人が来て、彼らがフランス語で(真剣に?)喋り出すとちょっとだけ疎外感を感じた。まぁ仕方ない、今はこれを聞くことも練習、練習。
先生は京都の学生と理解していてくれて、快く迎えてくれるけど(京都の学生は履修登録なしで毎回毎回自分の身分を紹介して教授に受講の許可を得る)、授業は手加減ナシ。恥ずかしながら全く分からない。単語がちょっとづつ聞こえてくるぐらい。その授業が何をしようとしているのか分からないので、後で教授に「難しすぎるよ」と言うと、彼らは「大丈夫。終わる頃には分かるようになる」とのこと。ふぅー、そういうものか。けど1時間フランス語を集中して聞くのは本当に骨が折れる。疲れる。
夜はMumuとその友達で今日であったアメリカ人とドイツ人と計6人で映画を見に行った(というか連れて行かれた)。映画館はちょっと遠くて徒歩30分くらい、けどものすごく規模がでかくで10作品ぐらい一挙に公開している。入場料は学生で200F(500円くらい)ですごく安いと思ったけど、みんな「très cher!(高い!)」と言っていた。でスクリーンも巨大、席もむっちゃ広く、そして何よりもポップコーンが巨デカ。さらにはコーラが怖いくらいでかくてnormalが75cl。それを見て僕はひるんでpetitを頼んだけど、それでも50cl。どうやってそんなに一杯飲むねん?もう1つ驚いたこと。映画の途中で10分間のentracteと称する休憩が入ること。一瞬信じられなかった。途中で映画が途切れて場内が明るくなった時には、僕は驚いて「Qu'est-ce qu'il y a?」と聞いてしまった。C'est normal? 見たのは『PLEINE TEMPETE』というアメリカ映画。もちろんフランス語吹き替え版。会話はよく分からんかったけど、映像でどうにか筋は分かった(と思う)。もうそれはもうイマジネーションの世界。けどアメリカ映画にしては珍しく、最後みんな死んでしまった。周りはみんな泣いていた。それにしても彼らの感情表現は素晴らしい。思いっきり笑うし、思いっきり泣く。そして思いっきり驚く。全部声を出して。
最後にアメリカ人の男子(名前はティレルという黒人アメリカ人)を見ていて、話していて思ったこと。アメリカ人の陽気さはただものではない。ずっーと冗談を言っているし……、「アメリカは金を一杯持っているから」って言うし……。もう世界はアメリカに任しとこ。多分大丈夫(僕はむちゃむちゃアンチアメリカだけど……)。アメリカでも第2外国語としてフランス語とかドイツ語とかを学校で何年も勉強するらしい。それは意外、けど彼いわく「アメリカ人は他の言葉を真剣に身につけようとしない。何故なら英語はどこへいっても通じる共通語だから、それで充分」。納得。やっぱりね。そして「日本人もそうだろ?」と。いやいや日本語は違うでしょう。
[今日の発見]:GSMは携帯電話のこと、VTTはマウンテンバイクのこと。
          

  
  
9月22日(金)           
今日は昼からCharleroiの街を歩きに行ってくる。CharleroiはScifoのいるクラブチームCharleroiのホームタウン、そして思いっきり重い工業の街。古びたごっつい工場がもくもくと煙を吐き出していて、ちょっと時代錯誤。文字通り街を歩きに歩きまくる。途中でrestaurantによって昼ご飯を食べワインを飲むといういつものパターン。そして今日はちょっと買物。で、stade(Stade du Pays de Charleroi。けど地図にはSportingと書いてあるし、caféの親父もSportingと言っていた)を見に行く。先週のGenkのような素晴らしい設備ではないけど、雰囲気があっていい感じのstade。いかにも南のチームっていう感じが出ていてよい。
今日はふと思いついて出かけたので、カメラを忘れた。そして何よりも痛かったのが、GO−PASSを忘れたこと。おかげで、週末でもないし、何の割引もない料金を取られる。と言っても350F(850円ぐらい)、日本で考えれば高くないけど……、やっぱり痛い。
ちょっと今日は何かものすごく疲れたので、6時くらいには早々とMonsへ帰還。で、どうしてもメールを出す必要があったので、Tayasuさんの家へ行って電話を借りる。いつもいつも有り難うございます。
ほとんどのベルギー人の学生は週末親元へ帰ってしまう。1週間分の洗い物を持って。けど週末街並から人が消えるかというと、そうではない。週末Grand Placeはいつもに増して人で溢れる。何故だろう?Monsの不思議。
もう1つベルギーの不思議。テレホンカード(Télécard)が郵便局で買える(他には本屋や駅で買えるらしい)。で教えてもらった割安なテレホンカード(THE PHONECARD←何で英語?)を買う。これはまずフリーダイアルの所にかけて、買ったカードの裏の銀色の部分を削って出てきた数字をプッシュして、そして相手の番号を押す。『最後に#を押せ!』って書いてあるけど、押さんでもいける。これで日本にかけたら200BF(約500円)で20分(相手が携帯じゃなくて家の電話(téléphone domesutique)の場合)話せるらしい。そしてこれは普通にかけるより20%ぐらいお得らしい。けど、20分500円ということは1分25円、1時間で1500円。うーん、相手が携帯だったら、どれくらいなんだろ?もしかしてむっちゃ高いんちゃうん?恐ろしい。
          

  
  
9月23日(土)           
昨日の夜、寮は恐ろしいくらいに静かだった。うちの階はベルギーが多いかい(らしい)のでみんな週末両親の元に帰っていて人の気配がなかった。ちょっと怖かった……。
今日はBruxellesにまた行く。今度10月の24日にある「Anderlecht-Manchester U」の試合のチケットを買いに行くのが目的(結局この目的はすっからかんと忘れてしまっていたけど……)。そしてこれは説明が難しいだけど、日本からオランダのMaastrichtに日本語教師として派遣される子がいて、彼女は夜にBruxelleの空港に着いてその日のうちにオランダに入るのに、ベルギー人にその案内を頼んでいて、そしてそのベルギー人ってのが今年の7月までうちの大学(日本の)に1年間留学していた男子で、ちなみに彼はMonsに住んでいて、Mons大学に通っていた男子で、そして日本語を流暢に喋れる、今僕はフランス語を教えてくれる人が必須なわけで、そこで彼と是非仲良くなっておく必要があった、そしてさらに金曜日にメールチェックした際に彼からメールが届いていて、土曜日の夜に彼女がBruxellesに着くことと、「わたしは自分で(車で/電車で まだわかりません)迎えに来るつもりですがいいことに考えたら、連絡をしてください。(原文のまま、彼は漢字をいっぱい使える)」って書いていてあったんだけど、こっちとしては土曜日に開いて初めてそれを見たので返事をすることも出来ず、せっかくメールくれたのにちょっと失礼かなと思って、空港に行ってそこにいるAlban(あぁ、彼の名前)に会おうかと考えたわけで、そういう目的もあったわけのです。
まぁ、そうは言っても空港に行くのは夜の話。たっぷりとBruxellesで時間があったので、まぁ恒例の“目的のない一人歩き”を敢行。最初はルネ=マグリットを見に王立美術館(Royal d'Art)に行こうとしたけど、ちょっと時間が中途半端なので断念、むっちゃ広いらしいので今度たっぷり時間を取って行くことにする。最初はアドルフマックス通り(Bouvevard Adolphe Max)をちょっと歩いてはcaféでbièreを飲み、ちょっと歩いてはcaféでbièreを飲んでいた(その日はあまりにも暑すぎた)。何でか分からないが、パレードをしていた。何かの祭だったんだろうか?それとも毎週土曜日はそうなのか?その後、全く別方向になるけど、まだ行ったことのないEUの本部や、凱旋門、サンカントネール公園の辺りを散歩。公園のベンチで思いっきりぼーっとする。本当にぼーっとしていたので多分口開いていたと思う。けどとっても気持ちが良かった。

凱旋門 うーん、凱旋門

Bruxelles Central駅まで戻って空港までの電車に乗る。空港まで10kmちょいという所なのに、電車で20分ちょい。遅っせー。で、空港は小っちぇー。まぁ、僕としては彼女が乗ってくる便がどこの会社かどこから来るのかも分からず、時間もAlbanのメールだけで、見つけることが出来るか心配だったのでこの規模を見て一安心。彼女が入国出口から出て来てすぐに発見できた。しかしAlbanは発見できず、彼女が電話かけると後15分くらいで着くと言う。どうもAlbanは彼女の到着時間を2時間間違えていて、一度空港に来ていないので引き返したらしい(けど僕にメールで教えてくれた時間は正確だったのに……、ここら辺がよく分からない)。とにかくAlbanに会うことが出来て1年間よろしくねと堅い握手を交わす。Albanは真面目な男で、フランス語、フラマン語、日本語、英語を話すことが出来る。すごい!すごい真面目な男で。Albanは真面目な男で、彼女がMaastrichtに辿り着くまでの電車の時刻を完璧に調べてきてくれていて、紙に書いて持ってきていた。いい人だ。こんなにいい人なら日本留学中会っておけば良かった、そして色々役に立ってあげれば良かった(彼が日本にいる1年間の間、同じ大学にいながら一度もあってない……)。彼は最初Liègeまで送るって言っていたけど、2時間ずれたためにLiègeまで行っていると彼が今日中にMonsに戻ることが出来なくなることが分かって、彼はBruxellesで乗り換えを案内してくれてそこで別れることに。まぁ後はLiègeで乗りかえればいいだけだから大丈夫だろう。Liègeには行ったこともあるし……。
空港での大失態。200Fのテレホンカードを買おうとして、自動販売機に500Fを投入、そして200Fのカードのボタンを押した。するとテレホンカードは出てくるけどおつりが出てこない。よく見るとおつりの出てくる所がなく、更によく見ると「ちょうどの金額を入れてね」と書いてある。はぁー、あと300Fテレホンカード買わなあかんということか。けど自動販売機には200Fと500Fのカードしか売ってない。200Fのカードを1枚買ったところで100F残してもうやめようとした。けど、うーん、100Fもったいない。よーく考えてもう100F投入してあと1枚カードを買うことに。結局600Fを注込んで200Fのテレかを3枚も買ってしまうことに……、なんか納得いかん。
ちなみにGO−PASSでベルギーを出るときはベルギーとオランダの国境の駅Viséという所までGO−PASSを使って、そこから目的地までの切符を買えばOK。Visé-Maastrichtは210F(約500円)。無事国境を超えMaastrichtの駅に到着。ここまで来ればもうオランダ語なので彼女に任せて僕はお役御免(っていうか役立たず)。
この時点で11時近く。taxiを使って彼女の滞在する寮まで行く。実際は寮って感じではなく普通の民家(豪邸)だったんだけど、そこの管理している(住んでいる)夫妻がとっても優しかった。突然訪ねて行った、それもそんな遅い時間に何の連絡もなく訪ねて行った僕のためにわざわざベットを用意してくれて、さらにはbièreまで御馳走してくれて、おなかが空いていたので台所まで借りてしまって。オランダ人の優しさには恐れ入った。はっきり言って世界一だ。
          

  
  
9月24日(日)           
Maastrichtを観光する。始め僕の大きな勘違いでかなり地図から離れた方向に向かう。もう少しでMaastrichtの街自体からはみ出る寸前まで行く。で引き返して城壁や、地獄門(Helpoort)を発見したときは本当に感動する。地獄門はその昔ペストが大流行したとき、ペスト患者をその門を通って街の外に出したらしい悲しい門。彼らは病のため2度と街へ戻ることが出来なかったために「地獄」の門と呼ばれているらしい(彼女から説明を受けた。何せ説明がオランダ語のもので全く分からん)。ちょっと羅生門を想像してみたりして。いや違うな。言ってみれば西院の方かな……。
その後はCentre Ville(Centrum)の方に行って、色々観光。ただOffice de tourismeで街のガイドのフランス語版ある?って聞いたら、ないらしく英語版を渡されそうになった。いやそれならオランダ語版の方がいいって(今後僕がオランダ語を理解出来るようになった時のため?)。聖セルファース教会(St. Servaasbasiliek)を見学。中に宝物殿みたいのがあって、象牙やら金ピカのものやらが陳列されていてちょっとうんざり。やっぱりキリスト教は権力なんだよ。でもキリスト教って棺をあんなに金ピカに飾るん?けどフランスやベルギーで見たどの教会よりも中が明るい雰囲気だった。色使いも明るかったし。同じカトリックじゃないんかな(いやキリスト教オランダ革命派)?あーあ、勉強不足。
昼飯はフライトホフ広場のレストランでとる。せっかくオランダに来たんやからオランダの特色のあるものが何か食べたかったんで、ウサギのマーストリヒト風(フランス語のメニューには確かにそう書いてあった)を注文。で、出てきたのが完璧なウサギの煮込み料理で、フランス風。どこがマーストリヒト風なんやろ?全体的な印象として飲み物は確実にベルギーの方が安い!
途中ベトナム料理の屋台で買物。おっちゃんもおばちゃんも明らかにベトナム人、どう見てもベトナム人。で、そこでヨーロッパに来て初めて騙された。後でよくよく考えると10G足りない。ぬおっーち、10G=450円くらい。金額どうのでむかつくよりも、騙されたことが異様に悲しい。それもこんな遠い国で同胞のアジア人に。悲しい。
最後にMaas川のクルーズ。クルーズというか川下というか微妙なところなんやけど、船の上で受ける川風は本当に気持ち良かった。他にも川をクルーズして国境を巡るやつとかもあるらしい。これは行きたい。こうして初オランダは幕を閉じる。やっぱりオランダ語を喋れると観光がスムーズにいく。まぁ英語でも十分いけんるんやろうけど、どっちにしたところで僕1人では難しい話。案内してくれて本当に有り難う。感謝します。Monsに着くと雨。寒みぃー。
Maastricht 聖ヤンス教会 Maas川と僕
Omwaling - 夢の跡 St.Janskerk - 血の赤 Maas - 悦の石
          

  
  
9月25日(月)           
いよいよ大学生活2週目。相変わらず授業はよく分からんけど、まぁ先週に比べると多少はましになったような気が……、気持ちに多少の余裕が出来たからか。でもよく分かってないのに授業に出ている僕の姿はベルギー人にとって奇妙に映るようで、授業前に「Naoto, aujourd'hui tu enbête M.Dupon? (今日もデュポン(先生の名前)を困らせるのか?)」と言われた。彼はその後冗談だよと必死に言っていたけど、一瞬マジそうなんかなーって思ってちょっと悲しくなった。
そのDuponの授業はAnalyse de texteという授業だった。でテキストを読む心得みたいのを説明していた(ような気がする)。どうもはっきり分からんけど、とにかくちょっとでも理解出来るところがないかとDuponの顔をずっと睨みながら話を聞いていた。相変わらず私語なんてものはない。途中で「Pierre cesse de fumer.(ピエールは煙草を吸うのを止めた)」と言う文は2つの情報を持っている。それは「Pierre a fumé.(ピエールを過去に煙草を吸っていた)」という情報と、「Pierre ne fume pas.(ピエールは今煙草を吸っていない)」という情報だ。という部分があって、まぁそれを難しい言葉(聞いたことない単語)を使って説明していたんだけど、その時挙げた上の例が聞き取れて、あぁー面白いなって思って聞いていた。そしたらDuponが「Pierre n'a jamais touché de cigarette dans sa vie.(ピエールは今までの人生で一度もタバコに触れたことがない)」と言う文はどんな情報を持っていると質問してきた。僕は「Pierre n'a jamais fumé.(ピエールは一度も煙草を吸ったことがない)」と答えた。するとDuponは「très bien!」とむっちゃ褒めてくれ、みんなに彼のフランス語はもうすでにhaut niveauだ、と言ってくれた。何で?日本語で考えれば簡単なことなのに……、まぁこれは僕がまだ日本語で考えている証拠でもあるんだけど。授業後にLuigiも、あれは難しい問題だったと言って、「Tu est intelligent.」としきりに言ってきた。うーんやっぱり俺頭いいと思っとんたんや。けど……、どうもみんなして僕を褒め殺すつもりらしい。
今日はお昼から猛烈に眠い。日本にいる時よりずっと集中している時間が長いからか(特に授業中など意味が分からないくせに頭が熱くなるほど集中している)、それとも歩き過ぎか。で、18時過ぎには就寝。子供より悪い。7時半くらいにMumuが訪ねて来てくれる。あぁそう言えば前回日曜日か月曜日に写真(彼女が日本に行った時の写真)を見せてもらいにいくって約束していたんやっけ。ごめん!このいい加減さはベルギーで集中状態にあっても治ってないみたい。だからこれは生まれつきやね、怠慢じゃなく。だから日本の皆さん、僕のいい加減さは生得ものとして怒らないようにね。わざわざ訪ねて来てくれてすっごく嬉しいんやけど、今日は本当に眠過ぎるので、明日にしてもらう。ごめん。bon nuit! 「C'est trop tôt?」って聞いたら、「C'est pas grave.」と笑われた。いや早過ぎる「おやすみなさい」だな……。これで日本人は夜7時には就寝すると勘違いされなければいいが……、せーへんか。
[発見]:ベルギー人も前置詞を間違える。ベルギー人が授業で「à l'Europe」と言って先生に訂正されていた。彼はたくさんの言い分があった様だが、先生は頑として「en Europe」だと説明していた。彼らも間違えるんやから日本人が前置詞間違えるのは当然。Pas de problème !!
          

  
  
9月26日(火)           
そうそう、日本でも石油の値段が馬鹿上がりしているらしいけど。どう?どれくらい?大丈夫なん?ベルギーでは去年から比べて2倍近くになるらしいかもという噂があって、かなり危機的な状態(らしい)。新聞でも毎日石油の値段どうなんねんって記事が載っていて(ちょっと難しいのでパスする事も……)、今年の冬は暖房をケチるらしい。その為に暖冬になるのを願っている。その他にベルギーではトラックの運転手たちの大々的なデモがあって先週の週末辺りはBruxellesの交通昨日は麻痺した。更にそれはベルギー各地に散らばって結構大騒ぎになっている。Monsでも農家の人達がトラクターで主要道路を走ったらしいが、あまり問題なかったらしい。けど、どうも僕には伝わってこん。寮では暖房や電気を節約しましょう、と言う紙があちこちに張ってあるけど、そう言っても毎年住んでるわけ違うんやし、今年だけ暖房節約ってどうなねん?と言うことで、暖房は使いまくる。だって寒いんやし。けど暖房代が基準を超えていると後で個別に請求が来るらしい……。


夢の跡2 夢の跡2

たった3週間足らずで……
結構笑いは取れるけど……
どこに捨てればいいのだろう……

今日は新しい出会いがあった。といっても男子である程度予想できた男子だけど。Andréという去年大学のdiplômを取って、今年またオランダ語を勉強するために大学に残っているごっつい、しかも長髪の男子。彼は日本語をあんまり喋ることは出来ないけど、たくさんの単語とたくさんの漢字を知っている。「僕は日本の漫画が好きなんだ」ときた。うぉー、とうとう来たか!Tayasuさんに日本語を勉強している奴はちょっと危ない感じの子が多いと聞いていたけど、Andréはもう日本で言う漫画マニアそのもの。けど日本のそれとは違って、危険な感じはあんまりなくとっても明るい。周りの奴もみんな彼のこと知っているし、いつも誰かに話しかけられている。彼は日本語の会話を学びたいらしく僕に日本語を教えてくれと言う。替わりにフランス語を教えるからと。はぁ、別にいいよ。彼も危ないけど、僕も充分に危ないのでもしかしたら話しがあうかも。ただ漫画は全く興味ないし、知らないのでその点では彼の期待に答えられないが……(エヴァンゲリオンとか本当に知らない漫画とか聞かれて、よく知らないと答えたら彼はとっても悲しそうだった)。彼はとっても丁寧にフランス語を教えてくれるからいいんだけど。
夜はMumuの部屋に写真を見せてもらいに行く。彼女はアメリカ人の女子と一緒に住んでいる。同じで部屋で赤の他人と一緒に生活するとは……、信じられない。それも仕切りなんてないんやから、僕なら精神衰弱で死んでしまう、間違いなく。写真には東京あり、大阪あり、京都あり、奈良あり、そして茶道あり、刀を作る所あり、蕎麦打ちの場面あり、海がありと、よくもまぁこんなに短期間に回れたなと言うくらい色々見学している。とくに彼女がセーラ服を着てルーズソックスを履いて、しかも髪に花をつけている写真は笑った。一緒にラーメンを作って食べる。彼女は上手く箸を使える。で、日本のCDも何枚か持っていて(TUBE、ELT、GLAYなど)、久しぶりに日本のCDを聞いた。後半はずっとレディオヘッドの「OK Computer」を聞いたけど(ところでTomoちゃんは本当にパリのSt-Deniで行われたRadio Headのライブに行ったのだろうか?うらやましい)。そして帰りにGLAYの「誘惑」を借りた。どうも彼女は日本人の男の子はみんなGLAYが好きだと思っているふしがある。そんなに好きじゃないんやけど……。
10時半くらいに部屋に帰ってradioで「Dynamo Kiev - Anderlecht」の試合の実況を聞く。相変わらず分からない。けど2-0で負けている。あぁ、また1点取られた。だめだこりゃ。「trois minutes supplémentaires」 うーん、3分間のロスタイムがあるということか。けど3分間じゃ C'est dur!。負けたなこりゃ。あ!また1点取られた。
          

  
  
9月27日(水)           
今日は休み。9月27日はCommunauté Françaiseというfêteで祝日(でもワロン地方だけ……らしい)。何を祝した祝日かいまいち分からないんだけど……。コインランドリーに行って洗濯、そして……何もナシ。
書く事がないので、大体時間割が決まったので書いておく。この他、まだ外国人用のフランス語は始まってないし、後期からの一般教養科目も取る予定だし、それに中国語とロシア語のオプション授業も取る予定。ちなみにロシア語(時間割に書いてあるオプションじゃない方)については微妙なところだけど、来年日本に返ったら単位を振り替えてもらわなあかんので、取るか取らないかはここでははっきりさせないことにする。うん、多分取ると思う。一杯授業とっているってことをアピール。

Lundi Mardi Mercredi Jeudi Vendredi
8:15〜9:15   Russe     Russe
 9:15〜10:15 Français Russe     Russe
10:15〜11:15 Français Français   10:00〜12:00
Français pour
étranger
Japonais
11:15〜12:15 Français Français Russe Japonais
12:15〜13:15 Russe   Russe Français  
13:15〜14:15 Russe Linguistique      
14:15〜15:15     Français  
15:15〜16:15   Histoire des civilisation      
16:15〜17:15 Littérature belgique Artistiques    
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昼からなーんにもやる事がなかったので、ワインを飲みながら新聞を隅々まで読む。そして面白い記事があったので書く。記事の題名は『Petits salaires, levez le doigt!』で、「薄給の人、手を挙げて!」ってな感じかな。平均給料は9500BF(約22万)って書いてあったので、結構ベルギーって給料いいねんやなーって読んでいくと、これはどうも違うらしい。その平均95000BFってのは社員20人以上の会社を対象にした調査結果で、個人時企業や小企業を含めるとそれはずっと下がって55000BF〜63000BF(約12万5千〜15万5千円)ぐらいになるらしい。これはもちろん月給の話。けど、月12万ちょいってそこら辺の学生(もちろん日本の)でもちょっと気合入れて働けばアルバイトで稼いでしまうでっていうような金額。うーん、アルコール安いのが分かったね。ベルギーでは(も?)大会社ほど給料がよくて、小さな会社になればなるほど給料が低くなって、その差はかなりでかいらしい。そして一番給料が安いのは個人企業の店で働く店員さん、例えばブティックの販売員らしい(ただスーパーのレジは別らしい、何故?)。彼(女)らの中には35000BF(約8万円)ぐらいで働いている人もいるらしい。そしておかしな話で扶養家族のいる失業者には失業手当として31850〜36296BFが支給されるらしい。と言うことは働いていないのにそこら辺の販売員より稼いでいる人がいる訳だ。不思議なものだ。日本はどうなんだろう?けど服屋さんで働いているお姉さんはあんなに着飾って、あんなに愛想を振り撒いているのに月8万しか貰ってないんやね。月に8万何もせずに僕は奨学金を貰っているのに……。はぁ、御免なさい。ちなみにベルギーでも男女の給与格差は相変わらず残っているらしい。男子工員→73500BF、女子工員→58500BFというように。

職業別平均給与   (勤続10年でフルタイム勤務、税込み)
警察官      約18万 郵便局(窓口)      約14万
スーパーのレジ 約13万 電車の運転手 約19万
料理人 約17万 カフェのギャルソン 約13万5千
先生(幼稚園) 約12万 私立病院の看護婦(士)(昼勤) 約21万
先生(小学校) 約12万5千 私立病院の看護婦(士)(昼勤・夜勤) 約29万5千
先生(中学校) 約16万5千 私立病院の看護婦(士)(夜勤) 約34万

勤続10年の人の給料の平均。それもここから税金とか引かれるわけ。けど、看護婦(士)の給料が異様に高い。けどベルギーで看護婦になるのはむっちゃ大変という話を聞いたことがある。きちんと難しい免許を取らないといけないし、学士とかも取る人がいるらしい。僕の周りの働いている人達。給料が低いと言ってもベルギーならものすごい高給取。だから頑張りましょう。って俺に言われたくないね。
          

  
  
9月28日(木)           
今日ある事を発見した。僕が「vite, vite」と言うといつも周りのやつらが笑っていたんだけど、何故だかやっと今日分かった。僕の"v"の発音が"b"の発音のように聞こえて、「vite, vite」と言っているつもりが「bite, bite」と聞こえていたんだね。ちなみにbiteは自分で調べてください。このHPの品格に関わるので。そうならそうと早く言ってくれればいいのに。他に発音に関してはやっぱりよく訂正される。sudとかchaussureの「s」の発音。これが難しい。Afrique du sudと言って笑われ、chaussuerと言って笑われ。難しい。他に今日はcourとcoeurの発音の違いを指摘された。微妙なんけどね。難しい。やっぱり日本人は欧米人に比べて耳ということに関してちょっとハンディがある。日本語の音域が狭いんだから仕方ないんだけど……。
朝から「le cours de français pour étrangers (外国人のためのフランス語講座)」のクラス分けテストがあった。相変わらず筆記試験は死ぬほど簡単。けどちょっと日本のテストは趣向の違った設問があって興味深かった。で、次にオーラルのテストがあるんだけど、これが時間かかるかかる。何でか分からんけど僕は後回しで最後から2番目、結局3時間近くも待つ羽目に。どーやねん。こいつら本当に待つことを屁とも思ってないね。もっと効率を考えようよ。効率を。オーラルテストは散々……。ウィークエンド何したか教えてくださいと言われて、本当に短くしか話が出来ない。いっぱい言いたいことがあるのに。「C'est fini?」なんて聞かれたりして。もうちょっとで卵の殻を破ってフランス語の外界へ飛び出せる予感はあるんだけど、まだ殻が固くて割れない。卵の中では充分に大きくなっているのに……。
夜はmonsieur COGNEAUの所を訪ねる。彼は日本に武道(空手、柔道、剣道、合気道など武道全般)の修行で5年間滞在して、日本人の奥さんをもらって、そして今ここMonsで「Fédération Belgo-Japonaise de BUDO」というもの設立して、武道や華道、日本語など日本の文化全般を教えている。そこで僕も少しでも日本語を教えることで彼の役に立てればと彼の元を尋ねたわけだ(実際は日本語を学ぶ生徒の中でフランス語を教えてくれる人を求めてというのが第一義だけど)。僕が着いた時にはもう授業が始まっていて、クラスには結構多くの若者がいて、みんな日本語学びたいのかとちょっと驚いた。中に一人今年2年目だと言うDominiqueという人がいて、その後1時間くらい一体一で彼に日本語を教える。とは言っても彼はあまり日本語を話すことが出来ないので必然的に会話は全てフランス語。これははっきりいって僕のためのフランス語の授業。彼はとても物腰の柔らかい人で、フランス人でフランス軍に勤めていて今Monsにいるらしい(Monsには巨大なアメリカ軍基地がある)。まぁ素敵な時間を過ごす。その後Cogneauさんにワインを御馳走になって、Dominiqueさんに車で寮まで送ってもらう。ちなみにDominiqueさんは「tu」でいいよ、といってくれたので彼を「tu」で読んでいる、ちょっと変な感じがするね。
          

  
  
9月29日(金)           
今日は授業がない(来週から始まる)ので朝寝坊。昼近くに学校に行ってメールチェックをして図書館でAndréに日本語教える。これもまた会話は全てフランス語なので半ば僕のためのようなもの。ただAndréはDominiqueさんよりは日本語を喋れる。そして沢山漢字を知っていてる。なまじたくさんの語彙を知っているので、彼の質問に一つ一つ丁寧に答えていくのは結構大変。今日は「昭和って何?」と「食べる?と食べるか?の違い」を上手くフランス語で彼に伝えることが出来なかったので、次回までの宿題となった。結局3時間以上喋っていた。疲れた。毎週金曜日の昼から彼と勉強会をすることが決まった。
また新聞で面白い記事を見つけたので書く。アントワープ(Anvers)の近くの街で『petit panier de Moise (強引に訳せば「モーゼの小箱」って感じかな)』と称する捨て子を入れる箱(?)が設置されたらしい。これは"Moeders voor Moeders (お母さんのお母さん)"という団体が赤ちゃんを生んでしまって困っている人は、捨てるならこの箱に入れてくださいという趣旨で設置したもの。彼らの見解は「これによって本来ゴミ箱や道端に捨てられる運命の捨て子(l'accouchement sous X)の命を救うことが出来る」ということらしい。そしてこれには面白い(不謹慎かな?)システムがあって、赤ちゃんをこの箱に入れる時に赤ちゃんの足の指紋を取っていくことが出来るようになっているということ。そしてこれによって将来再びその子の母親を名乗ることが出来るようになっている。もしそれを望まないならその赤ちゃんの足の指紋は「un joli souvenir (いい思い出)」と言うことらしい(これは実際にこの団体が言っていること)。どうやろ、決行衝撃的な行動だと思う、けどコインロッカーベービィーを考えると……、難しいところだね。もちろん大反対している人や団体も沢山あるらしい。ちなみにこのシステムはドイツで既に去年の3月から2台実施されていて、そこから着想を得たらしい(ドイツでは現在までに2人の赤ちゃんがその箱に捨てられたらしい)。
          

  
  
9月30日(土)           
今日はMonsはお祭りだ。毎年この季節に「La fête de l'automne (秋祭り)」を商店街が細々と行ってきたようだけど今年は違う!Euromédiévalees 2000という「中世ヨーロッパ祭」と言っていいのか、なんて言っていいのか分からんけど、そういう催しが乗っかってきて、今日と明日2日間にわたる大々的な祭になるらしい。で、Grand Placeに行ってみると、うーん確かにやっている。鞴で風を送って鉄を焼いて、それを打って武器を作る実演をしていたり、大きな肉を串刺しにしてくるくる回しながら焼いていたり、中世(風の?)衣装で音楽を奏でていたり、うーん、中世祭っぽいけど、これが祭か?人通りもいつもと変わりないし……。ちなみにくるくる回して焼いた肉を食べたけど(Jambon grillé avec pain et sauce 80F也)、どうも美味しくなかった。
駅前の広場の方にも行ってみたけど、同じようなもの。ただ多少は人も多くて活気があった。わざわざ土をひいた広場を作ってそこで馬術の披露もするらしい気合の入りよう。結構著名なマジシャンやジャグラーが技を披露するらしいけど……。別にいいや。少しぼーっとして帰る。途中電話をしようとして、色々な人に電話をかけたけど、誰も通じない。あまりにも繋がらないので故障かと思ってオペレータの人(VISAフォンの)にわざわざ聞いてしまった。けど故障でもなんでもなく、単なる「電源を切っているか、電波の届かない所にいる」状態らしい。全く、みんな何してるの?仕方ないので、実家に電話をした。昨日荷物が届いたので、その旨を知らせるために。ちなみに荷物は小箱8kgで1万3000円くらい、届くのに2週間かかった。そしてさらに385F不足していたらしく、月曜日に寮の管理人に払いに行かなければならない。中身きちんとチェックされたらしく、せっかく圧縮パックで圧縮して送ってもらったのに、パック自体が切られていて意味をなしてなかった。ちょっと税関のデリカシーのなさに憤りを感じた。
夜から地元チームMonsの試合を見に行く。簡単にMonsのチームの紹介をしておくと(あんまり詳しく知らんのやけど)、Monsは去年は3部リーグにいたんだけど、昇格決定戦に劇的な勝利(PK選までもつれ込んだ熱い試合だったらしい)を収め今年から2部リーグで戦っている。すでにに6試合消化して3勝1敗2分けで、首位から勝ち点差5の5位という高位置につけている。ちなみに僕が来てからは“引き分け→勝ち→引き分け→勝ち”で負け知らず。で、誰がいるかというとこれはよく知らない。ベルギー代表がいないのは確か。で、多分ブラジル人がいると思う。そして先週アルバニア人の選手を獲得したと新聞に出ていた。ベルギーは凄い選手はみんな外国に出て行くので、言っちゃあ悪いが残りかすで3部も4部もあるリーグを戦っているわけで、チーム間の、リーグ間の力の差があまりない。だからもしかしたらMonsは来年1部に昇格するかもしれない!ってみんなが熱くなっているわけだ。
ちょっと気合をいれて30分前にはスタジアムに到着。寮から徒歩25分の距離。盛り上がりとしてはこんなもんかなって思いながらチケットを買って(300F=700円ちょい)、スタジアムに入ると人はがらがら、写真の状態。まぁ2部だからね。けど試合開始時間が迫ってくるに連れ続々と人が入ってきて正面スタンドはほぼ満席の状態。驚いたことにみんな立って観戦。結構な盛り上がり、ビジターチーム(visiteurs)ともちゃんと隔離されていてセキュリティーもしっかりしている。ここらへんは2部でもやっぱりヨーロッパなのかな。けど案内をしてくれる人達はみんな老人。ここらへんはローカルでよろしい。試合前の写真撮影にカメラマンが一人しかいなかったりとやっぱり一部との違いもある。
試合ははっきり言ってひどい内容。サッカーの試合を見るのはヨーロッパに来てこれで4度目になるわけだけど、試合ごとにレベルが下がっていっている……。とうとうここまできたかというレベル。草サッカーだねこれは。間違いなくJリーグの方がレベル上。多分サンガでも圧勝できると思う(多分)。きちんと意図した所にパスが通らないし、ごちゃごちゃしてきたら前にただボーンと蹴るだけだし……、ちょっと高校の時のサッカーを思い出した。サポーターも大したブーイングもなしに盛り上がっているところを見れば、これはこれでいいのかな。この他に試合中ずっと試合を見ずに話をして馬鹿笑いしている若者たちを見て思ったことがある。他の国はどうか分からないけど、ベルギーではみんなサッカーが死ぬ程好きってわけでなく、サッカーは『お国争い』の1つなのかもしれない。ただ他の町に負けないように、”オラが町のチーム”を応援しているんじゃないかな。そうすればこのスタジアムの雰囲気も説明がつく。けどもちろん真剣にサッカーを見て、ヤジを飛ばしているおっさんも沢山いることも確かなんだけど。
試合自体は終了10分前にMonsがPKを得て、それを決めて1-0で勝利。すごい、また勝った!まぁ、低いレベルの中でも若干Monsが押していたことは確かなんだけど。まぁ、よかった。ただ一番印象に残ったのは選手が接触して倒れてもメディカルがなかなか倒れた選手のもとに行かない、そして担架なんてものがないってこと。前半に相手チームの選手が接触して倒れたままずっと起き上がらなかったらイエローをもらった(多分遅延行為でだと思う)、そしてその選手がそれに対して審判に抗議したらまたイエローをもらって退場になった。やっぱり1部リーグとか国際試合で選手が倒れてなかなか立ち上がらないのはよくない。そんなに痛くないのに(立ち上がれない程って意味)、早く立ちあがろう。ラグビーを見ならわな。

R.A.E.C. MONS R.A.E.C. MONS