8月16日(水)           
今日は朝から本当に学校に行きたくなかった。けど、それが今までの僕と違う所で(と言うかかろうじてまだ少しは緊張感があるみたい)、どうにか遅刻せずに学校へ行く。けど学校行ってもいっこうにやる気がわいてこず、だらだらと過ごす。で、グループ作業で例のしょうもないイタリア人Francescoと一緒になる。僕が何を言っても彼は僕の意見を取入れないし、かといって彼の言っている事もよく分からないし(分かる部分でも本当につまらない、何が面白いのか分からないが彼はいつも自分の言ったことで笑っている。怖い)、もう早々と「勝手にしろ体制」に入る。それ以降は彼が何を言っても答えない僕。あまりに僕が参加していないので先生が「Vous êtes fatigué ?」と聞いてきた。僕は Oui とだけ答えた。あぁ、だるい。
9時からSeikoちゃんの家へ行ってテレビを見させてもらう。今日はフランス代表vs世界選抜の試合がマルセイユであった。まぁ結果は5-1だったけど。。デシャン(Deschamps)は代表をこれで退く。そしてブラン(Blanc)も……。けどやっぱり中田がいることに感動。それに始球式にジャン・ピエール・パパン(JPP)の姿があった(まぁ始球式は彼の娘(多分?)が蹴ったけど……)。今日こんなに授業やる気がなかったんだからマルセイユにこの試合を見に行けば良かった。後悔。
試合終わった後もだらだらと朝の5時までワインを飲み続ける。あーぁ、くらくら。
          

  
  
8月17日(木)           
今日はほとんど寝ずに学校へ行った。眠い眠い。やっぱり午前の授業も、午後の授業も寝てしまった。あまりにも眠たそうにしていたので先生も含めてみんなが僕が体の調子が悪いんだと思ったらしく、すごく心配そうに尋ねてきた。ほんとうはただの二日酔い&寝不足なのに……。みんな有り難う。
午後からの授業でイラン人弁護士のMohamedと色々なことについて話した。彼は妻を国に残して4年間もフランスで留学しているらしい。なんとチャレンジャーな。けど、ちょっとおっちゃんで、訛りがきつくて、とっつきにくかったけど、実際はとってもいい人だった。
お昼に17歳のブラジル人と一緒に学食に行った。彼とはサッカー話でかなり盛り上がった。お互い拙いフランス語で(とは言っても彼は結構喋れる)サッカーへの熱い思いをぶつけあった。彼はリオの近く(本人いわく5時間かかるらしいけど、地図上では近く)に住んでいて、フランメンゴ(ブラジルのサッカーチーム)がごっつい好きらしい。そしてZicoを崇拝しているらしい。そしてマラカナンスタジアム行くことを強く勧められた。すごくマラカナンに誇りを持っているらしい。僕は「2002年のWorldCupには日本に来いよ」と言った。最後に、彼いわく、ポルトガル語はフランス語より難しいらしい。彼は再来週からClermont-Fdに場所を移し1年間留学する。
今日は8時からCavilamでフランスの映画の上映会があるけど、多分今日は行かない。今からワインを飲んで寝ることにしよう。
……ここでいつもその日あったことばかりじゃつまらないので、今日色々考えたことを書く。最近外語大学へ編入したことをちょっと後悔している。と言うのも、フランスで出会う人たちは皆自分のやるべき事を持ってそれプラスフランス語を勉強しているわけ、こんな遠い所まで来て、例えそれが夏休みの間の数週間だけのものだったとしても。それが例えば都市計画をやりたいだとか法律をやっているだとか、それが哲学だったり、paticierになりたいだったりとか。で、授業での自己紹介だとか例えば新しい人と出会った時だとかに必ず「君は日本で何をやっていたの?」とか「君の専門は?」とか聞かれるわけさ。それが外大だったら何を専門にしているって言えるの?分からない。一応「J'etudiais la linguistique au Japon.」とか答えているけれど(確かに言語学は自分でちまちまやってはいたけど、それにコーパスなんかはとっても楽しいと思うけど……)、別に大学を頼ろうとはしてないけど、それでもやっぱり一体何を提供してくれるんだろう?いっぱい西洋の言葉を教えているけど、それを学ぶためにキリスト教関係の授業なんかあったもいいと思わないか?ギリシャ神話とかあってもいいんじゃないか(まぁ西洋古典文学はある。すごくよかった。岩倉先生にはラテン語を含めすごくよかった)?それだけじゃない。やっぱり喋べろ、喋べろという流れにもすごく面白くないものを感じる。だって大学やで?もっともっと文章を読む機会があってもいいと思わない?先生の読み方の息継ぎの場所が感じられるほど読む機会があるっていうのもいいものだと思うけど……。フランス語学にしたっていっしょ。言語学にしたっていっしょ。これじゃ本当にちょっと体裁のいいNOVAだね。あぁ、もうういい。4年間かけてフランス語を、スペイン語を、ポルトガル語を喋れる奴を量産すればいい。勝手にすればいい。これだけはもう一度言っとくけど、別に大学にすべてを求めている訳じゃない。勉強なんて自分でするものだし。ただ……ただ、ちょっと後悔はしているってこと。編入じたいじゃない。やりたいことはいっぱいあるのに、大きなNOVAを選択してしまったってこと。まぁ選択肢が一つしかなかったわけだけど……。まぁ第二の母校でもあるわけだし、いい先生たちも沢山いるし、素晴らしい日々を送らせてもらったわけだし、いまさらこんなことを言うのも意味のないこと。あぁもう寝よ。泥酔だ。
          

  
  
8月18日(金)           
いよいよ今日で2週目も終わり、今日で全体の3分の2が終わったことになるが、フランス語のレベルは一体どんなものか。うーんちょっと不安、ベルギーに行くのが。ちょっとは聞けるようになってきたが、まだまだ文法全然出来ないヨーロッパ人よりも聞けない。そして何よりも喋ることが出来ない。ヤバイかな……。今週で授業終わりって奴が結構多くて、ちょっと寂しい。段々クラスが良くなってきた所なのに。
[今日の授業のヒトコマ]:フランスのシンガーのVIDEOクリップを見て天国(paradis)について想像しなさい、っていう授業で、そのVIDEOクリップはずっと南極とか雲の上とか、そういう映像ばっかりだったので、ぼくは「Le paradis n'est pas agréable, mais sévère.(天国は快適な所じゃなくて、厳しい所だ)」と発言した。そしたらみんなが一斉にこっちを見て、先生が驚いた様子で「Pourquoi tu pense ?(何故?)」と聞いてきた。ちょっと自信があったので、みんなの反応に少し凹んだ。凹んでいたら、イスラエル人の女の人から紙がまわってきて、そこには「Naoto, tu as une idée adorable de paradis.」と書いてあった。心温まる話。
グループ作業で午前はイラン人と、午後は中国人と一緒に作業した。そして色々と教えてもらった。イラン人にはアラビア語でNaotoとどう書くかとか。あと、中国では“仏”ではなくて“”がフランスってことらしい。仏中辞典は漢字ばっかりだったけどちょっとなんとなく意味が分かって面白かった。

これでNaoto。もちろん右から左に読む。

5時半からサッカーへ行った。今日は体育館内での室内サッカーだったんだけど、みんな上手いね。それも1時間以上もぶっ続けでやって。今日はちょっと自分の下手さ加減に腹がたった。そして切なかった。
お昼はお持ち帰りのケバブ(kebab)。そこのおっさんはとても陽気で面白い。ケバブだからやっぱりトルコ人なのかな?夜は中華を食べる。menuで60F。けど、bièreとか飲んだら計102Fとられる。けど終始箸を使えたのは久しぶりで良かったが。
今日はLa Pénich(先週の金曜日参照)に行くのやめとこうと思ってたけど、今日で授業最後の奴らが行くって言ってたのでちょっとだけ顔を出すことにした。で、ベルギー人で18歳のDiterと最後の別れをする。彼とはもっともっと喋りたかった。Belgique-Japon connection!!

Diter La peniche
Diterとの最後の分かれ La Pénicheの上から
          

  
  
8月19日(土)           
週末はAnnecy観光に出かける。Annecyは学校を決める時VichyにしようかAnnecyしようか最後まで迷った所。だから是非行ってみたかった。Vichy発6:42の列車でとりあえず大都市Lyonへ向かう。Lyonに朝9:00に着いたものの、もうフランス旅行ではお決まりの3時間待ち。Lyonに3時間というのはちょっと中途半端なので、途中のChambéryという街までとりあえず行くことにする。Chambéryは小さな街。Rousseauが1736〜1742年まで住んでいたらしいが、とりたてて面白い所はない。手に入れた地図に従って印のついている観光地を全て巡るがそれも1時間半で終了。正午にGrand-Callionを聞く。なんせこの街のCallionはヨーロッパ最大のものらしいから。で、70の鐘が奏でるメロディーは……準騒音だった……。昼食にはレストランに入る。Plat du jour 47Fと書いてあったので入ったのだけど、それは月〜金のみあとのmenuは100Fを超えていてちょっと高い。仕方ないので、サーモンのピザ(これがなかなか美味)とbière pression(生ビール)を注文。後でmousieurに「Combien ça coute?」と聞くと、「twenty-five」と答えられて、一瞬結構安いやんと勘違いし、じゃあもういっこと注文する(よく考えると日本の生中と同じくらいの値段)。結局115Fの昼食となってしまう。
Chambéry-Annecyは一時間ぐらい、クーラーの効いた素敵な電車だった。Annecyはやはり素晴らしい所だった。思わずフランスに来て初めて写真をぼこぼこ取ってしまった。が、ただやはり人は溢れていた。先週と同じパターン(No hotel , No train)のような気がして、段々不安になってきたので、思い切って今日中にLyonまで戻ってhôtelをとることにする(まぁ、EUROパスの問題とか色々他にも都合があったんだけど)。そうなるとAnnecy滞在時間が2時間程ということになる。別に目的地でもない、つまらないChambéryに3時間も滞在して、この旅の目的地であるAnnecyでは2時間で時間不足とは……、はぁ、これがフランスの旅かぁー。接続悪すぎるっちゅうねん。と言うことでLyon泊。おやすみなさい。
Lyonでは偶然に(本当に偶然に)Nobuと街中で会った。Lyonってフランス第2の街、その大都会の小さな道で僕は彼に出会った。これは運命?

Pont des Amours Le Thiou Chateau d'Annecy
愛の橋「Pont des Amours」 Thiou運河に浮かぶ… Château d'Annecy
          

  
  
8月20日(日)           
今日は1日Lyon観光。まぁものすごくベタな観光をしたと思うので感想はなしで行った所だけあげる。

Place Carnot→Le Rhône→musée des arts décoratif→musée des tissus→Place bellecour→La Saône→Pont Bonaparte→Cathédrale St-Jean→Vieux Lyon→musée Historique du Lyon→musée de la Marionette→Funiculaire(VIEUX LYON-FOURVIÈRE)→Basilique Notre-Dame de Fourvière→Théâtre Romains→métreo→Lyon PART-DIEU(gare de SNCF)。

以上6時間行程。日本人が沢山いた。そして日本語の観光地図5Fで買った。地図をただでくれなかったのはLyonがはじめて。ちょっと納得いかない。ただ地下鉄はものすごくきれいで良かった。
Vichyには7時ごろ帰ってくる(意味もなく電車が遅れた)。お疲れ様でした。

Place  Bellecour ville de Lyon moi
誰もいない… Place Bellecour Lyonの街一望 Théâtre Romainsと僕
          

  
  
8月21日(月)           
今日は朝から雨降り。これ程雨が降ったのはフランスに来てはじめて。そして鬼のように体がしんどい、動かない。ひるから2時間授業あったんだけど、宿題だけを提出してもらって家で休養を取ることにする。ちょっと休みなく動きすぎたような気がする……。ちょっと疲れた。
ずっと雨が降っているし、vin mousseux(シャンパン(champagne)のような発砲ワイン。けどシャンパンは最低100Fぐらいはして、それよりも安いシャンパーニュ地方意外で作られた発砲ワイン)を飲んでしばしの休息……。
完全休息にしようと思ったけど、雨も上がってきたので、髪を切りに行くことにする。Cavilamの生徒は50Fでいけるという情報をNobuから仕入れたので、そこの店に行く。50Fというからもう日本の激安床屋さんみたいな所をイメージしていたら全く違って、ちゃんとした美容室。店の人は若いお姉さんばっかりだし。とりあえず30分くらいボーっと待って、いざ髪を切り始める。希望としてはtrès, très court.。でNobuの話によると有無も言わさずもみ上げを切られたらしいので、それはあらかじめ言っておく(その為に家でもみ上げ=patteを調べてから行った)。髪を切っている時間は大体20分くらい、恐ろしいほどの大胆さ、会話も盛り上がらないし……。で最後の最後に左のもみ上げを少し切られた。「いや、それは違うって」とおお慌てで止めてもらう。どうも意図が上手く伝わっていなかったみたい。けど彼女は必死に謝ってきた。「Je suis désolée.」、「I'm sorry.」フランス語でも英語でも。けどまぁ仕方ない。右側はそのまま残してもらって終わり。55F也。あれっ、50Fって聞いていたのに?やっぱり僕の場合髪が多いからかな……?
髪も切ってとってもいい気持ち。そのまま買い物に行く。授業で聞いていいなって思っていたtéléphoneというバンドのCDを買う。CD162Fって日本と大体同じか。でまだまだ気持ちがいいので街で声かけられた若者に3Fあげる。彼はフランス語と英語で「食べるために小銭少し下さいな」と言ってきた。すごい、物乞いもバイリンガル。ヨーロッパの奥深さ。
          

  
  
8月22日(火)           
今週からぐっとクラスの雰囲気が変わった。みんな真剣に授業を受けている、おちゃらけなんてない。一方僕は段々生活に慣れてきて勉強に対する集中力がなくってきて、授業中そわそわ。落ちつかない。
昨日買ったTéléphoneのアルバムを聞きまくる。全体的にamericaniserしていてあんまり好きではないんだけど、それでもたまにすごくときめくメロディーやギターフレーズがあって気持ちがいい。唯一Cendrillonという曲(ただこれはライブ版が収録されているけど)はもう素晴らしいの一言、文句なし!歌詞もあまりにもかっこいいので関係ないけど載せとく。

Cendrillon    (Téléphone)

Cendrillon, pour ses vingt ans
est la plus jolie des enfants
Son bel amant, le prince charmant
la prend sur son cheval blanc
Elle oublie le temps, dans ce palais d'argent
Pour ne pas voir qu'un nouveau jour se lève
elle ferme les yeux et dans ses rêves
Elle part, jolie petite histoire ... (bis)

Cendrillon, pour ses trente ans
est la plus triste des mamans
Le prince charmant a foutu le camp
avec la belle au bois dormant
Elle a vu cent chevaux blancs
loin d'elle emmener ses enfants
Elle commence à boire
à traîner dans les bars
emmitouflée dans son cafard
maintenant elle fait le trottoir
Elle part, jolie petite histoire ... (bis)

Dix ans de cette vie ont suffi
à la changer en junkie
et dans un sommeil infini
Cendrillon voit finir sa vie
Les lumière dansent
dans l'ambulance
et elle tue sa dernière chance
Tout ça n'a plus d'importance
Elle part, fin de l'histoire (bis)

Notre père qui êtes si vieux
as-tu vraiment fait de ton mieux
car sur la terre et dans les cieux
tes anges n'aiment pas devenir vieux

どうやろ?カッコ良さが伝わったかな?うーん、多分無理なんやろうな……。まぁ、聞いてみて。ちょっと感動すると思うけど。あーぁ、けどこの詩本当にカッコいい。
夜は久しぶりにmouleを食べに行く。その前に巨大なサラダを食べ、bièreを飲み、ワインを飲み結構な散財をしてしまった。オープンテラスで食べたけど風が吹いて寒いっちゅうねん。で、周りには誰もいなかった……。そして店の中にも……。あかん何かすっごいしんどい。
          

  
  
8月23日(水)           
今日は日本人が集まって、カレーライスを作って食べる。作る前から男3人で飲み始め、出来た頃には泥酔。むっちゃ頭痛くなってきたので途中で帰って寝た。
          

  
  
8月24日(木)           
いよいよラスト2日。がんばらねば、がんばらねば、がんばらねば。
ちょっと風気味で喉が痛くて、体がだるくて熱い。薬を飲んで8時には床につく……。
          

  
  
8月25日(金)           
今日は最後の授業。3週間に渡るフランス語修行も今日で終わり。効果のほどは疑問だが、場所が変われどそれほど不自由なく生きて行けることが分かったので収穫あり。そして感動的な別れがあった。午前の授業にはカメラをもって行ってなかったので撮れなかったが、午後の授業はカメラ携帯で乗りこんだ。そして授業が終わった後みんなで記念撮影(とはいっても何人かは午後の授業に来てなかったけど……)。先生はフランスにはデジカメがないと言っていたし、みんな始めて見たと言っていた。本当かな?
午前の授業でイスラエル人たちが自分の国を語った。彼らはちゃんと用意してきて、イスラエルには沢山の難しい問題があることや、ヘブライ語のことまで語った。彼らの自分の国に対する誇りを垣間見、そして彼らのレクチャーの上手さに感心した。僕は日本について「コンビニという24時間開いているスーパーがあって、夜中でもお酒を変えて便利だよ」とだけしか言わなかったことに多少の恥ずかしさを覚えた(まぁ、結構驚いてくれはしたけど……)。
イスラエル人のEyalがアドレスをくれて「イスラエルに来いよ」と言ってくれたので、「10月か11月には行くよ」と言った。「その時は電話してくれ」と彼は言った。そしてスペイン人のおばちゃんパロマは(彼女は夫と二人でフランス語習いに来ている)、今度レアルマドリッドの写真を送るよと言ってくれて、スペインに試合を見に来た時は家においでと言ってくれた。感動の分かれ。
今ちょうどここで問題発生。ノックされてドアを開けたら、ホテルのおばさんがちょっと怒った様子で立っている。そして「Qu'est-ce que vous faites dans votre douche?」って怒っている。で「Venez ici.」と言う。ついて行ったら、僕の部屋の下のトイレが大変なことになっている。水が漏れて、屋根がはがれてもう大変な状況。そう言えば、ずっと水の流れがよくなかったんだけど……。けど、そんなの言ったら僕の負けなんで、「Venez, regarder ma douche.」と言って部屋のシャワーを見せる。見た目は全然問題ないよ。で彼女も「Je n'ai pas compris.」と言った。そうそうおれも分からん(ちょっとは心当たりあるけど……)、moi non plus!。まぁ俺のせいじゃないよ。けどかわいそうに……、かなり汚れていたし……、掃除手伝わないけど……。
12時くらいまでNobuの家でみんなでわんさか飲む。それから最後のLa Pénicheへと向かう。時間が遅かったせいもあるかもしれないが、同じクラスのやつは誰もいない。Nirと写真を撮りたかったのに……。まぁ、今度イスラエルで偶然遭うかもしれないし……。

最後の授業 Vichyの街並
最後の授業が終わって ABBEY ROADではなく … Vichy
          

  
  
8月26日(土)           
今日は朝から部屋を掃除して出発準備をする。我ながら感心するほどのきれいさ。madameに見せるとcaution 500Fを返してくれる。彼女は今日は恐ろしく機嫌が良かった(昨日の不機嫌さとは正反対)。帰り際にこれからベルギーに行 くことを告げると、「Naotoはベルギー訛りのフランス語を喋るようになるんだ」と言ってきた。掃除中に灰皿を割っていたの で見つからないうちにすぐにhôtelを出た。
今日中にMonsへ行って重い重い荷物を預かってもらう予定。とりあえず10:55の電車でParisに向かう。Parisで はVichyで出会った大切な人達と別れる。すっごく物悲しい、涙がこぼれそうになる。たった3週間でこれほどまでに大切な人 達が出来るとは……。Monsへの直通は1日に1本しかなくて、4時間くらい待たなければならなかったので、一度Brusselへ向かうことにする。まぁ一度Tharysに乗ってみたかったのもあるし……。Tarysは非常に快適、知らぬ間に国境を超 えBelgiqueに入国。そこからMonsへ約35分。あぁ、荷物が重い。しかししかし、とっても驚いたことに、荷物を預かって もらう予定のMons在住のTayasuさんが車で駅まで迎えに来てくれていた。すっごく嬉しかった。でTayasuさんの家でバーベキ ューを御馳走になって、ワインをいただいて、そして素晴らしい話を聞かせていただいて、さらには泊めていただいて……、 何て素晴らしい。感激のきわみです。それにしても、なんて素晴らしいんだろう。はぁー、素晴らしい。
          

  
  
8月27日(日)           
昨日の夜は蚊との争いだった。計20ヵ所以上刺され、全くされるがまま状態。こっちの蚊は刺されてすぐに猛烈に痒い。けど痒みはわりとすぐにひく。顔を3ヶ所、足の裏を2ヵ所刺され、涙。
朝はTayasuさんに日曜日に開くmarchéに連れていってもらう。ジャガイモ5K100BF(250円ぐらい)には驚いたが、これからの1年イモを食っていこうと決意。その後、ベルギーとフランスの間にある国境の小さな町へドライブ。この町は本当に不思議な町で真ん中の一本の道路を境にベルギーとフランスに分かれている。つまり向かい同志で国が違うわけ。一体彼らの生活はどういうものなんだろう。これをTayasuに言うと、「彼らはベルギー人という感覚もフランス人という感覚もない。彼らはこの町の人間なんだ」と言われて、妙に納得。
これから1週間旅に出る。まずは南へ向かう。Lilleへいったん出て、それからParisへ。全く駅のトイレなのに3F80払ってjetonを買わないといけない。さしてきれいでもないのに。métroでParis-Monparnasse駅へ。駅の周辺には本当に沢山の日本人がいたけど、運命的な出会いはなし。
          

  
  
8月28日(月)           
朝hôtelを出て墓地へ行く。GainsbourgやJ.P.Sartreの墓を見学。やっぱ日本の墓地はより神秘的だね。霊験あらたかってやつで、少し怖い雰囲気はフランスの墓地にはないね。
今日中にBayonneまで行きたかったんだけど、TGVは満席……。仕方ない、とりあえずBordauxに向かう。Paris-Monparnasse駅はTGVが死ぬほど止まっていた。TGVってあんなにあるんやね。ちょっとときめいた。駅には「7月中、91%の電車が10分以内の遅れで到着!!」というポスターがでかでかと貼ってあった。けど10分以内でも遅れとるやん。で、10本に1本は10分以上遅れているってことやろ……。どうやろな、それを自慢するとは……。全く恐ろしい国やな、フランス。
Bordauxに行こうとしたけど、Pauへのいい電車があったのでPauへ向かう。そしてまた気が変わって、もう一歩足を伸ばしてLourdesへ向かう。Lourdesは素晴らしい町。駅前の「地球の歩き方」に出ていたhôtel d'Annecyに宿を決め(ここがまたいい。madameはとってもゆっくりと話してくれて聞き取り易いし、安いし)、centre villeへ。この町はいいよ。定食(menu)も50Fくらいからばんばんあるし、生ビール(bière pression)もcaféで12Fから飲める。町中にシスターとかが溢れているし。
夕食をbrasserieでとり、21:15からsanctuaireで行われるミサ(messe)を見に行く、広場では人々が手に蝋燭を持ち、そして行進する。
[messe]始めに言っておくけど、僕はキリスト教徒じゃない。僕は仏教徒、日蓮宗徒。それもそれほど信心深くはなくて、どちらかというとathéeと言ってもいいくらいの人間。それを理解した上で以下の文を……。
messeは壮大、厳粛なものだった。始めに大勢の人々が手に蝋燭を持ち行進する。若い人、老いた人、男、女、全てがみな行進する。「Ave Maria」を合唱しながら。先頭には車椅子の人達、ベットに横たわったままの人達が行く。そして蝋燭を掲げ、大合唱。それを見て、聞いて頭の芯まで震えた。涙が出てきてとまらない。別にキリスト教の奥深さどうのという訳ではなく、行進する全ての人たちが、マリア様・キリスト教に帰依し、その敬虔たる態度に胸が揺さぶられたのだ。世界中の戦争は現代においては、その多くが宗教がらみであると言っても過言ではないと思う。では彼らは争いを望んでいるのだろうか?自らの神を崇め、他の信仰を潰すことを望んでいるのだろうか?涙が出てくる。信じる神のことで人が人と争う必要なんてどこにもないはず。教会には「Gloria Patri et Filio et spiritu sancto」という文字が高らかと掲げられていた。

Lourdes 夜のシンデレラ城(に似ている)
          

  
  
8月29日(火)           
今日はいい天気。いいhôtelなので今日もう一泊することにして、ここを拠点にPauを探索することにする。駅へいってPauまでの往復切符(aller-retour)を買い(行きはTGVになった。たった40kmの距離でTGVとはいかにも勿体無いけど、他に電車がないので仕方ない。まぁ7fしかかわらないけど・・・・・・)。出発の11:21まで時間があるので、城砦(Château fort)見学をする。学割が効かず32Fとはちょっと高いけど、ままよかった。天気がよくピレネーがよく見えた。
Pauに着いて駅前のケーブルカー(funiculaire)に乗りcentre villeへ。噂のピレネー大通り(Boulvard des Pyrénées)もたいしたことなくげんなり。resuaurantによりterrasseで昼食。plat du jourとワイン(vin en pichet)を食す。これが激うま。本当に美味い。けど量が若干少なかったので、最後にbière pressionを飲む。計120F。ちょっと最近食べるのに無駄使いが多いかなと反省しつつ、けど大満足。隣にいたmonsieurがおいしそうに蟹の料理を食べていたので、帰り際に店の人に「あれなんて料理?」と尋ねる。が、うまく伝わらず絵を書いてもうまくいかなかった。
かに
この絵で”カニ”って全世界共通じゃないの?

城(château)もちょっと見て、近郊の町Oloron Ste-Marieに行くために駅に戻る。しかし、電車がない!!仕方ない。もうLourdesへ戻ろう。TGV(結局帰りもTGVになった)の予約をして追加料金7Fを払う。窓口のmadameは本当にやる気がなかった。むかついた!
Lourdesに着いて一休み後、コインランドリー(laverie)へ。洗うのに22F、乾かすのが20分で10F。待っている間にcaféでbièreを一杯、うまい!ふっー、洗濯完了。街中をぶらぶらして、昨日のようにmesseの行われる教会へ。今日は教会の中も覗く。中では本物のmesseが行われていて人々が祈っている、ここにいていいものか分からなくなって退散。夜の行列を待っていると急に真っ黒な雲が出てきて雷ゴロゴロ。コリャやばい、と言うことで今にも雨が降りそうな中を教会へ向かう沢山の人達とすれ違いながら帰路につく。雨が降ってくるのに何故?何が彼らを突き動かすのか?恐ろしい……。hôtelについたとたん大雨。それも凄い雨。彼らは……。
教会のtoilettesに書いてあった文句。「Veuiller laisser ces toilettes aussi propres en sortant qu'en entrant S.V.P MERCI」。日本の「来た時よりも美しく」と同じみたいで面白い。まぁフランスの場合は「来た時と同じでいいよ」って訳だけど……。けど、すごい雨だ。

Pylénées château fortからPylénéesを見る
朝はこんなにいい天気だった
          

  
  
8月30日(水)           
今日は天気が悪い。寒い。朝7:00起床で、すぐに朝食25F(クロワッサンとcaféだけ)を食べ、8:00には出発。hôtelのmadameはとっても丁寧、帰り際にポストカード(carte postale)を貰う。
[Lourdes]概してこの町は旅行しやすい。hôtelはうじゃうじゃあるし(それも安い)、restaurant、café、barも安い。人は親切だし。大体ほとんどの店で仏・伊・独・英語が通じる(らしい)。年寄りが多くて時間がゆっくり流れているし……、よい。ただ有名な教会にけちつける気はないけどあの教会はどこから見てもシンデレラ城にしか見えない(夜はライトアップするし……)。
さて駅に着いて一苦労。沢山人が並んでいるのに窓口は一つしか開いていない。そして発券用のコンピュータがまた遅い。もう痛々しい。最後には出口の自動ドアが開かなくなる。本当に痛々しいフランス。昨日の激しい雷のせい?どうにか、とりあえずOloron-Ste Marieへ!
TGV]TGVと新幹線はやっぱり違う。平坦な畑の中をどれだけ速く走っても、新幹線は日本のあの起伏の激しい地形を克服しての300km/hだからレベルが違う。それにTGVは定員しか乗せない。新幹線のように乗車率150%なんてことがないんだから。
Pauで乗り換え2両編成の小さい電車でOloronへ。客は殆どいない。各駅に止まりながら山の中をゴトゴト。
Oloronに着いて、とうとうやってしまった。初のウンコ踏み!!いつかはそういう日が来るとは思ってはいたけど、かなりブルーに腹が立つ。おまけに引いていたキャリーバックも初のウンコ踏み!!ティッシュで応急処置はしたけど、何故?僕がこんな目に?残念ながら曇り・雨でPylénéesは見えないし。はぁー、caféで一息入れる。
[Oloron Ste-Marie] Pylénéesのふもとの小さな町。まぁ3時間でゆっくりと回れる。目玉はéglise St-CROIX。6世紀に建てられたものらしく確かに古い。けど、飾りつけれれた他の教会に比べてその質素さがなんとなくいい感じ。山の上にあって眺めもいいし(晴れていたら絶景だろうに・・・・)。趣深いよ。

Oloron Ste-Marie Oloron Ste-Marie

うーん、接続がうまく行かない、1時間半でPauからBayonneまで行けるのに、3時間待ちとは……。どうせなら知らない街に行きたいので1時間後の電車に乗って途中のOrthezまで行こう。と思ったが、途中下車出来るか不安なのでPauで3時間潰すことに。また無料のfuniculaireに乗り、centre villeでcaféに入る。お得意のpizza au saumonを食べ、これまたお得意のvin rouge en pichet, demiを飲む。うー、大満足。bièreを飲みながら家に始めてのcarte postaleを綴る。計100Fまたお金使ってしまった(反省)。
16:26のtrainに乗ってBayonneへ。Bayonneに着いた時には17:00をまわっていた。平気で遅れやがる。そして僕は疲れていた。車内ではl'equipeを読んだ。そしてその中の小さな記事に、土曜日に行われるFrance-Angleterreのフレンドリーマッチ(match amical)が一万席売れ残っているというのがあった。フランスVSイングランドって、いくら親善試合だといってもものすごい試合だ。それにDeschampsの引退試合ときたものだ。そして会場はSt-Deni Stade de France。行かねばならぬ。と言うことで土曜日はParisに戻ることに決定!
さらにサッカーについてもう一つ。何と!マラドーナが復活するらしい。記事によると『現在、キューバでドラッグ依存症の治療を行っているDiego Maradona(39歳)は、兄弟のRaulとHugo(覚えているかな?日本でプレーしていたあのウーゴ・マラドーナ)と共に、アルゼンチン2部のAll Boysでプレーする事を希望している……云々』。こりゃアルゼンチンにも行かねば。
Bayonneでは小バイオンヌ(Petit Bayonne)で、Eglise St-André前のhôtel des Basquesに宿泊。料金は140F。これは安い。もちろんWC、doucheなんてないけど、部屋はきれい。これで十分。お金節約のためresutaurantには行かず、supermarchéで食料を調達、でも50Fかかってしまった。おいおい。
hôtelでは受付けのmonsieurが最初あまり愛想が良くなかったけど、「土曜日にあるフランスとイギリスの試合が見たいんだけど、どこでチケットが買える?」って聞いたら、突然、嬉しそうに説明を始めてきた。途中で彼もエキサイトしてきて英語を使って説明してきたけど、こっちがずっとフランス語で返事をしていると、またフランス語での説明になった。すごく細かくバスの乗り方まで教えてくれて(チケットを売っているcarrefourに行くにはバスに乗った方がいいらしい)、「merci, merci beaucoup」と言うと「C'est normal」と言って分からないことがあったらまた聞いてくれと言われた。さらには部屋からフロントに電話で聞いてくれてもいいよって言ってくれる「N'hésitez pas」ってこと。やっぱり彼もfootballが好きなんだね。ついでにいうとDeschampsもBayonneの生まれだし(確かそう)ね。
          

  
  
8月31日(木)           
「チケットとれるといいね」とmonsieurに見送られて朝hôtelを出る。バスがいまいち分からない。あたりの人にとことん聞きまくる。どうにかbusに乗り、carrefourがあるはずのl'Unionで下車。雨が落ちて来た。近くのmadameにcarrefourの場所を聞く。雨がしゃれにならないくらいになり、geantというgrandmarchéに緊急避難。どうもここは巨大スーパーが乱立する地区みたい。そう、アメリカのように。そして、チッケットが取れる。素晴らしい。
昼食にplat de jour(42F)でバスク料理を食べる。thon Basquais et riz(マグロを焼いてトマトソースをかけたようなものとライス)。またまたvin rouge en pichet, demiを飲む。すっげー美味い。今までで最高。途中で雨が降ってきて、うっとおしい、寒い。けど外で食べる。寒い/美味い。
hôtelを決める。これまた「地球の歩き方」に載っていたhôtel des Ascaux200F。おっちゃんがいい。「今日は」と「さよなら」は日本語で言ってくれる。hôtelの歴史についても語ってくれるし(数百年前の建物で、hôtelは創業1902年。凄い、これって老舗やんかなりの)。近郊の町までも説明してくれる。いいよおっさん!
土曜日にParisに行くことにしたのでスペインバスクにはいることを時間的な都合により断念して、明日はAlbiに行くことにする。Bayonne-Albiのチケットは173F、駅に買いに行く。急に暑くなってきやがったので、駅前のcaféで小休憩。初めて白ビール(bière blanche)17Fを飲む。が、酸っぱい、不味い。
Bonnet美術館へ行く。ゴヤの絵があったり、内容充実というよりは、もの=作品がありすぎる。溢れている。ルーベンスやドラクロワが無造作に飾られていたりする。これで10F。十分に満足する。
夜はrue Victor Hugoの”Le Victor Hugo”という店で、鴨の照り焼き(?)(confit de canard)を食す。味は悪くないけど、店員がよくない。もしBayonneに立ち寄ったとしても行かないことをお勧めする。”Le Victor Hugo”。参考までに。
とりあえず今日で『バスクを巡る旅』は一旦終了。Parisでサッカーを見る都合で結局スペインには入らずじまいだけど、しょうがない。Basqueはフランス1割、スペイン9割らしいから、今回は全バスクの5%を見たに過ぎない……。まぁー、時間はあんねやし、また次回に。辞書とバスク語版の「星の王子様」を買ったところで、明日は再び北上。それじゃオヤスミナサイ。

escargot でんでん虫が……