12月16日(土)           
おはようございます。はぁーーー、やってもうた。寝坊。今日朝早くに電車に乗ってドイツのCologne (Köln)ついて、1日Cologne観光をしてから夜の夜行に乗るつもりだった。が!、昼過ぎに起きた……。はぁー、出鼻を挫かれた、っていうか自分で挫いた。もうこうなったら、夕方にMonsを出発することにしよう。ドイツはただ通過するだけになってしまうけど、まぁいいか。ではよいお年を!

Je vous souhaite un Joyeux Noël         
et vous présente mes meilleurs voeux pour la nouvelle année !!!         


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旅立ち。いきなりの寝坊というハプニングもあったが、大勢には影響無し、Luxembourgで買いこんであったタバコ10個を握り締めMons18:08発のLiège行きに乗る。旅が始まる。
なんだかめちゃめちゃ寒い。あまりにも寒いのでLiègeでトイレに行きセーターを着こむ。ホームで若者に「小銭くれ」って言われて「いや」と言ったら、すごい切なそうな表情をされた。ごめん……、っていや違うやん。Vienne(ウィーン、Wien)に向う夜行列車に乗ってCologneへ行き、そして乗り換え。やっぱりドイツ語分かりません。で、どうにか辿り着くとそこは6人用コンパートメント(もちろん座席)。予約は僕の他に1人はいっているようだけど、誰も乗りこんで来ない。快適快適。

Mons 18:08 ⇒ 20:01 Liège 20:32 ⇒ 22:19 köln 22:36 ⇒ (9:59 København)
移動距離      262Km
移動時間      3h30
          

  
  
12月17日(日)           
電車には途中Essenから熊さんのようなうら若き女子が乗り込んでくる。女子と2人きりの密室に、朝6時過ぎに誰かが乗りこんできた。「誰やねん」。彼は極めて怪しげなイタリア人、極めて怪しげな英語を話す。前日最終電車に乗り遅れて、policeから駅を追われ、駅の外で一夜を過ごしたらしい。聞けばなんて可愛そうな。彼は1時間後降りて行き、僕は再び眠りにつく。9:59 København着、その20分前にようやく目を覚ます。よって日の出は見ることが出来ず、トンネルも。
暮れました。3:30には日が暮れました。もう夜になってしまいました。気温もぐんぐん下がって5時過ぎの時点で4℃、寒い。まぁそんなことには関わりなく、とりあえずいつものごとく街を歩き回る。人魚(Den Lille Havfrue)も見て、市庁舎も見て、国立美術館も見て、そして暗くなったので、そして寒さで疲れたのでプラネタリウムにも行きました。満天の星空を期待していたのに、ちょうど上演されるのは3D映画。最初5分間ぐらい、星空の説明があり、すぐにしょうもない3D映画に。内容が全くない。そして思い出したんだけど、僕は両目の視力が著しく違っていて、3Dメガメ(赤・青のやつ)を長いことかけていると、吐き気がしてくる……。まぁ内容にも吐き気がしていたんだけど……。ただ映画は全て英語。子供たちがいっぱい来ていたけど、彼らは理解出来るの?

Nyhavn Den Lille Havfrue Hotel d'Angreterre
もう黄昏のNyhavn 人魚 青い"Hotel d'Angreterre(多分)"

その後チボリ公園(Tivoli)に行く。冬のこの季節1ヶ月くらいの間特別に開いているらしい。ただやはり中も人だらけ、何が見物なのかも良く分からないまま、人の流れに見を任せ、気が付くと出口へ。ふぅー。もう歩けないので、駅で3時間程度の時間潰し。過ぎ行く人達をただぼーっと観察、時間があるので今後の予定を立てる。もうKøbenhavnは発とう。まぁこれは昼の内に決めていた事だけど、早く北へ行きたい……。首都だけ見てデンマークがどうのとはとても言えないんだけど、割といい感じの街。住んでもいいね、寒くなければ。とりあえず、明日フィヨルドを見に行く事に。そして予約しに行く(北欧旅行はこれが面倒くさい、全車指定という電車ばかり)、しかし一列車だけ予約が取れない。どうすんの?全車指定やし。1日に3本しかないのに。係員に「駄目?」って聞いたら、なんかよく英語が分からなかったんやけど、「今ほとれんけど大丈夫」みたいな感じ、信じよう。
けど、あまりにも暇なので、もう一度 Strøget の辺りを歩くことにする。8時をまわって2℃!! 物価チェック。ハンバーガー15〜20DKK(200円〜260円くらい)、Carlsberg380mlは色々種類があって6〜10DKK(80円〜130円くらい)。これは安い、昼にちょこっと飲んだけど美味い。さすがにビールの本場。安くて美味い。しかし8時以降にコンビニに行った時には買えなかった。どうも8時を過ぎたらコンビニでは(酒屋さんも?)売らないらしい。最後に気になる煙草の値段、Marlboro1箱32DKK(約420円)。安いやん⇒1箱1000円以上って聞いとったで⇒いや高いって。けど僕は買わない、何と言っても10箱もの買い置きがあるから(けどプラネタリウムで1箱まだたくさん残っているやつを落とした……)。
Malmöからの夜行が素晴らしい。古き良き時代を彷彿とさせるような渋い作り。4両しかなく(座席者は1両)、やっぱりこっちの人の身体の高さのお陰か、痛い程2等でも広々。コンパートメントではなく日本の特急と同じ感じ。快適快適。

Malmö Malmö駅
いよいよスカンジナヴィア半島へ


(köln 22:36) ⇒ 9:59 København 21:36 ⇒ 22:11 Malmö 23:00 ⇒ (7:00 Oslo)
移動距離      1037Km
移動時間      11h18
          

  
  
12月18日(月)           
朝7時にOsloに着き、予約、コインロッカーなどをぱっぱと終わらせ、8:11発のBergen行きに乗る。列車はまじで広いし快適、切り立った岩を潜り抜け、氷の張っている川を横目に、西へ西へ。雪が多く見られるようになってくる。外は荒涼たる光景。きっとごっつい寒いんやろうね。

Norway鉄道最高地点(多分) Flåmsbana
1303m フロム線

4時間半の乗車の末、Myrial着。10分程遅れたが、もちろんフロム線(Flåmsbana)への接続はOK。けど急いで窓口で切符を買う。Scanrailパスで30%引き、往復160NOK(2000円弱)、本当はFlåmからフェリーに載ってさらにフィヨルドを見たかったんだけど、12月はフェリー運休とのことで折り返すことにした。カードが使えず(機械の故障?もしくは職員の怠慢)、現金で払っため、残り20NKKに、何も出来ない……。どうしてここに鉄道を引いたのか、どうしてここに鉄道を引く事が出来たのか不思議なくらいの鉄道。見るものが全て信じられない光景の連続。45分でFlåmに着く。フィヨルド以外何もないが、フィヨルドだけで十分。1時間の滞在時間を多いに楽しむ。……。とにかく素晴らしい。ちなみにFlåmには日本語のパンフレットが用意されていた。
Flåm駅周りの土産物やさんには、どこも『sweaters & souvenirs』って書かれている。やっぱり寒いということか。Myrialに来る途中の峠越えでは猛吹雪で、こんなん外に出たら死ぬんちゃうかなって思ったけどFlåmでは完璧な程の快晴。フィヨルドも気持ち良く眺めることが出来るし、やっぱり日頃の(最近の?)行いやね。ただ1つ心残り。Flåmにある「FLÅMSBANA MUSEET」には是非行きたかったけど休業中。
Flåm駅 Aurlandsfjord Aurlandsfjord 2
Flåm駅 Aurlandsfjord Aurlandsfjord 2

MyrdalからBergen行きの電車に乗車。4時過ぎに日の入りが見られる。天気の良さは素晴らしい。まさに『Twilight Express』。ただ外は極寒の世界。
Bergenには6時あたりに着く。hôtelを探すも大体において高い。どうせ明日の朝一でOsloに帰ろうと思っていたので、夜行でOsloに今日中に発つことにする。まぁ、夜行3日目ちょっとシャワーを浴びたいけど…・・、贅沢言うなら風呂につかりたい……。
しっかし、僕の英語はいかんともしがたいレベルまできているね。フランス語と混ざる混ざる。明らかに聞き取れる、フランス語の方が。あ〜ぁ、昔あれほど好きだった英語なのに……、insideって単語が出てこない、切ない……。
暗くなってからのBergen5時間はなかなか大変。時間が潰せない。ちょっと腹が減っていたので何かを食べる事に(けどレストランは駄目、節約節約。飲みに行けば5時間なんてすぐなのに)。節約時の強い見方、そうkebab。おっさんが英語話せなくて注文に一苦労だったけど、まぁ暖かい中で温かい物を久しぶりに食す。もちろんポテトマニアの僕に言わすとポテトの味はひどいものだが……。しかもcocaつけて69NOK(約850円)、これは高い。何のためにkebabやに、身を削る大出費。
その後、本屋を転々。「星の王子様」ノルウェー語版を探すため。さりげなくコレクションしていて、日・英・仏・バスク語版を既にもっていて、デンマークでもデンマーク語版を手に入れていたので、北欧4カ国制覇と狙っているわけ。けどどうしても見つからない。よし明日は首都Osloで勝負。

Bergen Bergen 2
Bergen 対岸Bergen

ケーブルカー、往復40NOK(500円弱でやっぱり冷静に高い)。空気が澄んでいて絶景。景色は最高。函館山で視界1mだった悪夢は払拭された。しかしカップルだらけ、老いも若きもはやカップルカップル。かなり切なくなったよ。夜景はカップルってどこへ行っても相場は決まっとるんやね、夜景を1人で鑑賞する事を禁ずる法律でもあるんかいね……。まぁ素晴らしかった、しかしここより素晴らしいのは下からの景色(ちょうど逆、対岸から山を見上げる)。上手く説明できんけど、全くもって素晴らしい。その後1時間ぐらいてくてく歩いたけど、素晴らしい街、大納得(何が?)。
Marlboro1箱=64NOK(約770円)!!とても買えません、買いません。噂にたがわぬ物価高に思わず笑ってしまう。

(Malmö 23:00) ⇒ 7:00 Oslo 8:11 ⇒ 12:53 Myrdal 13:00 ⇒ 13:45 Flåm 14:55 ⇒ 15:35 Myrdal 15:45 ⇒ 17:52 Bergen 23:00 ⇒ (6:58 Oslo)
移動距離      1182Km
移動時間      16h14
          

  
  
12月19日(火)           
朝7時前にはOsloに着かれてしまう。何の放送もなく、電気も点いてないし、誰も起こしてはくれない。周りが降りていくのを見て、ふと気が付いてあわてて下車。シャワーを探すがどこにもなく、tourist infomationが開くのを待って"Oslo Card 1日券"(180NOKがscanrailの威力で135NOK、1620円に)を買って、ヴィラーゲン公園(Vigelandsparken)へ向い、そこで日が明けるのを待つ。日が明けるのは9時を過ぎてから……。
ムンク美術館、フラム号博物館(Framhuset)、コンチキ号博物館(Kon-Tiki Museum)、バイキング船博物館(Vikingskiphuset)と美術館・博物館はしごをする。残念にことに国立美術館は休館日。大体において日本語完備で、まさに日本語漬け(ムンク美術館の受けつけのおばちゃんが「また来る時に日本語に訳して持ってきてね」と言っていたので、誰か訳してあげれば。もちろん英→日)。
今日は寒い。−2℃。美術館・博物館も4時にはどこも閉まってしまってもう街歩きしかすることが無くなってしまう。が、寒い。生命に影響の有りそうな寒さ。一通りあるいて、6時にはOslo完了(ミュージカル見るわけでもなく、飲みに行くわけでもない僕はだが)、今から5時間どうしよう。"Oslo Card"について。冬の週末に使わないほうが賢明かと。博物館・美術館は大体10時とか11時とかにやっと開いて、3時か4時には閉まる。パスを持っていて25%オフの135NOKでとんとん。180NOKやったら絶対に元はとれん。博物館・美術館なんて頑張ってがんがん見るものじゃないし……(しかし今日は頑張った。食べ放題でも元を取らんと納得いかないこの悲しき貧しいサガ……)。

Oslo Oslo

むちゃむちゃ焦る。8時くらいに真剣に何もやることがなくなって「そうやローカル線に載って時間つぶそ」と思って、ちょうどすぐのRoa行きのローカル電車に乗る。この時Roaがどこで、どれくらい時間がかかるかは分かっていなかった……。乗ってみるとまじでローカル。止まる駅がことごとく雪の降り積もる無人駅(多分)。ここじゃ反対列車に載りかえるのに待つのはしんどいなと思い、次々と駅を過ぎる内に、時間がどんどん経っていく。戻れるかどうか余りに心配になってきたので近くにいたお姉ちゃんに尋ねると、「分からない」との答え。まぁ9時過ぎには終点に着いてくれて事無きを得たんだけど。ただこの時はOsloに折り返す電車があるのかどうか心配で、駅員に慌てて「Osloに行く電車ある?」と聞くと「ある」とのこと。で、「何時に着く?」と聞くと(夜行はOslo発23:05)、「10:30頃」、ふーぅ助かった〜。マジで取り乱した。

(Bergen 23:00) ⇒ 6:58 Oslo 20:08 ⇒ 21:10 Roa 21:27 ⇒ 22:35 Oslo 23:05 ⇒ (7:16 Trondheim)
移動距離      601Km
移動時間      10h08
          

  
  
12月20日(水)           
Oslo〜Trondheim8時間の夜行の旅もあけ、うっすらと雪が積もっている、内陸部ではかなりの積雪だったんだけど、やはり沿岸部は積雪は少ないのかな?とりあえず、4日間に渡る夜行列車シリーズも幕を閉じた。さすがに少ししんどくて、……そして頭が痒い。今日は後10時間電車に揺られBodøに行く。Bodøは北極圏にある小さな港町。1時間ほどの僅かな陸歩きを楽しんだ後、再び車内へ、いよいよ北極圏に突入である。
今日も良い天気。車窓の眺めは素晴らしい。一面白い世界が続く。しかし、そうは言っても退屈なものではなく、絶えず変化がある。少しまどろみ再び目を覚ますと、そこには違った風景があり、違った感動がある。日が昇り、日が沈む、Bodøに着くまでの10時間のスペクタクル。これは素晴らしい。
Bodøに着いて、今日は久しぶりにベットで寝れると意気揚揚とお目当てのユースへ向う(とは言ってもすぐ駅横)と、『12月20日〜1月2日 クリスマス休み』との張り紙が……、嘘……、20日って今日やん。マジで……。仕方なく『地球の歩き方』を参照して次に安いホテルへ行くと、ここもまた休業。その後何件か当たるがすべて閉まっている。ここまで2つのホテルが開いていたのを確認している。そのうち安そうなほう""へ行ってみる。値段が590NOK、7000円ちょい、うーん、しぶしぶ納得。しかし部屋を見て感激、とっても渋い。貧乏旅行をしようとしている僕には必要ないが……。まぁ早く髪を洗いたい。
しかしこれほどまでにクリスマス→正月と安ホテルに休まれると頭の中のプランを根本的に考え直す必要がある。もう帰ったほうがいいかな?けどここまで来てしまっていると、帰ろうにもそう易々とは帰れない……。なにせ3日はかかるので、もう覚悟を決めてもう少しだけ北へ。凄い嫌だったけど、次のホテルの予約するためにNarvikのホテルへ電話をする、もちろん英語(それが嫌)。電話番号の分かる5件中3件が休館中。内1件"Narvik Sportell"では「23日から休みに入ります」と言われ、「じゃあ22日大丈夫ですね?」と聞くと、「23日にかかるからダメ!」と言われ、「merry Christmas!」と言われ電話を切られる始末。後2件は電話が通じない。だめだ、フランス・ラスコーでのNo hotel, No trainが頭を過ぎる。怖い。けど、勇気を持って、もう少し北へ。

(Oslo 23:05) ⇒ 7:16 Trondheim 8:32 ⇒ 18:30 Bodø
移動距離      1282Km
移動時間      18h09
          

  
  
12月21日(木)           
久しぶりのベットの上での心地より目覚め。7時半、もちろん日が出ている筈はない。空は真っ暗。シャワーを浴び、朝食を食べに行く。朝食はブッフェスタイルではあるものも、勝手にオープンサンドでも作って食べってな感じの若干期待外れのもの。せっかくだけど朝からあまり食べたくない。まぁ魚のやつ(Haringみたいなもの)は2種類あってとても美味。1種類あったチーズは何とも言えないもの。1口2口は新しくてむっちゃときめいたが、最後は1口毎に吐きそうになりながら食べた。部屋へ戻りもう一度シャワーを浴びて、ゆっくり、10時30分にはホテルを出る。カード機の故障とかで現金でお願いと言われて、わざわざ近くのATMまで現金をつくりに行く。昨日は前金でって言われて、「カードで」って言ったら、それなら明日でいいよって言われたのに、昨日払っとけば良かったやん。まぁそれにしても恐るべしカードの力。まだ太陽が昇ってこない、真剣に太陽は昇らないのかな?薄暗い。

Bodø Bodø 2
夜明けBodø 対岸Bodø

12時30分のフェリー着まで、街歩き。それほど見所があるわけでもないので街の反対側までてくてく歩いて山の上から街を眺めることに。寒いが大丈夫。段々着る枚数が増え、今では上に5枚着てパンパンになっている。下はハーフパンツにジーパンで、こっちもパンパン。全体的に円くなっている。ただ靴が……。寒い所では靴が大事ということを忘れていた。足が感覚なくなるほど痛い。やっぱりスニーカーでは対応出来ない、この寒さ。まぁ歩き続ければなんとかなるけど……、数年前極寒の福島は猪苗代で、ぼろぼろのスニーカーで臨み、死にそうになったことを忘れたのか、俺?途中で雪がこんこん、本気で痛い。耳が取れていてもおかしくない。感覚無し。フェリーは30分遅れで到着。ここまでくると都会とは異なり、いやがおうにも英語を使わなきゃならん、ちょっと上手くいくと調子にのって他の人に話し掛けて、うまくいかず撃沈、切ないの繰り返し。が、むっちゃ喋りたい。このままじゃフランス語どころか日本語まで忘れてしまう……。
フェリーはキャビンを取らず516NOK(約6200円)。とりあえずぐるぐると船内を回って自分の場所を探す。そして4Fのロビーに腰を据える。けどここで24時間はちょっとつらいな……。15:00フェリーはBodøの港を離れる。日の昇らない日没が完了。こうなってくると北極圏にいるということが実感として沸いてくる(ただ曇っていて太陽が見えへんだけかも知れんけど……)。船はえらい揺れ、今まで経験したことがないくらいの揺れ。船酔い・車酔い・列車酔いとは無縁の僕も下を向いてずっと本を読んでいるとさすがに気持ち悪くなってくる。やばい、酔ったら最悪と思えば思うほど気持ち悪く、今日はしんどくても横になることが出来んのやからと思えば思うほどさらに気持ち悪く。こんな時はそっと目を閉じ、……そう寝る。
あ〜ぁ、子供たちがうるせ〜。全く前にも書いたけど、こっちの親は子供がなんぼ騒いでいようと、なんぼ他人に迷惑をかけていようと注意をしない。はっきり言って僕はこれが大嫌い。子供だからと絶対に許せる事ではない。日本もかなりひどいと思っていたけど、こっちの方がさらにたち悪い。こっちのガキ、何が不満であんなに大声を出す?何が目的で?何が楽しくて?うるせーんやって。はよ親もなんか言え、ボケ。子供ってのはお前らが考えとる以上に賢くて、ちゃんと状況判断しているんやから、叱れ!

Expresse côtière Bodø 3
沿岸急行フェリー 船上より

          

  
  
12月22日(金)           
オーロラは見れなかった。ちょっと寒くてあまり眠れなかった。途中でラウンジに行って、誰もいないソファーで横になって寝た。けどいろいろ邪魔されて断続的にしか眠れなかった、とっても神経質だから。けど、オーロラってどんな時に見れる?どんな状況で?今思うとよく知らない。何が原因?けどどんなに悪条件が重なっても、行いのいい僕には見れると思っていたのに。フェリーの上からオーロラを見るなんて何て素敵なと思っていたのに。早くこの太陽の昇らない寒所を脱出したいので多分明日がラストチャンス……。
あと1時間、まじで長い24時間。けど多分定刻には着かんと思うね。30分遅れで出発してからちゃんと定刻より前に港に着いているのに何故か15〜30分遅れで出発している。そして遅れる時には30分とか平気で遅れる。時刻表なんてあってないようなもの。放送も殆ど全てノルウェー語だけ(多分)。あまり外国人観光客を大切にしてないのかな、時期が時期だからか?今はTromsøに着いてどこでもいいのでホテルが取れることだけを祈っています。とれんかったらどうしよう……。もう辺りは暗い。
14:45きっかりにTromsøの港に着く。ここらへんが分からない。真っ暗。船を降りたとたんに魚の臭いが、あぁなつかしや我が故郷。雨が降っているし一目散にtourist informationに向う。ホテル・ホテル。道は凍りついている。やはりスニーカーごときでは太刀打ち出来ない。つるつる滑る、危ない、そしてこの雨。tourist informationではホテルの説明をしてもらう、ここでは予約をしてもらえないらしい。けど1件1件丁寧に、ここはこういうホテルだよ、と説明してくれる。「どこが一番安い?」と聞くと、お姉さんは「クリスマス時期だから、週末料金にしているかどうか分からないから、好きな所に行って聞いた方がいいよ」と。なるほど、やっぱり自分で歩かなあかんわけね。けど「多分部屋はあるよ」という言葉に励まされる(安ホテルは案の定全滅だったけど……)。他に日本語のパンフレットを貰った。
こうなったら週末料金を利用して超高級ホテルにとまったんねんと、この街一番の(っていうかノルウェーの街ほとんどで一番の)Raddisson SAS hotelへ。で、ちょっと場違いさを感じながら料金を聞くと、週末料金は適応なしで1595NOK(約2万円)くらい。うーん、さすがにやけっぱちになっていてもこれは高すぎる。その後、雨の中ホテル探しを続け、結局"Amalie Hotel"というところで落ち着く。何といっても695NOK(約8500円)はこの中においては安いし、むっちゃ態度が優しい(ずっと「Yes, sir」、「You are welcome」と言われ続けたんやけど、これは丁寧な態度?少し馬鹿にされている?)。さっそくチェックインすると、この料金の中には夕食が含まれているらしい。あり難い、あり難い。フェリーの中24時間でチョコしか食べていないので腹ぺこぺこ(船内物価が異常に高い)。部屋もさすが、こんな部屋じゃなくてもいいのにって感じ。
荷物を解いて、郵便局→バス会社→スーパーと廻る。日本まで葉書7NOK(85円)→明日バスは走る(Narvikまでパス割引で153NOKで約1850円)→念願の世界最北ビアー"Mack Øl"を4本購入、と順調過ぎるほど順調に事が運ぶ。人はものすごく親切。やっぱりいいね港町。気は荒いが心は優しい、分かった?都会人?"Mack Øl"はいろいろ種類があって迷ったが"Mack JUL"ってのがあったので思わず購入。「GOD JUL (Merry Christmas)」ということで。

Tromsø Domikirke Tromsø Mack Øl
Tromsø Domikirke Tromsøメイン? 世界最北ビアー"Mack Øl"

夕食は前と同じバイキング形式のもの。焼きたてのパンは美味しかった。そして例の魚のやつは2種類あって共に美味い。とっても生臭いのが美味い。しかし、肉類が少ない、肉出せ肉って感じ。今回はサーモンがあったのでばくばく食う。うーんお腹一杯、ビールを飲んで寝よ。モーニングコールも頼んだし。
EUROSportが見れて、2年前のチャンピオンズリーグの「Barça - Manchester」のものすごい試合のダイジェストを見る。そう言えばBodøのホテルでもCANAL+でAYAXの試合を見たし、お金を払えばサッカーがホテルで見れるということか。
TVのニュースでは今日Tromsøは−6℃だったらしい(そんなに寒くは感じなかったけど)。やはり沿岸船は内陸部に比べ暖かいらしい。内陸部では−20℃の所もあったとか。明日は今日よりも寒いと。さてどうなることでしょう。

(Bodø 18:30) ⇒ 14:45 Tromsø
移動距離      約500Km
移動時間      20h15
          

  
  
12月23日(土)           
8:30きっかり数分の違いも無くモーニングコール。素晴らしい、昨日と同じビュッフェ形式の朝食を取り出発。何故か分からんが足から出血してシーツを汚していた。分からんけど不可抗力。Tromsø→Narvikと153kmのバスの旅。絶えず雪は降りつづけ、太陽のない薄明かりの中、周りは白の世界。すげーと見入っていたがふと思う。地元でもちょっと街を外れるとこんな感じやん、あぁそうか。
Narvikの駅に着く頃には日はとっぷりと暮れて(?)いた。さすがにStockholmまでの19時間電車を座席席で乗り切るのは今の僕にはしんどいのでcouchetteを取る(105NOKで1300円ほど、安い)。この電車を運行しているのはプライベートカンパニーらしい。だからずっと他の地で予約をいれようとしても駄目だった訳だ。予約無しで、この時期ということでちょっと心配していたが(もし本当にが取れなかったら、ホテルもないし、もちろん電車もないしもう終わる……)、さくっとチケットが取れる。待ち時間と、残りのNOKを利用して(多分スウェーデンでも使えるに違いないけど)、サーモンサンドを2個買って食べる。美味!
15:50、さていよいよ19時間に渡る列車旅が始まる。多分(分からんけど)これが乗車時間最長の電車になることでしょう。Stockholmまで1543km。日が既に暮れて、素晴らしいであろう大自然を目の当たりに出来ないのは冬の、そしてこのプランの切なさだが、今のところ6人コンパートメントcouchetteで1人。快適快適。
しかし、Kirunaで頭の硬そうな筋肉隆々のおっさんとその部下(らしき男)が乗り込んで来る。その2人自体会話がない。空気が重い。早速一番上の寝台に行くことにする。お休み。

北緯68度27分 Narvik駅
北緯68度27分、最北 Narvik駅

Tromsø 10:30 ⇒ 14:55 Narvik 15:50 ⇒ (10:40 Stockholm)
移動距離      153Km
移動時間      4h25
          

  
  
12月24日(日)           
クリスマス・イブ。8時過ぎた辺りに目を覚ますとおっさん2人はもう消えていた。そして明るい……。どんよりとした北極圏はもうとっくに抜けているんだと気付く。Stockholmへ。Upsalaを越えた辺りで太陽が輝き始める。日の出は遅いけど、太陽は死んでない、確実に生きている。
何故か電車は定刻の15分前に終着駅Stockholmに着く。まずはユースの予約をしにtourist infomationへ。予約料20SEK(約240円)をとられるものもすぐ完了。その上シリアラインのチケットを買う場所から、Stockholm一の大本屋まで優しく教えてくれる。今日は日曜日だから普通は閉まっているらしいけど、今日はクリスマスなのでもしかしたら開いているかもとわざわざ電話をして確かめてくれる、優しい。結局電話は通じなかったけど「一応行ってみたら」ということで場所を教えてもらう。
本屋は開いていた。『星の王子さま』スウェーデン語版をゲット(330SEK、約3900円もする豪華版。作者についてもかなり説明してあったりとかなりの豪華版。本当はそんなんいらんねんやけど……、スウェーデン語読めんし……)。しかし、美術館類、食べ物や類はほとんど閉まっている。さすがクリスマス。こうなったら街を歩くしかない。よかった"Stockholm Card"買わずに。その後シリアラインのチケットも購入(オフィスビルは閉まっていたのでわざわざ出発港まで行って買う、料金300SEK(約3600円)。本が一番高い……。
日が暮れ4時くらいから1時間くらいホテル探し。予約はしてあっても物理的にその位置が分からない。地下鉄の案内所で聞いても「Sorry, I don't know.」と言われるし。寒い中探し回る。まぁどうにか発見、海に浮いていた訳で、それは難しい。部屋に行くと先客1名。旅をしているスウェーデン人おっさん。後の2人はイングランド人とのこと、いやー狭い。
7時ごろから歩いてcentreへ行くが、人がまじでいない……。やっぱりクリスマスは家族と一緒?それとも時間が早いのか?セルゲル広場(SergelsTorg)に行っても全く人がいないのですぐ帰る。Merry Christmas !! サンタ来るかな?

Stockholm 1 Stockholm 2 Stockholm 3
Stockholm 1 Stockholm 2 Stockholm 3

(Narvik 15:50) ⇒ 10:40 Stockholm
移動距離      1530Km
移動時間      18h50
          

  
  
12月25日(月)           
泊まった所はユースと言うよりは、バー兼安宿ちゅう雰囲気。3畳ほどのスペースに4人が宿泊というのはやっぱり僕には合わない。実際はイングランドからの2人は来ず、2人だったんだけど(しかし午前3時くらいに(!)はーはー言うおっさんが1人増えた)、なかなか辛い。別に人間関係がどうのと言うんじゃなくて、実際に沢山語ったし、あのスーペスに、パンツ一丁のおっさん1人(途中から2人)というのが辛い。換気も上手くいってなくて匂い権の問題もある。北欧のユースは快適と聞いていたけど、これは辛かった。まじで気が狂いそうになった。しかし、『疲れ』というものは偉大なもので、こんな神経質な僕をすぐに睡眠へと誘ってくれた。『疲れは偉大なる睡眠薬』。きれいにまとまった。
9時には起床。身支度を整え、少し気持ち悪くて何も食べたくなかったので、コーヒーだけ飲みに上に上がった。舷窓から眺めるStockholmの朝。そしてコーヒー。素晴らしい。小粋なおっさんと話す。彼は煙草をしきりに勧めてくれる。お言葉に甘え1本2本と。彼曰く、彼は安くタバコを仕入れることが出来るらしい(船乗りの仲間から)。彼は日本語を数語知っていて「Why?」と尋ねると、「Stockholmに住んでいる"くるくるパー"のJapanese ladyから」と、ふーん。まぁとりあえず出発。コーヒー30SEKと言っていたけど、出発する際に「いいよ、いいよ」と言うことで、感謝。いいよ、いいよ。

Gustav af Klint −4℃ Stadshuset
ユース"Gustav af Klint" −4℃ 市庁舎から

5時間ほどStockholmを歩く。今日は旧市街地(Gamla Stan)やシェップスホルメン島(Skeppsholmen)辺りをうろうろ。寒い……。歩いているとすごく動きが緩慢になってくるし、かき氷を食べたように頭がキーンと痛くなってくる。ただ疲れたのでcafeでビールを一杯とは貧しさの都合上いかないので、駅に戻ってタダ休憩。とは言ってもトイレ代5SEK(約60円)はしっかり取られる。
1時間前にフェリー乗り場に行く。チェックインして船に乗り込むとそこはもう船じゃない、街、街。こんなでかい船初めて見た。で、我がキャビンに行くとそこがまた小さいながらも小奇麗で(昨日とはうって変わって)、しかもベットが1つしかセッティングされていない。シャワー、トイレ付きで300SEK(約3600円)。ここまで快適でいいのと逆にちょっと不安になってみたりする。免税点はまだ開いていなくて、まだ頼まれ物を買えず……。キャビンに戻るともう1人が、えっ1人違うんや。そりゃそうだね。フィンランド人の若者。まぁいい。全然いい。昨日よりものすごく気が楽。
同室のフィンランド人はいい奴。フィンランドでは徴兵制があって5日間のクリスマス休暇を終えHelsinkiに戻るところらしい。免税点で8SEK(100円ほど)のビールを山ほど買いこんできて共に飲む。僕が何本かビールをあげて、彼は"SALMIAKKI"という酒をくれる。このフィンランドの酒が強くて、きくきく。泥酔。結局"SALMIAKKI"のボトルを飲み尽くして、1時ごろからフェリーの一番上にあるbarへ。そしてまた"SALMIAKKI"をグラスで。そうとうに頭くらくらだが、久しぶりにたくさん喋れて気持ちが良かった。そしてbarから眺める星がとても綺麗だった。

Stockholm Stadion駅 Sijia Line
スウェーデン国旗なんやけど 虹の色は9色
Metro Stadion
Sijia Line

色々フィンランド語を教えてもらった。フィンランド語とリトアニア語は殆ど同じというぐらい似ているとのこと。やっぱりフィンランドを北欧と、フィンランド・ノルウェー・デンマークと同じカテゴゴリーで括ってしまうのは変だね。なにもかもが違う。
彼の名前はJuhani Pulkkinenという。ここである事に気付いたんやけど、フィンランド人の名前はHakkinenとかLitmanen、そしてPulkkinenとか必ず"-nen"が付くんだろうか、ユーゴスラビア人の"-ヴィッチ"みたいに。それを尋ねると彼も何故だか分からないとのこと。けど"-nen"の付かない名前もあると言うこと。
どうしても分からなかった事が1つ。サーマッコ(sammakko)ってのが何かどうしても分からなかった。この動物(?)がすごく美味しいということらしんやけど、2人の英語力ではどうしても分からなかった。彼はわざわざ友達に電話をして聞いてくれたが、フェリーの上では電話は使えず。いったい何なんやろ。サーマッコ。
有り難う→kiitos 、メリークリスマス(good Christmas)→Hyvää Joulva、明けましておめでとう(good New year)→Hyvää uuttavuotta 、となかい→poro 、サンタ→JouluPukki ...etc
          

  
  
12月26日(火)           
フィンランド時間の11:00に(1時間の時差がある)フェリーはオリンピアターミナル(Olympiaterminaali)に着く。Juhaniがまだ暴睡していたので、彼を起こして下船。Tallinn行きの船の時間と港を聞くためにtourist infomationに行くので彼と一緒にStockman(巨大なデパート、が今日は休み)まで行く。切符を買おうとすると「いいよ」ということなので、お言葉に甘えて。StockmanでJuhaniと分かれる、see you。その後彼に教えてもらった大きな本屋へ行くが、がすべて閉まっている。クリスマス疲れか?それにしても一体ボクシングデイとは何?よって、『星の王子さま』フィンランド版は買えない、残念。
tourist infomationで教えて貰う。"Thomas Cook"でちょっと見ていたKanavaterminaaliという港からは現在フェリーが出ていないらしい。そして唯一船が出ているのがSilja Lineのさっき着いた港ということ。あーぁ、また戻らんといかん訳ね。ただちょうどいい時間にフェリーがあったので良かった(13:45)。Helsinki滞在2次間45分。が、仕方ない。これ以上フィンランドにとどまる財力は僕にはもうないのだから……。Tallinnまで45分、155FIM(2500円ほど)。近い。
出発まで1時間ほど時間があったので市内をもう一度歩こうと思い、コインロッカーを使うため25FIM硬貨を10FIM硬貨に両替してもらおうと唯一のkioskに行ったら、そこの若い女子に「No!」とかなり感じ悪く断られる。はぁ〜、その態度は疲れて苛立っている僕の神経をさか撫でる。マジできれる。本当に頭の悪い奴は嫌いなんだ。この一瞬でもうフィンランドはいいイメージじゃない。そうやろ?日本で外国人が50円玉二枚を100円玉にしてって言ってきて誰が断る?おかしいやろ。
パスポートコントロールでつまずく。「なんでEUのスタンプがないねや?」と。だって今ベルギーに住んでいるし、それにそういえば8月にフランスに着いた時もスタンプなんて貰ってない……。まぁベルギーのVISAを見せて説明してすんだけど、始めてパスポートコントロールで人間味を感じた、笑いがあった。Tallinnへは本当にあっという間に着いた。最後にHelsinki在住のヨガ師のインド人に出会い少し話しをする。彼曰くだが、京都大学でインドカルチャーについての講演をしたことがあるらしい。そして日本にえらい興味を抱いているらしい。そしてTallinnはしばしば訪れるLovely Placeらしい。全て彼曰くだけど。

Helsinki 数時間のHelsinki

今日は何故かすごく苛々している。疲れている。「頭が濡れて力がでない」アンパンマン状態。Tallinnに着いた頃にはもう真っ暗。さらにはこの街、街頭が暗い、中心に行っても暗い。こうなってくると僕は方向感覚を失う(鳥目か?)。ユースを除いた安ホテルを探し迷いに迷ったあげくtourist infomationに着いたが今日は休み。仕方ないので自力でホテル探しとなったけど、見つからない……。ViruやPalaceといった高級ホテルは見つかるけど安ホテルが……。休みかな……。真剣に迷う。変な住宅地とかに入ってみたりして、もちろん街頭も暗い訳で、ちょっとびびった。ずっと寒さの中なのでちょっともうどうでもよくなってきて、ここで誰かにしばかれて、金取られて、殺されてももういいかなって本気で思った。あーぁ、なるようになれと。
6時半くらいにもう結局"hotel Minkli"という575EEK(約4500円程かな?)で手を打つ。不本意だが仕方ない。本当に疲れた。そして苛立っている。すさんでいる(本当は最初にこのホテルに入った時、若い気の言いいちゃんにもっと安いホテルが近くにあると地図まで貰って説明してもらったけど、どうしても発見出来なかった)。2回目に行った時のフロントの女子は本当に態度が悪い。何でそこで僕を苛立たすかな?
途中のkioskでしっかりと抜け目なくビアーは買いこんできていた訳で(750mlで8.5EEK、70円足らず)、それを飲んでシャワーを浴びて寝る。ちなみにMarlboroは1箱17EEK(約130円)、物価はドラスティックなほど下がった。

Raekoda Tallinn Tallinnの旧市庁舎

(Stockholm 17:00) ⇒ 11:00 Helsinki 13:45 ⇒ 15:30 Tallinn
移動距離      約535Km
移動時間      20h45
          

  
  
12月27日(水)           
泊まったホテルについて。施設は別にそれほど問題じゃない。しかしサービス面でかなりの不満がある。みんな態度が切ない。ホテルなんて殆どがサービスに対する対価やん。一泊するのに数千円もするんやから。これほどサービスが0やったらユースの方がより存在価値があるって。別にもうこ奴らには何も求めてないけど、それにしてもあまりにも切な過ぎる。今日も朝からかなりだらだらさせてくれた。
ホテルの奴にラトヴィア大使館の開く時間を教えてもらい、開館直前に大使館前着。一人しか待ってない。が、10時に開くと言われていたけど、今日は10時半からということらしい。まぁ仕方ない。根性で30分待ってVISA申請しようとすると、「日本人はVISAいらないよ」とのコト。えぇ?いつから?ちょっとVISA楽しみにしていたのに、60USD浮いたからいいんやけど。凄いね日本、誰とでも仲良く外交上手?ヨーロッパでVISAいる国は?スロヴァキア?ルーマニア?あぁもちろんロシアとかね……。
街歩き。そしてバスターミナルに行って今日のRiga行きのバスのチケットを買う180EEK(約1200円)。うーん高くないかこれ。まぁ食べ物は安い。パンの上にごっついサーモンののったものが10EEK(約80円)、荷物を預けるのに6EEK(約45円)、そしてトイレが2EEK(約15円)。ただトイレは最悪。大の方は仕切が小さなカーテン。匂いなんてもろ流れ、腹を壊したら最悪やね。
昼飯は日本料理屋の「網屋」でラーメンセット、45EEK(約350円)。ビアーは50mlで25EEK(約200円)、サッポロ、アサヒはメニューにあったけどないそうでエストニアビアーの"SAKU"。なかなか。けどこんなにビアーを飲むとおしっこしたくなるんやってねー。トイレがなくて大変なのに。ラーメンセットにはパンとコーヒー、うーんやっぱりラーメンとくるとライスでしょう。我慢できずにライスを注文、ついでにもう一杯ビアーを……。らしい味なんだけど、醤油ががんがんにきいていて僕は好き。多分日本人にはからすぎるかなって思うけど。僕は好き。隣のエストニア人(多分)はさらに醤油をプラスしている。濃いよなかなか。そしてパンがまたねっとり密度の高いパンって分かる?もっちり、もっちり。

Tallinn Toompea Tallinn
はぁ太陽 Toompea Tallinn

今日は23:45まで時間があるたっぷりある。って言うかありすぎ。-6℃の寒空の下歩き回る。けど6時過ぎにはもうやることが完璧になくなり、ちょうどAndy Warhol展をやっていたので観覧。学割で入場料5EEK(約40円)、規模は小さいけどこれは本当に安い。トイレが2EEKとか3EEKやからトイレ2回ほどと同じくらいの値段。45分くらい英語(エストニア語字幕)のフィルムもあり十分満足。
本屋も4、5件廻ったが、『星の王子さま』エストニア語版はなし。聞いたけど、ないといわれるだけ(知らない店員もいる)。一人おばちゃんが「〜 some weeks ago 〜」と言っていたが要領得ず。エストニアでは本の絶対数がかなり少ないと感じた。大本屋でも本棚はすっきりとしたもの。ないのかもね。ただ"Harry Potter"はあった(170EEK)。すごいねPotter。そう言えばノルウェーでは郵便局でも売っていた……。
cafeでうだうだ時間を潰す。コーヒー一杯10EEK(80円ほど)なので気が楽。ただ24hcafeなのに9時に閉まってしまった。どういうこったい。cafeを移動した所でうっとおしいTallinn人にからまれる。コーヒーを飲んでいると「日本から?」って近付いてきた。最初は暇だから喋っていたんやけど、これがうっとしい奴で、コーヒーをお代わりにいくとき「ついでに何か食べ物を買ってきて。後で金払うから」と頼まれたので、ケーキみたいのをがあったので10EEKで買っていった。その後一向に金を払う気配がないので「10EEKくれ」って言ったら、「I don't understand」って言う。はぁ〜、こいつキレルね。さらにそいつが「You bought for you?」って言うからもう我慢できなくて「For you. You said, you pay after!!!!!!」ってキレタ。すると金を払う素振りを見せるものも100EEK札しかなく、細かいのがないと言い出す始末。いやーなめとんねこいつ。「So? (「で?」のつもりで言ったんやけど……)」と言うと、崩してくると言うから、じゃこの店で崩せと言ってカウンターまでついていってやる。無事10EEK回収。
そいつはその後ずっと着いて来る。バスターミナルまでついていってやると言う。途中でトラムを乗り換える時、「ここで少し休もう」と言ってbarに連れて行こうとする。またまた怒り。「お前、マジで殺すぞ」と日本語できれる。その後はもう一切相手しなくなったけど、彼はずっとついてくる。バスターミナルまで来て、遂には「一緒にRigaまで行く」と言い出す。「俺は今疲れとるから、おまえとはいたくないねん」と英語で言った(と思う)。しばらく周りをうろうろしていたけど、「さよなら」と言って帰って行った。外の-9℃にもまじでいらつくけど、うっとおしい男もまじで神経に触る。もう今やストレスの塊。そう言えば彼に1EEKトイレ代借りていたけど返してない……。まぁいいか我満代ということで。
Tallinnについて書くのを忘れていた。Tallinnは本当に本当に素晴らしい街。人を除いてね。バスターミナルは快適。警備員か警察か分からんけどとにかく守る人が絶えず巡回しているし、何よりも暖かい。だがバスは狭い……。最後に気付いた。kioskは24時間営業。もしやMonsより便利かも。ここのkioskは北欧のSEVENELEVENよりも品揃えが豊富。

歌の原 国境
Laulväljak
全てはここから始まった
Eesti-Latvija検問所
写真とって大丈夫やろ?

          

  
  
12月28日(木)           
まず初めに外は-12度。ここまで来ると嬉しくなってくる……、いい経験。バスは5:30にRiga着。途中3時くらいに国境にたどりついて、バスに一人の女性税関員が乗り込んできてパスポートを回収していく。そしてしばらくしてスタンプを押して返してくれる。どうやらVISAがいらなくなったのは本当らしい。けど一体いつから?Rigaに着いてまずはトイレ。5Latおろしてトイレは10Santime。この補助通貨のからんでくる国大嫌い。細かいコインがどんどん溜まっていく。けどトイレのおばちゃんは5Lat札を渡しても文句言わず、そしてゆっくりとお釣りを返してくれた。うーん、久々の優しさ。
駅に切符を買いに行ってもcafeでパンを買っても、みんな愛想のない態度。駅の女子なぞ、あからさまに「あーぁうっとおしいね」っていう態度を見せ溜息連発。全くもって下らないね。何なんやろうねこの国。こっちも溜息連発し、彼女の目をずっと見つめる。すると彼女はさらに不機嫌に、アホか!明るくなるまでcafeでしばし休憩。コーヒー一杯25santime(約50円)。ただこの国の人々はcafeにいる時間が短い。飲み・食べ、終わるとそそくさと出て行く。

自由記念碑 Riga Riga2
独立の象徴は工事中 聖ペテロ教会から 旧市街

まじで寒い。ちょっと歩いてはcafeの繰り返し。寒い。って言うか痛い。Rigaの街自体好きなものではない。相変わらず感謝とサービスの気持ちを持ち合わせていない人々が大半、前に止まっている人を無言で腕で押しのけ進む。車は絶対に歩行者に道を譲らない。店を出るときも客も店員も何も言わない。聖ペテロ教会なんかでは塔に登るのにナンボ、中を見るのにナンボ、金払ってないからそっちへ行くな!とこられる。さらに教会内は無用なオブジェで飾りたてられている……。ニュルニュル。全くもってニュル。本当に僕の感覚からしたらどうかしている。お年寄りが寒空の下、ただただ施しを求め震えている。一方若者の多くは小奇麗な格好をし、室内で仕事をし、もしくはcafeでずっと笑っている。

石炭暖房 車内 夜行
石炭暖房 車内 夜行

この街で良かったもの。先ずは市場。ものすごい規模。賑わいがあり、生活がリアルに感じられる。しかしここでも数々の悲哀が繰り広げられている。1つ20円もしないような袋を売っている老人。体重計1つ前におき、通行人の体重を量り料金を得る老人。全てが悲しみに包まれている。きっとこの国では自分の才気1つでのぼりつめるということは困難なんだろうと感じた。必要なのは他人を押しのけることの出来る冷酷さ……、そして女子なら美しさ……、下らない。もう絶対に来ない。あくまで僕個人の印象。僕が少しでもラトヴィア語を(もしくはロシア語を)話すことが出来れば、そしてこれが観光シーズンの夏ならば少しは違うのかも知れないけど……。
うまくいかんついでに、とってもうまくいかんことが。これはあくまで僕のミス。ずっと苛々していて、お金を下ろす際にとりあえず5Lat取り出して終了と思い、ボタンをぼーっと連射したら、そこがちょうど作業続行ボタンで、さらにはそこがちょうど200Latのところだったらしく、そしてさらにはYESボタンだったらしく、気付いたら200Latが出てきた。200Latと言えば日本円で4万円近く。それも10Lat札と5Lat札で出てきたので計21枚の分厚い札束に。これは困る。必要以上のお金は困る。強盗にあった時に4万円も奪われたのではショックがでかいし、何よりも、持っていたら使ってしまう僕の性質。とりあえず寒さで思考の鈍った頭をフル回転させる。引き出したんやから、預ければ丸くおさまる。銀行に行って手続き方法を聞くと書類1枚渡されてこれに必要な事を記入してして下さい、と。分からない、国コードや銀行コードって何?忘れた。一つ一つ係に聞きながら記入していたら、「後ろの人に迷惑やから書き終ったらまた来て下さい」と言われる。全くだ。しかしまた並ぶとなると30分近く待たんとあかんし。何よりも分からん項目が多すぎる。あーぁうっとおしい。もう断念。次に思いついたんが全部ベルギーフランに両替してしまおうということ。どうせベルギーで使うんやし。が、ベルギーフランには両替出来ないらしい。Latなんか持っていてもベルギーで再両替出来るかごっつい不安なので、結局アメリカドルに両替しとくことにする。明日どうせリトアニアに行くので50Latだけそれように残し、残りの150Latを全てドルに。150Lit→240ドル。何が最良の策か分からなかった。そして今も分からない。頭が回らない。これは絶対に損するんかな。得することはない?この上手くいかなさ具合には何かある。
駅で電車待ち。明らかに雰囲気が悪い。警察も5〜6人見回っているし、私服警官もいる。隣ではうら若き家出(間違いない、そうじゃないと話しにならん)カップルが、数人の警官に囲まれ『15の夜』をやっている。「自由っていったい何だい?」って感じ。深いねこの言葉、特にこの国においては。
22:16電車は駅を立つ。嫌な事を忘れさせてくれるくらいこの電車が素晴らしい。寝台は取らずに座席にしたんやけど、渋い。1960年代はきっとこうやったんやろうなーという趣深い車両。感動。噂では聞いていたけど暖房は石炭、電気じゃない。もし電気暖房で、この寒さの中で何かがあって荒野の真ん中で電車が止まリ電気が使えなくて暖房が止まったら、生死に関わる問題だからね。石炭なら大丈夫。まさに原始が勝ち。思わず写真を取らせてもらった。

(Tallinn 23:40) ⇒ 5:40 Riga 22:26 ⇒ (5:29 Vilnius)
移動距離      約350Km
移動時間      6h00
          

  
  
12月29日(金)           
夜行電車は出発して間もなくパスポートコントロールを向える。5人ぐらいがどかどか来て、チェックしていく。無論簡単なものでスタンプを押して終了。けど彼らが全車両見て廻るらしくかなりの時間を要する。ここでまた、泥酔のラトヴィア人若者にからまれる。彼の父はポーランド人で彼は英語・ロシア語・ポーランド語・ラトヴィア語、そして仏語が話せる。この旅始めてたくさんのフランス語を話す。が、彼は声がでかい。女車掌さんに何度も注意される。次第にうっとおしくなってくる。彼は何故かビールをたくさん持っていて2本くれた(タダで)。そして2本目を飲み終え今回は冷静に「疲れているから寝る」と言って彼と分かれた。彼の次のターゲットは途中で乗り込んできた若女子2人組みで、車両の向こう側から彼の馬鹿でかい話し声が聞こえてくる。同じ内容。にしても声がでかい。そして朝目を覚ました時、彼はまだ話し続けていた……。
Vilnius駅は首都駅とは思えない程のこじんまりさ。ホームも駅前も全てアイスバーン状態。車両のデッキとホームとはかなりの段差で降りるのがなかなか危険。駅前ではトロリーバスがつるつる、進めなくなっていた。Šiauliaiまでの切符を購入(19Lita30、520円ほど)し、待ち時間の2時間で初両替(45ラトヴィアLat→248.80リトアニアLita)、荷物預け(1.5Lita、約40円)、トイレ(1Lita、約27円)。そして朝食をスーパーで買う。今までで最も物価が安いような気がする。パンなんて0.5Lita(約14円)、サラダが1.5Lita(約40円)、COCAが1.6Lita。煙草はMarlboroが4.3Lita(約110円)、安い国産煙草なら2Litaせずに買える。これはよい。ただ両替したお金は投げつけるし、切符は投げつけるし、お釣りもレシートも投げつけるし、相変わらず彼らの愚行っぷりには変わったない。この国も駄目なのか?そして彼らには微笑がない。重い。
Šiauliaiは人口15万人を抱える街としては極めてコンパクト。メイン通りが1本あり、それ以外は本当に何もない。tourist informationに行って『十字架の丘(Kryžių Kalnas)』の行き方と、ホテルを尋ねる。連日の歩きまくりと(履き慣れた靴だが靴擦れが出来た)、夜行・バス・列車でボロボロだったので、それにお金があるし(笑)、「予算は?」って聞かれて「100Litaぐらい(2700円くらい)」と答える。それならいいホテルがあるとすぐに予約までしてくれた。ここのお姉さんがとても感じよく、丁寧に丁寧に教えてくれる。地図も沢山暮れるし、予約してもらってなんと無料。ある所にはあるんやね、優しい所が。さらには「あすは9時から開いているから、また分からないことがあったらいつでも来て」と言ってくれる。はぁ久しぶりの人間味を感じるコミュニケーション。
『十字架の丘』に行くためにはバスで6km(1.1Lita)、そしてそこから徒歩で2kmくらい行く。バスステーションで日本人旅行者のFujitaさんという人と会う。彼は大学を卒業し、旅を続けているらしい。彼と共に十字架の丘を見学。他に観光客は数人といったところで、歩いて向うのは僕らだけ。帰りはバス停に着いたのがバスの発車時刻の数分後(これでもちょっと走ったりした。なにせこのバスを逃すの文字通り何の風除けもない所で1時間待たなければならなくなるので)、もう行ってしまったかなと心配していたが20分以上もたって、乗合タクシーみたいのが来た。これは普通のバスなのか、それともタクシーなのか分からないけど、助かった。あの寒さの中一時間待ちは本当にヤバイから。
VilniusでユースをとているFujitaさんと別れ、街をさらっと歩いてからホテルへ。ホテルは中の上くらいの僕の今の身なりとはそぐわない素晴らしいホテル。しかも部屋はツイン。これで80Lita(約2200円くらい)とは安い。ユースが36Litaとか言っていたので、2倍ちょいでこのホテル。お買い得。人も別に悪くない。近くの巨大なスーパーでビールを2gばかり購入し、シャワーを浴び一休み。TVでは「風雲たけし城」をやっていた。
8時ごろにホテルの中のレストランにいくと、今日はパーティが入っているから駄目と言われ、美味しいリトアニア料理を出すレストランを教えてもらう。外は極寒。道はつるつる。けどどうしてもそのレストランが見つからない。人に聞いても知らないと言うし、そもそも英語が極めて通じない。まぁいいかと他のレストランへ向うが、全て「I have no free place」と言って断られる。まじかな〜、席あいとったやん結構。まぁ予約がはいっとるんやろうけど……。身なりで判断されたとちょっと疑ってみたくもなる。馬鹿だねー、そんじょそこらのリトアニア人よりよく食べて、よく飲むのに……。ということでスーパーへ再び向いビールと肉の塊を買う(食物価は極めて安い)、ホテルに帰る途中、若者たちに「Chinise, Chinise」と馬鹿にされた(と僕は思っている)ので、何を熱くなったのかビールを1本そいつらに投げつけてしまう。もったいないことをした。

十字架の丘 Kryžių Kalnas

(Riga 22:26) ⇒ 5:29 Vilnius 7:58 ⇒ 10:50 Šiauliai
移動距離      560Km
移動時間      9h55
          

  
  
12月30日(土)           
朝7時半にモーニングコールで起こしてもらい8時から朝食。Buffetスタイルではない朝食。ただメニューはオムレツだけだったけど……。このオムレツが中に魚の白身がはいったもので美味。ただ量が半端じゃなく、後半はこの淡白過ぎる味とぎとぎと油で疲れてしまう。リトアニアに入ってから(夜行の中から)ずっと出てくるコーヒーは、粉の入った(残った?)コーヒーなんだけど、これはこの地方の特色かいな?このホテルは従業員が沢山いる。とてつもなく綺麗な女性と、とてつもなく格好のいい男性ばかり。そしてとても若いホテル。
Klaipedaに着いて帰りの夜行のチケットを買って、市街へ。tourist infomationは休み。どうやってNidaにいくか分からない。とりあえず向こう岸に渡るフェリーに乗れとのことで、往復2Litaを払って乗る。このフェリーが車8台ほど乗ったら満ぱんになるようなフェリー、もちろん客室なんてものはない。車じゃない客は零下数℃の中、ふきっさらしの甲板の上で海峡を越す。わずか5分ちょいの行程ではあるけど待ち時間を考えると(両端ともに待合室がない)、気が遠くなる。対岸に着くとバスに乗り換える人が大勢向うので多分それでしょう。バスといってもちっぽけなおんぼろワゴンに詰め込まれる。Nidaまで45分くらい。途中で人が減っていったけど、途中までは片手1本で全体重を支える辛い体勢。ここでも全く若者は老人に席を譲らんし、いい身なりをしたマダムも列などお構いなく我先にとどんどん割り込んでくる。観光客らしい老人カップルもこれには呆れていた。まぁいい体験、フェリーなんて"オープン「がりんこ」号"。氷をバリバリ割って進む様を、間近で風を受け、音を聞きながら見れたわけやし……、バスは発展途上国状態やし、いい経験やね。

オープン「がりんこ」号 オープン「がりんこ」号

Nidaを含むカリンダは冬の(夏の?)別荘が立ち並ぶリゾート地。だからぬくぬくと毛皮に包まれた、しかし品のかけらもないマダムたちがたくさんバスに乗ってたんやね。様々な毛皮を着て膨れた彼女たちは1人1人ではなく、まさしく数匹の獣。こういう品のない、他人を思いやることの出来ないやつらしかのし上がれん国やからね。
Nidaの砂漠(砂丘?)は全く持って素晴らしい。この国、腐った奴が溢れている中で、自然だけは生きている。周りには誰もいない。凍りついた砂の上をどんどんと進んで行く。足跡は残らない。ふと気がつくと周りに生き物の気配が消えていた。完全な砂の世界。少し高くなっている方へ上り、腰を下ろす。爽快だ。しかし突然不安にかられる。もう戻る事が出来ないんじゃないかという不安。慌てて立ち上がり、走り出す。道が見えてきた。街が見えてきた。
オープン「がりんこ」号ナイトクルーズでKlaipedaへ戻る。腹が減ったので中華料理屋へ。中華だから安いだろうと読んでいたが、ここは高級点。僕はスペアリブの醤油風味(!)とビールを2敗飲んだんだけど35Lita。まぁ1000円足らずなんやけど、この国の食物価から考えると高級。メニューには鯨、クロコダイル、クラゲ、蛇、カタツムリなどがあったけど、全部中国では食べるん?クロコダイルなんて値段280Lita(約7500円)やし絶対誰も頼まんと思うから、多分見せ掛けだけなんかな。まぁ満足したけど、ただこの店コーヒーがない。
その後cafeでコーヒー飲んでスーパーでビアー買って駅へ。今日の夜行は最初座席席にしていたんだけど、寝台に買えてもらう。金額は座席が24.20Lita(約650円)、安いほうの寝台が27.40Lita(約750円)、そして一番高い寝台が34.10Lita(約920円円)。つまり一番高い寝台でも座席席と300円程しか違わない。損ならええ方がいいでしょうということ。
こうして突然寝台に変更したおかげで、偶然にも現在ロシアのサンクトペテルブルグに留学しているKadokuraさんと出会う。こんなちっぽけな国のこんなちっぽけな街の、こんなちっぽけな電車のこんなちっぽけなコンパートメントで、日本人2人が同室になるとは何たる偶然。車掌が来て「シーツいる?」ってリトアニア語で聞かれて困っていた時(彼女は英語を解さない)助けていただいた。

漁師の家 氷の海 砂漠
漁師の家 氷の海 砂漠

Šiauliai 9:53 ⇒ 12:43 Klaipeda 14:00 ⇒ 14:05 Smitynė 14:15 ⇒ 15:00 Nida 17:00 ⇒ 17:45 Smitynė 18:15 ⇒ 18:20 Klaipeda 22:10 ⇒ (6:31 Vilnius)
移動距離      約256Km
移動時間      4h30
          

  
  
12月31日(日)           
6:30にVilnius着。次の行動をどうしようか真剣に悩む。もう帰ろうという気持ちが大きい。が、なかなかうまく帰れない。本当は今日1日Vilnius観光をして、夜行でワルシャワ(Warszawa)に行くつもりだったんだけど、その夜行が今日は走らない。かといってこの街で一泊し2001年を迎える気にもならないので(新世紀は是非夜行の中で迎えたい)、Warszawaに向う。で、電車だと10時間以上かかりWarszawa着が20:27。うーんバスの方がもう少し早いとのことで、しぶしぶバスのチケットを買いに行くと、今日のバスは全て満席とのこと。うんこれで気持ちよく決心がついた。夜行・Vilnius-Warszawa・65Lita(約1750円)。
発車までの2時間、雨は降っているし、道はてかてかだし、足は痛いと3重苦の中Vilniusの街を歩くことにする。夜明けの中夜明けの門(Aušros vartai)→聖カジミエル教会(Šv. Kazimiero bažnyčia)→ヴィルニュス大学(Vilnisud Universitetas)→カテドゥロス広場(Katedros aikštė)→大聖堂(Arkikatedra bazilika)→ケディミナス大通り(Gedimino pr.)→国会議事堂(Tarybos rumai)→ピーリモ通り(Pylimo)とざっと2時間コース。うーん疲れた。バスの混み混み状態に比べ電車は空き空き。コンパートメントを独占。13:48リトアニア国境駅Šeštokai着。乗換えをする。さらに乗客は減って全部で5、6人。ゆうゆうとコンパートメントを独占。まぁポーランドに入ったら人も増えるでしょう。
すぐにパスポートコントロールが回ってくる。偶然かばんが開いていて、そこにはVilniusで小銭潰しのために買ったタバコ"Klaipeda"があったのを見られる。「What is this?」と聞かれたので「cigarette」と。「How much?」と聞かれたので「about 6 Litas」と真摯に答える。すると「only six packs?」と聞かれる。あーぁ分かった。個数を聞いていたわけね。分かった。「アルコォフォール?」と聞かれ「No」とだけ答える、以上。しかしこの後Mockavaという駅に止まってリトアニアのチェックがあった。ということはさっきのは何やったんやろ。サービスか?それから1時間ほどしてポーランド側のチェック。今回は4人が乗り込んで来る。色々聞かれる「一人で旅行?」、「ポーランドの通貨はいくら持っている?」、「タバコは?」、「ウオッカは?」、「今からどこへ行く」と次々と。どうもベルギーのVISAも気になったらしい。英語はかなり通じ難いけど、フランス語を喋る人がいた。それにしてもこの電車うっとりするくらい遅い。

Katedros aikste Tarybos rumai 国境駅
Vilnius氷祭 ソ連介入も今は昔 国境駅 Mockava

さて、大晦日。やっぱりここまで来ると電車の中で過ごさないと。10時間の長旅を終え(実はこの間距離はたった425kmしかない。新幹線なら2時間というところ、そしてリトアニアの国際線チケットには何故か新幹線の絵が……)、Warszawaに着くと駆け足で国際線チケット売り場へ急行。Praha行きは発車30分前なので寝台の予約は出来ないとのこと。今日は奮発して1等寝台を使う予定だったので、ちょっと不安に。で、乗車券だけ発行してもらい(本当に英語が通じない)。100ズウォテ(zl)=2500円を握り締め電車の入線を待つ。列車はむっちゃ長い。Wine行きの「Chopin号」と途中まで一緒ということ。車掌に寝台売ってくれと頼む。まぁ空いとるやろうから買えるんやけどね。81tz(約2000円)を払って案内された寝台を見てびっくり。あれ?『動くホテル』は?普通のクシェットとかわらんやん。っていうか3段式やし、リトアニアの安クシェットよりたち悪い。まぁいいか。21世紀を向かえることやし平和に。車掌からビアー3本買って、一人きりの忘年会。色々なことがありましたな、今年も。

無事なんとかのりこえることが出来ました。来年も(は?)素晴らしい年に!     

大晦日 大晦日2
大晦日の部屋 大晦日の友
ŁOMZA / 15.1% wag. 7.8% Alc.

(Klaipeda 22:10) ⇒ 6:31 Vilnius 10:15 ⇒ 13:48 Šeštokai 14:03 ⇒ 20:27 Warszawa 21:06 ⇒ (7:33 Praha)
移動距離      801Km
移動時間      18h18