11月16日(木)           
昨日も夜遅くまで眠れなかったわけで(何で眠れなかったかはこの後で言う)、朝は眠眠眼(ねむねむまなこ)に気合を入れ7時半に起床。そしてBruxellesに向う。目的はただ1つAnderlechtのチャンピオンリーグのチケットを取りに行くため。2次リーグの組合せ抽選が終わった。AnderlechtはReal MadridLeedsLazioと同じ組。これはものすごいカードだ。クラブ側もそう思ったのか、組合せが決まった後にチケットの値段を2倍強に上げた。これにはサポーター達もきれている。組合せが決まった後の価格設定ということがどうにも納得いかんということ。ゴール裏のあんまりよくない席でも3試合共通の券で6000BF(約15000円)に設定されている。うーん、一試合5000円かー。ゴール裏じゃなかったらもっと高くなるやろし、これはあくまでクラブカードを持っている人たちへの価格、一般の僕はどれくらいの金額になるのか想像がつかん。天文学的(←あーあ、この言葉使ってみたかった)。今月はフランス2発がきいて月半ばにして今月の予算をはるかに超えている僕にはちょっとつらいけど、どうにかして買おう。こんなんさくって買うから、日本人は金持ちだって言う評判がうまれるんやね、よく分かった。けど見たい。けどチケットの売れ行きは好調らしい、ベルギー人金もっとるんやね、うかうかしているとチケット買えなくなるので今日行くことにした。今日でもちょっと遅いかも……。で、BruxellesについてAnderlecht地区へ向う。この地区は治安があまり良くないと聞いていたのでちょっと気合を入れていくが、何の事はない。まぁ午前のこんな時間から危険やったら、それこそしゃれにならんねやけど。で窓口へ。14の窓口が臨時で開いているって新聞に書いてあったけど、そんなものはない……。やばいんかな……。まぁ結果を言うと「今発売しているのはクラブカードを持っている人達だけ」らしい。そんなこと新聞には書いてなかったぞ。おっさんの態度も悪いし、一般向けにいつ発売されるのか分からんし、どうなっとんねん。けどまぁよく考えたらクラブをずっと応援してくれているサポーターを優先していれるのは当然か……、けど見たい。
さてチケットが買えないとなるともうBruxellesには用事がない。朝晴れてたのに昼から雨っていうのもあるし。帰る。そしてMonsでコインランドリーにいく。洗濯物が溜まってきているけど、多分週末オランダに行くので洗濯する時間がないだろうし今日のうちにやっておく。コインランドリーへいく途中ひっさしぶりにLuigiに会った。授業の関係で(外国人用の授業を多くとり始めたため)彼と会わなくなってはや1ヶ月。彼は彼だった。Andréは「Luigiは全然学校に来てない。彼は怠け者」と言っていたので、ちょっと心配していたけど(はぁとうとう人のことを心配するようになったかー)、Luigi曰く大学にはちゃんと来ているらしい。そしてGurand-Placeで雨の下、8℃の中、1時間にわたるフランス語の授業。やはり彼は厳しい。ただものすごく僕の進歩ぶりに驚いていた。多分そんなに進歩してないけど、久しぶりに会ったので彼は驚いたんだろう。まぁ、以前より彼の言ってることが聞き取れるようになったのは確か。まぁやはり彼は素晴らしい男。
さて何故昨日眠れんかったか。以前の留学生が置いていった『超古代、日本語が地球共通語だった!』吉田信啓(徳間書店)って本を読んでいたから。すっごい非難してしまいそうやからあんまり書かんけど、すっごい内容の本で、もう止まらなくなってしまった。まぁ読んで見て、呆れることは保証するから。ちょっとだけ彼が言っていることを書くと、彼はダーウィンの新化論を否定し、桓武天皇はフェニキア人だと言っている。どうよ?これだけでもものすごく興味(?)持つでしょう。人ってやっぱり色々な意見を持っているんやね。まぁそういう考えもあるということで。けどまぁ日本の考古学を震撼させるスキャンダル(あの自分で埋めて自分で掘ったやつ)が起こっていて、教科書が書きかえられかもしれないという今、僕の常識は全く間違っているかも知れんのやけどね。ちなみにこの件に関してはベルギーの新聞で記事を見かけたことがない。むっちゃ世界をも影響を及ぼす大事件だと思うけど……。
夜のフランス語の授業で日本を紹介するってのがあった。まぁ前回(Vichyでの失敗)をふまえ出来るだけたくさん日本について語った。日本を少しでも知ってもらおうという真摯な気持ちで。で、発表はぼちぼちだったんだけど、その後たくさんの質問を受ける。もう全員から質問。やっぱり彼らにとって日本は興味をひくものであると同時に未知過ぎる国でもあるんだね。「日本ではうるさいから飼い犬には轡をしないといけないの?」とか、「日本のホテルは部屋が狭いから1つのベットで2人寝ないと駄目ってのは本当?」とか、もう様々。面白かった。「日本には女の人用の言葉と男の人用の言葉と2つの言葉があるのってのは本当?」って聞かれて、僕は軽い気持ちで「うん男言葉と女言葉の2つがあるよ」って言ったことから場は大騒然。「deux langues」って聞かれたから、「deux langues」って答えたたんだけどこれはちょっとマズかったかな。「男と女が話すときはどっちの言葉を使うの? “愛"の言葉だけ?」って聞かれるし、先生も興味津々で「学校では、先生はどっちの言葉で授業をするの?」って聞いてくる。ちょっと誤解を与えてしまったような……。フランス語にも多分女の子らしい表現と、男の子らしい表現があるんちゃうんかな、分からんけど。そういうことを言いたかったんやけど……。駄目だったみたい。何度、「2つの言葉は殆ど同じで、お互いがちゃんと理解し会うことが出来る」って何度言っても、彼らは不思議でたまらないようだった。ちょっと取り返しがつかなくなったので、以後ことことは一切語らないことにする。もう知らん。
それにしても最近ずっと「C'est la Belgique.........」と言っているような気がする。毎日毎日。本当にこの言葉にチャンスを一杯与えてくれるんやから、この国!
          

  
  
11月17日(金)           
アルコールの話し。最近はワインはすっかり御無沙汰で(まぁボジョレーが解禁になったので飲んでみようかな)、さらにはbièreも"CHIMAY"というトラピストビールをたまにしか飲んでいない。かわりにもっぱらウオッカを"Red Bull"というもんで割ったものを飲んでいる。これはオランダに行ったときに知ったんだけど、なかなか美味い。"RedBull"はEnergy Drinkと書いてある通りはっきり言ってリポビタンD。だから、リポDで代用できるはず。是非お試しあれ、うまいから。しかしこれはむっちゃお金がかかる飲み物。"RedBull"は250ml缶で55F(約125円)、そして何よりもウオッカが高い。1本大体400Fぐらいする。ウオッカに関わらずウイスキーやジンといったいわゆる洋酒が高い。ジンでも僕の愛する"ボンベイサファイア"が500Fくらいする。まぁそれでも1200円くらいで日本の半額くらいとも言えるんだけど、ビールやワインに腐るほど安い値段がついているのを考えると高すぎる。そこで何かとてつもなく妖しいパッケージの、多分ベルギー産の1番安いウオッカ(FrisKaiA)を買っている。それでも295F、700円はする。
今日は朝から日本語の授業に出て(やっぱりどうしてもちょっと遅刻するこの授業)、11時過ぎにちょっと帰らしてもらって、オランダへ。お土産に先に言った"CHIMAY"の750mlを買って。MaastrichtへはLiégenまでいって、電車を乗り換えて30分くらいで着く。MonsからまではBuruxellesを回っていく電車とそうじゃない電車の2通りがあってすんなり2時間くらいで直通なので都合がいい、乗換え時間を入れて3時間くらいか。まぁ十分便利だけど、聞く話によると車なら実質180キロぐらいしかなく、1時間半くらいらしいけど。
Maastrichtについてバスに乗ってHogeschoool(大学でも高専でもないけど、高校を卒業して入るオランダの高等教育学校)へ行く。そこには日本語を学ぶ学科があって、前に訪ねた同じ学校の子がそこで日本語を教えている。恥ずかしながら英語で何度も何度も道行く人たちに行き方を聞いて、バスに乗る。オランダの人はやっぱり親切すぎる。いい国だ。バスの中でおっさんに紙を見せて(学校の住所を書いた紙)これまだ?って聞いたら、「急いでここで降りなさい」って言われて慌てて飛び降りる。しかし、それは間違いだった……。結局そこから何回も何回も人に聞いて、結構道を歩いて、どうにかたどり着く。けど学校の中に入ってもどこだか分からなかったので、腹をくくって事務所みたいなところを訪ねる。「日本語の先生をしている子に会いたいんだけど」って言うと、むっちゃ怪しいまれる。すっごい疑われる。それで一度違う場所に連れて行かれて、そこで電話をかけてもらって、迎えにきてもらって、どうにか辿り着くことができる。
日本語の先生に挨拶して(彼女はとっても日本語がうまい)、それから学校のパソコンをつかわせてもらう。まったくMonsの大学ではinternetが使い物にならんので、最近調べたいことがいっぱいできていたので、わざわざ国境を超えてパソコンを遣わせてもらいに行く。こういえばすっごい聞こえがいいけど、まぁオランダ観光がメインなんだけど。けど!フロッピーを忘れてしまう。くだらないミス……。結局ちらちらと見て、残りは明日ということになる。夜はムール貝と野菜を炒めてご飯と食べる。初めて"chicon"を食べた。まぁ野菜炒めにしてしまったけど……。そして前回と同じく、彼女が下宿している寮、と言うか学校の持つホテルらしんだけど、泊めていただく。
          

  
  
11月18日(土)           
朝から学校へ行く。今日はこの学校のオープンキャンパスがあるらしい。で、何人かの日本語を学んでいる学生がバイトとして来ていた。なかには来年日本のうちの学校にくる学生たちもいた(彼らは3回生になると全員日本に留学するらしい、学校の提携で)。3回生11人が来年日本に来るらしい。1回生の女の子が浴衣を着て説明したりしていて、ちっちゃくて浴衣がぴったりでかわいかった。パソコン教室に閉じこもって調べもの。まぁ思っていたより進んではいなかった、何をかは秘密だけど。オープンキャンパスは2時過ぎには終わって、その後日本語の教授や学生たちが軽い打ち上げのように日本酒『月桂冠』の熱燗を飲む。そしてそれにちゃっかりと参加する。うーん、久しぶりの日本酒はなかなかよかった。それもすぐ終わって、学生たちと街のbarに飲みに行く。なんだかんだといってそこで結構飲んで(Maastrichtのビールとかイタリアのサンブカちゅう酒とか、結構飲んでしまう)、いろいろオランダ語を教えてもらって、楽しい時を過ごす。1回生の子達がちょっとしたことで「これは日本語でなんていうの?」って聞く熱心な姿にはちょっと感動を覚えた。そして1回生の質問に2、3回生が優しく教えている姿はとっても新鮮だった。すばらしい。よき時間を与えてくれたわけだから、彼らが日本に来たら今度はこっちが日本を紹介してあげんとね。3回生は来年の春に日本に上陸する。
その後6時を過ぎたあたりでこの会はお開きとなって、そこから電車に20分ほど揺られてDeefの家に遊びに行く。カレーを作りに行く。彼は先月遊びにいったMauriceと同じ年に今日行った学校の同じシステムで日本に留学していた。そして日本でいつも一緒に飲んでいた仲間。ひっさしぶりの再会だけど本当に楽しかった。けどここでもずっーとビールをもらって飲んでいたので、カレーを食べ終わったころにはもうふらふら。ごめん、先に寝る。横になって数十秒で暴睡。
Maarstrechtの駅で研修できている大阪の先生たちに会った。駅でトイレにいった時に、入り口のところに人がいたので、お金がかかるトイレだからしめしめとこっそり入ろうとしたら、バンとぶつかって足を踏まれて「ぬおっ!」って声をあげてしまった。そしたら、その足を踏んだ人に「あっ、ごめんなさい!」と言われた。僕は最初「Pardon.」って言ったんだけど。うん、日本語やんと思って「いや、大丈夫です」と言った。その人たちが大阪の先生たちだったわけ。彼らは今日行ったhogeschoolも見学にきていたらしい。こんなところで遇うとは奇遇ですねと話をして、『だるまおとし』を貰った。嬉しかった。「もう合わないかもしれないね」って言って分かれたけど、絶対心斎橋とか歩いとってふっと合うような気がしてならん。
最後のひとつ。夕方に若い方の学生たち(現役の学生)に教えてもらったオランダ語を早速Deefに披露。"Echt vet !"(フランス語だったら「super !」ってとこかな)。けど……、Deefには通じなかった……。もちろん彼も分かるんだけど、これは若者の言葉で(ついでにはAmsterdamの言葉らしい)、彼は決して使わないらしい。そうか……、Deefも歳をとったね……。
          

  
  
11月19日(日)           
暴睡、暴睡、暴睡、暴睡。で、どうにか起きて目覚めのコーヒー。目がパンパン、顔がパンパン、こうなる時は体が調子悪い時。疲れとるかなー。ちょっと小雨が降っているけど、今日はDeefに"Drielandenpunt"というベルギーとオランダ、ドイツの国境地点に車で連れていってもらう。国境に目がない僕にとってはたまらない場所。ありがとうDeef!出発前に"drie"が「3」で、"landen"が「国」、"punt"が「地点」って教えてもらって、「おおっ、そのままやんけ」と思いながら、そのネーミングにもちょっと胸が踊る。むちゃむちゃ寒かったけど、国境は素晴らしかった。うーん、やっぱり国境好き。展望台なんかも登ったりしてみた。で、中心点こっちはオランダ、こっちはベルギーって線が引いてあるんやけど、ベルギーとドイツの境に2本線があって、ちょっと不思議に思ってDeefに尋ねてみたら、それはどうも戦争で一時ドイツの領土だったベルギーだとのこと。うーん、そうか。Deefはオランダ人だけどここに来るのは初めてらしい、オランダ人は行かないよって言っていたけど、たくさんオランダ人観光客がいた……。
それから、DrielandenpuntとMaastrichtの中間ぐらいにある小さな町に連れていってもらった(残念ながら名前は忘れた。オランダ語の地名は難しい)。この町は小さいけどすっごい観光客がいた。どうも有名な『クリスマス市』が開かれているらしい。まぁ、車を止めて中心に行って、"Kroket"を食べる。昨日からこれにはまりっぱなし、ずっと食べている。これだけに限らずちょっとした揚げ物なんだけどすっごい美味。それに自動販売機で売っているし……。で、"frites speciaal"というfriteに玉ねぎの刻んだやつと2種類のソースがかかっているやつを食べる。ちょっと臭かったけど、これまた美味。これらも十分にときめいたけど、さらにはこの町にSt-Nicolasがいた。彼はちょうど昨日スペインからオランダに着いたところで、これから12月6日の『St-Nicola』の日までオランダ各地を回るらしい。St-Nicolasはサンタクロースと同じように子供たちにプレゼントを持ってきてくれる聖人で、オランダやベルギーではクリスマスよりも子供たちの人気が高いらしい。で、オランダはとっても夢のある国で、毎年この季節になるとSt-Nicolasが船に乗ってスペインからやって来るらしい、そしてテレビでもそれを毎日取り上げて「今日、St-Nicolasはここまで着ました。もう少しでオランダに上陸します」ってやるもんだから、子供たちはみんな真剣に信じているらしい。なんと夢のある国でしょう。まぁ、今日見た彼はマセラッティのオープンカーに乗っていたけど……。けど面白かった。Deefどうも有り難うございました。Echt vet

Drielandenpunt Drielandenpunt St-Nicolas
Drielandenpunt
ベルギー・オランダ・ドイツ
ベルギーを望む。
「国境のトンネル」……が、わからん。
St-Nicolas、実在?

          

  
  
11月20日(月)           
最悪や。まじでいらつく。CITIBANKで金をおろしたんやけど、ボーっとしていてカードを取るのを忘れていたらしく、カードがATMに吸い込まれた。多分。ボーっとし過ぎていてカードを取ったかどうかも定かじゃない、けど手元にないので多分吸い込まれたんやろう。受付のおっちゃんにすぐに言いにいくと、「Venez demain après-midi.」といわれる。今日、荷物を送ったり、夜、鍋をしようと言っているので金がいるのに……。あーぁうっとしい。けど誰も悪くないから、自分がむかつく。いや、カード取り忘れていたら『ピィーピィー』ってなるでしょう、普通。ちゅうことでこれはベルギーのCITIBANKが悪い。どう考えてもそう。
郵便についてちょっと。2kgまでは小包扱いにならずに郵便で送ることが出来る。で、航空便が1kgから2kgまで1000BF(約2400円)、航空便でないと550BF(約1300円)、約2倍の開き。郵便局のおばちゃんに聞いたところ、航空便は手紙と同じくらいで着くと言うからまぁ一週間ぐらい。けど、航空便でないと、信じられないことに、どれくらいでつくか分からないと言う。これはまあまあこんなもんかとどうにか納得できる。けど、2kgを超えると小堤扱いになって料金も跳ね上がる。2kgから5kgまで3000BF(約7200円)!2kgを境に値段が3倍に……。これは高い。郵便局では30kgまで送ることができるけど20kg〜30kgの料金は11050BF(約26400円)。信じられないくらい。安いワインなら、これだけあれば300リットルは飲める。パソコンも送りたいし、むっちゃ持ち物も多いし、帰る時に荷物を送るのが怖い……。絶対5万とか払う自信がある…・・・。ちなみに、本だけなら郵便扱いで5kgまで送ることができる。これを活用するしかないか。高いね〜。
朝のフランス語の授業で「週末オランダに行って、日曜日には"Drielandenpunt"に行って来ました」って言ったら、誰も知らなかった……、先生も……。やっぱりみんな国境ってものに興味がないんかな?それはそうとその朝の授業に唯一の日本人学生の女の子がいるんだけど、「鍋すき?」って聞いたことから彼女も共感してくれて、今日の夜鍋をすることになった。彼女が味噌も持っているし、うどんも持っているし、素晴らしい。彼女はベルギー人の彼氏と棲んでいて夜そこにお邪魔することになる。うーん、なべ好き。なべマニア。とってもときめく。
Dominiqueさんの日本語スピーチコンテストの件。めでたく書類選考突破!まぁこんなところで落ちるわけはないんやけど。まぁ一安心。で、土曜日にBruxellesで本選。そこで今日はAsami婦人とTayasu婦人が来てくれての最終練習&質疑応答練習(これはまだ一回も練習していないのでかなり心配だけど)。Dominiqueさんは忙しい中ものすごく真剣に日本語に取り組んでいると思う。前回テープに録音した時に比べ、かなりの上達っぷり。ちょっと笑みがこぼれるね。まぁ「を」が"wo"の発音になって「うぉ」って言ってしまうのや、やっぱり「は、ひ、ふ、へ、ほ」の"h"の入った音とこかちょっとひっかかるところがあるけど、十分でしょ。マジで「On va gagner la premiére place!」だね。決戦は土曜日。
Dominiqueさんの日本語の授業が終わって、家まで車で送ってもらってそれからいよいよ鍋を食べに行く。一応今日学校でちょっとだけ鍋食べない?って知っている奴らを誘ったんだけど、みんな家に帰って家族とご飯を食べるということで誰も来ない。なんて家族との結びつきが強いねん。彼らが住んでいる部屋はとてつもなくいい部屋。彼は見るからに頭がよさそうな素敵なベルギー人。現に今、大学の5回生でそれでいてネット上で会社を経営しているらしい。オランダでも思ったんだけど、何で若い人はみんな起業しているんだろうね。これはヨーロッパと日本のシステムの違いなのか、それとも若者のやる気の違いなのか。よし、それじゃ僕らもそろそろ動きましょうか?ネット上から熱いメッセージ。起業しよう!けどはて……何をしよう、……ベルギーのビール?いやー……。鍋はとてつもなく美味。うどんまで食べさせてもらって、とっても素晴らしい時を過ごさせてもらって有難う。最近ずっとHPから感謝の気持ちを伝えているけど、人の優しさがずっしりと身に沁みる今日この頃。僕はあなたたちの優しさを貪る獏です。
          

  
  
11月21日(火)           
雨→曇→雨→曇→雨→曇→晴→雨→曇、ってな感じの典型的なベルギーの一日。あーぁ、うっとうしい。そして朝から晩までフランス語に揉まれるこれまた典型的な僕のベルギーでの一日。あーぁ、疲れる。それくらいかな……。
あぁ、いっこ言い忘れてた。今日CITIBANKに行くとすんなりカードがかえってきた。昨日取りに行った時のおっちゃんが覚えていてくれて、受付に行ったら何も言わずにカードを持って来てくれた。けど「パスポートある?」って。ないって、そんなん何も言ってなかったやん、昨日。けど「クレジットカードでいい?」って聞いたら、本当は規則では駄目らしいけど、まぁいいやろってことにしてくれた。こうしてたまにはベルギーのいい加減さに助けられることがある。日付を書いてサインしてOK。このおっちゃんは銀行員にしてはとっても気さくな奴だった(スーパーの含め、銀行、レストランとベルギーではお客さんに対する感謝の気持ちがないらしい……)。「どこのCITIBANK?」って聞かれて「日本」って答えると、そうかそうかと嬉しそうにしてくれる。そして「ベルギーでも同じカード?」って聞いたら、これまた嬉しそうに自分のカードを出して見せてくれた。本当に本当に本当に久しぶりの心温まる話。
          

  
  
11月22日(水)           
ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)に隠し子がいることが発覚。今年の8月17日に生まれたらしい。それを新聞にすっぱ抜かれて、彼は平然と、そうそれは本当に彼のプレースタイルと同じように、言ってのける。「Oui, c'est vrai. je le reconnais. Naturellement je prendrai soin de l'enfant et je subviendrai à ses besoins.」と。さらには「Ça n'a pas été facile, surtout pour elle (son épouse Sybille). Mais notre mariage est fort.」と続ける。すごいねーさすが『皇帝』。やること、言うことが違う。まぁかれはドイツ語だから、フランス語に誇張して訳してあるんかもしれんし。まぁ人の事だから失礼やね。
今日はチャンピオンズリーグ。AnderlechtはLazioとホームで対戦。チケットを取ることができなかった僕は例によってTayasuさん家にお邪魔する。最近ようやくAnderlechtのプレーヤーを覚えてきたけど、Lazioは覚える必要もなく知っているプレーヤーばかり。Peruzzi、Nesta、Mihajlovic、Simeone、Crespo、Salasなど世界的プレーヤーばかり、おっそろしいチーム。Lombaldo(懐かしいーね、昔サンプドリアにいた)が出ているのにもときめいた(どうやらベーロンが試合に出れない関係らしい)。試合は……、勝ってしまうんやよね。実力差も明らかだし、ベルギーには(特にMonsには)たくさんのイタリア人がいるので、まぁLazioの勝利でしょうという雰囲気が漂っていたんだけど……。けど勝ったといっても前回のManchesterの試合のようになんか幸運が重なっての勝利じゃなくて、試合内容もすごくよかった。Lazioが悪すぎたってものあるけど。
これで少しは日本でもAnderlechtの名前が知れ渡るんやろか?、ワールドサッカーグラフィックでどんな扱いになるんやろ?やっぱり、Lazioが負けたってことに重点がおかれるんやろうか?しっかし、Andrelechtのホームでの強さは特筆に値する。今シーズン、リーグ戦も含めまだホームでは負けていない。なんてサポーター思いのチームなんやろ。「Plus rien ne les arrête!」。いやー、こんな試合生で見たかった……。
          

  
  
11月23日(木)           
うーん、体がだるい。顔がパンパン。どうしたんやろ。朝の授業を休もうかと悩んだけど、せっかく7:45には起きることが出来たので行くことにする。ものすごい体の重さ。ずーっとぼーっと。けどまぁとりあえず、朝の授業には入ってよかった。この授業はフランス語の授業なんやけど、いろいろな国から人が集まっているわけで、本当に興味深いたくさんの知らないお国事情が聞ける。さらには先生もいろいろとベルギーの抱える問題をことあるごとに語ってくれるし、とっても刺激的な授業。なかなかカザフスタンの抱える問題や、スコットランドの抱える問題なんか、知っているようでよく分からないのが実情だから。ほとんど国境が明確で、ほとんで1つの言葉を話していて、ほとんど目に余るような地域格差のない日本にとっては、はっきり言って信じられないことが世界では起こっている。世界がEUなどより大きな枠組みで捉えようとする"globalisation"の動きの一方で、間違いなく世界は"régionalisme"の動きも活発になっている。外国人を排泄しようとしたり、独立を求めたり。何たる矛盾。先生がベルギーについて語ってくれた。やっぱり一番大きな問題は、フラマンとワロンの言語的対立、経済的対立、民族的対立。これはそうとう根深い。中でも一番の問題は経済的格差の問題らしい。何か分からんけどものすごく巨大な力でこの両民族ががっちりと結びついているんやろうというイメージがあったけど、実際はかなり微妙な関係でどうにか国がなってるんかな。最後に「Qu'est qu'il y a des possibilité de diviser la Belgique?」と先生に聞いてみた。答えは「oui」。ベルギーが無くなるかもね……。
午後からの授業は全部休みにする。寝る。けど突然なんか急に部屋でinternetに接続したいという(まぁ通信速度が最高9600bpsなので快適なインターネットは無理としても、メールチェックぐらいはしたいと)衝動が強く沸いてきて、街一番のパソコンショップへ行く。いやーパソコン関係の話をするんはむっちゃ難しかったけど、店員のお兄ちゃんの優しさにも助けられて、どうにかこれでいこうかってのがまとまる。けど、在庫がないらしい。で、取り寄せるの一週間かかるらしい。本当は今すぐ使いたいので来たんだけど、まぁ使えるかどうかテストもしてくれるっていうし、待とうかな。データー通信カードとケーブルと携帯本体で10000BF(24000円くらい)ちょっとぐらいらしい。けどこれは考えていたのよりずっと安い気がする、まぁ高いのには間違いないんやけど。
          

  
  
11月24日(金)           
久しぶりに日本語の授業を最後まで受ける。しかしなんやろ、だるいのには変わりなく、今日もずーっとぼーっと。こうなるとフランス語が聞こえてくると耳が「パタン」と閉まる。いかーん。Albanが来たこともあって今日はほとんど日本語を話していたような……。しっかしAlbanは日本語がうまいね。感心するよ。大体何言っても通じるし。周りにいる外国人の中で一番日本語がうまい。間違いない。って人の事はどうでもいいねん。なんか今週はフランス語をきくのがうっとおとしい。昼から図書館へ言ってAndréとしばらく勉強会をしたけど、どうもやる気なし。
前に日本語の授業で先生から「千字文」って知っとる?って聞かれて、分からんかったんやけど(その後メールで教えてて頂きました。有難うございました)、今日はそれについての本を持ってきてこんなんやよって教えてくれる。うーん知らんねー。ちなみに何かっていうと『梁の周興嗣が武帝の勅を奉じて撰。一巻。四言古詩、250句から成り、中国の初学教科書、また習字手本として広く行われた』(これは教えていただいた物をそのまま引用)ものちゅうこと。多分日本でこれ知っとるやつは3人ぐらいしかおらんとよんどるんけど、どうやろ?ちょっと最初の2句。
        天地玄黄宇宙洪荒         月日盈昃辰宿列張
いろいろ教えてもらったけど、いろいろ忘れた。まぁなんとなく意味がわかるかな。嘘。けど、『漢文』の授業を思い出していやーな気持ちになった。あの授業は好かん。って言うか先生が好かん。それにしても外国人はどこでこれに出会うんやろう?日本人も絶対に出会わんのに。絶対、死ぬまで。自信ある。まぁ“習字”大好き人間に聞いてみればいいんやけど、ごっつい身近にいるんやけど……、聞かん。
さて学校が始まって2ヶ月が過ぎ今の状況をゆっくり考えてみた。フランス語も想像していたよりまだまだだし、大学もやりたいことを与えてくれないし(いっつも同じことを言っている)、毎晩酒を飲む奴もまだいないし、彼女はできないし(嘘々、ごめんなさい)、状況は最悪なのに、心はなぜか静か。林のように静か。そして山のように動かない……(まぁついでに言えば、心の中は火のように燃え滾っているんやけどね)。どこへ行ってもその土地に完全に溶け込まないけど、自分のペースで生きていけるらしい。だって、京都にいるのとあんま変わらんし……。これは才能か?否か?やっぱりその土地々々で器用に振舞えるのがいいんだろうけど……。うーん、分からん。けどどこでも自分のコミュニティーを作れる。たとえば今なら日本語を喋るだけで生きていけるコミュニティー。しかしこれは僕のフランス語上達への道にとって大きな弊害となっている。こう考えるとこれは才能じゃないね……。
          

  
  
11月25日(土)           
祝  
"GASTRO"
  30周年!
Félicitations pour la 30ème anniversaire de ton restrant !

あらめて、GASTRO30周年おめでとうございます!なにせ現在遠き国ベルギーにいる身分、直接「素晴らしいです!」と言うことが出来ないので、何か小粋なことをといろいろ思案をめぐらせましたが、お父んが祝賀会(?)に出席するらしいのでちょっとふざけたことは自粛したいと思います。だからHPの上から御挨拶(HPを見ていただいていると期待しての行為です)。思えば、大学生活の初日に出会って以来もう既に5年半が経過しています。その間、僕のほうは本当に色々山あり谷あり、波瀾の連続、紆余曲折を経て現在に至っています。ついには大学まで変わってしまって……。足立さんの方は僕から見れば羨ましい程の順調さに見えますが、やはり見えない何かはあったのでしょうか?なにせ、30という歳月を重ねてきたわけですから。そして30周年を迎え、その年に僕は日本にいません。悲しい程切ない運命!しかししかししかししかし、40周年にはぜひ参加させてください。今から予約をしておきます。
けどちょっとだけ僕が何を考えていたかばらしますね。こっちに来て"GASTRO"という語が"gastroscopie"の省略形として使われることを知りました。そしてそれに絡めて気の利いた事をと、考えていたのですがちょっと控えます。まぁ、美味ゆえに驚く程ばくばく食べれるという事で。あぁ、もちろん"gastronome(食通)"とか"gastronomie(美食)"っていった語のイメージも当然想像できます。みんな古代ギリシア語の"gastêr"や"gastros"から派生した語ですから。とってもいい名前だと思います、僕は大好きです。大阪駅徒歩1分。さぁみんな直行しよう!
さて今日はいよいよ「第10回日本語スピーチコンテストベルギー大会」の日。Bruxellesで行われるためにDominiqueさんの車で一緒にBruxellesへ。どこかの大きなホールを貸しきってやるんだと勝手に思っていたんだけど、何の事はない現地の日本人学校の体育館で行われる。一時間前には着いて、あたりをぶらぶらする。途中車窓からWaterlooの古戦場が見えて、ライオンの像も見えた。興味深そうに僕が見ていたのか、Dominiqueさんが今度日曜日に車で連れて来てあげるといわれた。おぉ、うれしいね。スピーチコンテストの参加者は11人。例年は半分くらいに2つのグループに分けてそれぞれ優秀賞を選ぶらしいけど、今年は日本滞在5年の女性一人がBグループで、後の10人はAグループとして同じ土俵で争うことに。けどそういうグループ分けにしてしまうと日本滞在ゼロのDominiqueさんは、滞在1年とかのほかの参加者たちと争わなければいけない。どうにも納得いかん、このグループ分けは!
Dominiqueさんは2番目に登場。もちろん原稿を見てのスピーチとなるけど、発音、アクセント、スピードすべてが完璧。一週間前よりさらに進歩している。恐らく審査員の人たちも滞在経験ゼロの彼がこれほどまで上手く喋れることに驚きを感じたに違いない。そして質疑応答。最初は「何年間日本語を勉強しているの?」っていう質問。どうにかクリアー。続いて「どんな種類の盆栽を持っているの?」っていう質問。これはもう僕の勝ちで1週間前の質疑応答シュミレーションでこんな質問が多分でるよって練習していた質問。しかし……、Dominiqueさんは「分かりません」と答える……、まぁ仕方ないか。大丈夫、大丈夫。しかしこれで審査員の間に「うん、彼は日本語をあんまり理解できないんかな」って疑問が広がったらしく、その後の休憩時間にベルギー日本大使の人がDominiqueさんの日本語レベルを探りに来たらしい。Dominiqueさんはまだ日本語で会話できるほどのレベルには達していない。Dominiqueさんいわく「Pas du tout!」だったらしい。うーん、無念。
その後は他の参加者の発表が続く。さすがに滞在期間が1年とかになってくると結構喋れる。それにしてもみんなロータリーで日本に行っているんやけど、ロータリーはものすごい活動しているね。けど交換ということやから反対に毎年結構な日本人がベルギーの地を踏んでいることになるんかな。一体どんなシステムなんやろ。そもそもロータリーってなんぞやら。一つ気になったことが。外国人が(これって失礼なんかな?)、「"御静聴"有難うございました」とか「必ず日本に"帰りたい"と思います」って言うのだけはどうも落ち着かない。なんか、落ち着かない。好きじゃない。発表終了後は日本人学校の児童のコーラスと、日本人学校PTAのコーラスが何でか分からんがある。子供たちはまだ我慢できるとして、マダムたちはどうやろう?なんで?しかし子供たちが歌っている間はさながら授業参観。お父さんたちが必死にヴィデオを撮って写真を撮っている。しかし僕がちょっと苛ついたのは子供たちの発表が終わると子供もその父兄たちもそそくさと帰って行ったってこと。失礼やね、はっきり言って、スピーチコンテストの参加者の人たちに。全くどういう了見なんかわからんけど、ものすごい失礼やと思う。お前らちゃう日にやれっちゅうねん。あほか。
結果発表:僕はひそかに3位くらいかなーって思っていたんやけど、3位にも2位にも名前が挙がらない。ちゅことは最優秀賞か?けど、最優秀賞に入る前に「若竹賞」っていう賞の発表があって、それにDominiqueさんの名前が呼ばれる。この賞の趣旨は『若竹のように将来日本語のスキルが“スクスク”と伸びるであろうという人に授与される』らしい、この趣旨説明を聞いているうちに、あーぁこれDominiqueさんやなって思った。そして案の定Dominiqueさんが受賞。商品はSpaにある日本語学校(何でそんなところにある?)の一週間受講無料券らしい。これでも時価うん万円ということなのでまぁいいか、それにDominiqueさんにとっては日本語がちゃんと勉強できるのでいいか。何度も言うけど滞在経験ゼロでさらには質疑応答があんまりできないのに賞を獲ったっていうことは快挙。僕自身としては、グループ分けのこともあって多少不満だけど……。その後のレセプションで寿司、おでん、焼き鳥、たこ焼きが振舞われてお腹の点では大満足。今日は素晴らしい日だ。おめでたい日だ。

Dominiqueさん Félicitations !
おめでとう『若竹賞』!

会場の日本人学校の近くに日本語の本屋があったので思わず『地球の歩き方 チベット』を購入してしまう。880FBで約2200円くらい。定価が1640円ということでまぁー1.5倍。仕方ない。しかし最近『地球の歩き方』に凝っている。頭の中で旅をするのがとてつもなく楽しい。まぁ来年行くんやけどね。
          

  
  
11月26日(日)           
今日はす・ば・ら・し・く天気がいい。Mumuの実家にシコングラタンを食べさせてもらいにいく。彼女の実家はナミュールの近くのCineyという所で、電車で行くとNamurで電車を乗り換えて2時間くらい。11時に駅でということなので朝8:08の電車に乗る。ちゅうことでかなり早起きしてしまった。朝の気温は4℃(ちなみに昼間でも6度までしか上がらなかった……)。珍しく時間どおりに着いて駅を出るとMumuがお姉ちゃんと一緒に車で迎えに来ていてくれる。町の第一印象は、思ったより大きい。駅前にちゃんとbarとかもあるし(さすがにbarの看板は地元ビールの"Ciney"一色だったけど。しかしCineyに着いた頃には雲行きが怪しく……、さすがはベルギー。車でちょっと行くとすぐにMumuの実家。ヨーロッパの家らしく広い庭がある。そして家の中は芸術的雰囲気が漂っている。ママに挨拶して、それからはシャンパンを頂きながら日本の『snow white』(やったっけ?堂元剛と広末涼子が出ているドラマ?忘れた、っていうか知らん)を見る。日本のヴィデオとこっちのヴィデオはシステムが違って見れないって聞いていたけど、画面が白黒になるだけで何の支障もなく見れる。で、何で堂元剛が怒っているの?って聞かれて、通訳してくれと言われるけど、これがなかなか難しい。「子供を堕ろす」とかフランス語で何と言うか絶対に分からん。パパが現れて挨拶して、いよいよ昼食。
待ちに待った"chicon gratin"!はっきりいってグラタンと聞いて想像していた姿とはまったく違ったけど(初めはこれがシコングラタンだとは気付かなかった)、むっちゃうまい!マジで。ぅんもー、最高!さらには"ASAHI SUPER DRY"があったりして、素晴らしすぎる。シコンをハムで巻いてチーズで焼いたもの(多分)。まぁママの料理の腕がすばらしいのも間違いなくあるんやろうけど。よいよいよい。その前に人参のスープも頂いたんだけど、この皿で出されるスープをスプーンで飲むのは苦手。「音を立てるのはやっぱり失礼なんですよね?」と聞いたら「そう失礼」と言うことなので、細心の注意を払って。疲れた……、嘘、美味。そして食事の後にはもちろんデザート。コーヒーとチョコのアイスとちっちゃいシュークリームにチョコをかけたやつ(名前は忘れた)。日本では食事の後に甘いものを食べる習慣がないんだよって説明して、さらには男の人は普通甘いものをあんまり食べないんやよって説明しているところへ、パパが戻ってきてアイスクリームをおいしそうにパクパク……。この光景は日本人の僕にはどうも居心地が悪い。僕自身は、むっちゃ甘いも好きなんやけどね。
お昼からMumuとママパパで車でDurbuyの町まで連れて行ってもらう。Durbuyは『世界一小さい町(la ville la plus petite du monde)』として有名な町で世界各国から旅行者が訪れる町らしい。特に夏はオランダ人と日本人を含めた東洋人で町が溢れかえるらしい。そうか日本でも有名な町なんや。僕は知らんかった。車で30分ちょいぐらい、道中ずっとパパが車窓に広がる光景を説明してくれた。何でもない田舎の風景だけど、素晴らしかった(特にぼくは田舎マニアやし)。Cineyの町を案内してくれている時に「この町にはサッカーチームがあるんですか?」って聞いたら、stadeまで連れて行ってくれて、さらには係りの人に説明して写真を撮るために中に入れさせてもらった。ちょうど試合の最中で、ちょうどCineyが点を決めた時だった。ちなみにCineyは現在地域リーグで戦っていて、来年も上のリーグにあがる可能性はないらしい。それでも数十人(!)のサポーターが雨の中応援に来ていた。パパによると昔は外国人を抱えるまま強いチームだったらしいけど、今ではこう落ちぶれてしまったらしい。もちろん資金不足が原因とのこと。現在入場料は一律100BF(約140円)。
Durbyの町は本当に評判通りに小さい。そして噂通りに観光客が多い。冬なのに。ただとっても素敵な町。こじんまりとしていて、山に囲まれて、川が流れ、もしこんなに観光客がいなかったらぜひ住んでみたいと思った初めての町。町の中をゆっくりゆっくり時間をかけて回る。途中、"café ardennais"という黒い液体を見つけて、パパに「これコーヒー?」って尋ねると、「アルコールだ」とのこと。よく見ると「アルコール度30%」と。これはぜひ試してみなくては。この「強いコーヒー」とセットの小さな不細工なぐい飲みみたいなやつ(?)を購入。580FB也。店のおっちゃんがフラマン語を話していたので、フランス語大丈夫かなとMumuと話していたけど、驚くことに彼は日本語が話せた……。こんな小さな町で、本当に驚くことに。それだけ日本人観光客が多いちゅうことかな。最後にcaféに入って"vin chaud"を試してみる(これはむっちゃ好かん。僕にはあわん)。始めて尽くしの一日でした。

Stade de Ciney サンタクロース Durbuy
地域リーグ(Provencial) St-Nicolasに続いてサンタ 黄昏時の小さな町

帰りはMonsまでMumuと共に帰ってきたんやけど、日曜日の夜は週末を親元で過ごした学生が寮に戻る時間で電車は一部の隙もないくらいに満席。ここで面白い発見をした。Namurでの乗換えで電車を待っていると他のたくさんの同じ大学の生徒と出会ったんやけど、電車が着くと彼らもMumuも一番前の車両へ行く。なんでやねんろなーって思ってついていくと彼らは先頭車(1等車)のデッキの所へ。まぁ2等車は満席やったんでここで過ごすんかなと思っている。車掌が来て検札がすむと、車掌から一言二言何かを言われて1等車の中へ入っていき座る。なるほど、ほかの車両(2等車)が満席なんで、空き席ができるまでは1等車に座っていてもいいということらしい。これはそう考えると納得なんやけど、一人で旅行していたら絶対に気付かんシステムやね。結局席を移動することなくMonsまで辿り着いたし……。
煙草についての情報。Luxrembourgは煙草が安いって噂は聞いていたんやけど、Mumuパパの話によってそれが証明された。marlboroが1箱いくらになるのかは分からないけど、ベルギー産のBelgaという煙草は105FLで売られているらしい。ということは1箱250円くらい。今より1箱50円くらい安くなる……。今度買出しに行こうかな。さりげなくMumuパパに1箱貰った。それと昨日Dominiqueさんと話をしていてシェイプ(NATOの軍事基地)では煙草がtax-freeで買えて、大体半額くらいになるということ。しかしそこで買うには許可証みたいのが必要らしく今度連れていってあげるとのこと。うーん、けどこんなに努力しなくとも止めれれば一番いいんやけど。まぁNATOの基地にはぜひ行ってみたい(やっぱり中に入るには許可が必要とのこと)。
          

  
  
11月27日(月)           
今日は朝から晩までずーっとフランス語、疲れた。TirrelとSuzanに会ったけど、彼らは上から下まで完璧な冬支度。まぁ寒いことは十分に寒いんやけど、今その格好やったら2月には外に出れへんでっていうような装い。話を聞くと二人とも風邪らしい。そして彼らのまわりもみんな風邪らしい。ベルギーにも風邪の流行ちゅうのがあるんかな。もしかしたらこの僕の体ダルダルも風邪かな?そして猛烈に眠い。
M. Cogneauと話していて発覚したことがある。どうも今年は例年に比べて雨が降りすぎているらしい。やっぱり……。今日もしっかり夜には雨が降ってきたし、思い出しても雨が降らずに1日が終わったことは久しく思い出せない。多分1ヶ月近く毎日雨が降っているような気がする。しかしこの雨のおかげで気温は例年よりも高いらしい。確かに寒いことは寒いけど最低気温で5,6度やし、日によっては13,14度くらいになるときもある。よく考えると1ヶ月前から(2ヶ月近くかもしれん)気温が変わっていない。確かにちょっとだけ慣れてきた感があるし(いややけど……)。本当は雨が降らなくて、暖かい冬が希望なんやけど……。
          

  
  
11月28日(火)           
今日は暖かい。気温も20℃まで上がったりして、いつものように厚着をして出かけたが、暑い。汗をかく。Tシャツ一枚のやつまでいたりして(これはちょっとやり過ぎやろ)、11月の終わりを感じることができない。まぁ今日に限ってやけど。Andréとの授業のため昼から図書館に行くが、彼は調子が悪かったらしく『俺は家に帰った……』という置き手紙を図書館のおっちゃんに渡して帰っていた。風邪かな?昨日も言ったけど風邪が流行っているらしい。気をつけねば。まぁ彼がいないけど、どうせ図書館に来たんやしちょっと本でも物色する。まぁ面白そうな本はあるけど、興味深い本はない。Hugoや朝のフランス語の授業で一緒のロシアの人がいて話す。彼の奥さんはフランス人で、今フランスに住んでいる。で、今仕事をしていなくてフランス語を学んでいる。「ロシアに行きたい」、「シベリア鉄道に乗りたい」、「ロシア語を学びたい」と言ったら、彼は丁寧にロシアのVISAの取り方や、ロシアへの安い行き方(ドイツのCologneからバスで行けば50$でモスクワまで行けるらしい)を教えてくれた。「Меня зовут Наото.」とか「Я неговорю ло-русский.」とか覚えているロシア語を言うと喜んでくれた。спасибо
トヨタカップはどっちが勝ったんやろう?RealかBocaか?けど不思議なものでこうして今年の世界一が決まろうとしている時に、もうすでに来年のヨーロッパチャンピオンに向けてヨーロッパでは盛り上がっている。もちろん当のRealも2次リーグに残っているわけで、先週Leedsに勝利した。そして次はベルギーのAnderlechtと対戦。もちろん彼らにはスペインのリーグ戦もあるわけで、ものすごい試合数。しかし新聞には"la Coupe Intercontinentale"と書かれているだけで、"TOYOTA Cup"の名前はどこにもない。新聞には"le Boca Juniors"のことを「le club préféré de Diego Maradona (à qui les autorités japonaises ont refusé le visa en raison de son passif judiciaire)」と書いてあった。そしてRealのプレーヤーが日本に着いたときの状況。「Au pays du Soleil-Levant, les stars du foot européen sont élevées au rang de demi-dieux...」。なんかこの書き方すっごく馬鹿にされとるみたいで気持ちよくないね。神様はMaradonaだけ。
もう一つサッカー関連の気になったこと。全オランダ代表監督のヒディンク(Guus Hiddink)が韓国代表の監督になるって……。本当?それもまだサインをしてないけど、12月20日の日本代表との日韓戦には監督として指揮を執ることになるだろうって書いてあるけど。本当?
          

  
  
11月29日(水)           
"Play Station 2"が大きな問題になっている。一台21000FBもするのに(5万円くらいで、これはベルギーの物価からしたら信じられないくらいの金額)、飛ぶように売れてすべて売り切れて、予約者リストにはたくさんの人が名を連ねている。あまりにも需要に対する供給台数が少ないので(le demande dépasse l'offre)、買えなかった人の中には「Sony n'a pas limité volontairement les livraisons afin de faire parler de son joujou dans les médias. (ソニーはメディアに騒いでもらうために、意図的に出荷台数を制限している)」とSonyに抗議をしに来る人が後をたたないらしい。それに対してソニー側では「そんなわけないっしょ。このサン=ニコラやクリスマスを控えた一年で一番のかき入れ時(moment le plus rentable)に……」と反論。そりゃそうだ、けど、日本の会社ならそれくらいやってもおかしくない。そしてこう品薄になると当然出てくるのがダフ屋みたいなことをする奴ら。しかしこれも大きな組織が裏で暗躍しているわけでもなく、運良く買うことのできた子供たちがお小遣い欲しさにネット上で売る個人的なもの。けど、50000FB(12万円!)で売れたというのが例外としてあるだけで、相場は大体26000FBぐらいで、5000FBぐらいの儲けにしかならない。さらにはソニー側が12月の初旬に2回目の供給を発表しているので、買えなかった人もわりと冷静にそれを待っているらしく、ネット上でも買い手がつかないケースが多々あるらしい。これでは日本から送ってもらって売るっていう商売が成り立たんね。ベルギー人はみんな「日本から送ってもらってこっちで売れって。ごっついおいしい商売やで」って進めるけど、あまりおいしくない。そもそもプレステを何個も送ってもらうことが可能かどうか分からんし、日本のプレステがこっちで使えるかどうかも分からん(これにはベルギー人の意見が真っ二つに分かれる)。けど、日本で今プレステなんぼ?4万位やんね?
新聞から。最近新聞ラジオで「Japon,Japonais」の文字をよく見かける/聞く。今一番の話題はワロンの偉いさんが日本を訪れているって話。これは落ちきった、低迷するワロン経済をどうにかするために日本企業をワロン地方に誘致する目的。それでLiègeちかくのBiersetという所に"Kintetu World Express"という会社(これは近鉄の会社?日本では超一流企業って書いてあるけど、どこ?)を誘致することが出来ましたよいう新聞半面を使った嬉しい報告。そしてさらにはそれに関連して"Panasonic"の誘致にも成功したと。2001年の7月からはそこで80人もの(?)採用予定あるとか。もう日本企業ありがとう、と言う歓迎ムード。新聞には「Si le développement de la Wallonie doit passer par l'Extrême-Orient, commonçons dès présent à réviser notre japonais... "Arigato" veut dire "Merci" et "Conichiwa", "Bonjour" !」と。「コニチワ (Conichiwa)」って言っているところがいまいち信用おけんのやね、ワロン。まぁ立地条件だけはいいから、なんといってもヨーロッパの中心やから。「Les Japonais demandent toujours beacoup en contrepartie.」と。
もう一つ日本に関したことを。本当に日本関連の話が多い。AnderlechtのキャプテンLorenzo StalensがJ2の大分トリニータにレンタルされることがどうやら決まったらしい。正式な契約はチャンピオンズリーグのReal戦が終わってからということだけど、もう決まったも同然、「impossible de dire Non!」ということらしい。というのも大分が9ヵ月間のレンタルにさいして提示した金額が30 millions FB(!)、日本円にして7200万円。本人も「金のために行く(pour l'argent)」と公言しているように、こんな好条件に断る理由なんて何一つないということ。新聞には"mercenaire"という文字が踊っている。なんか完全に「これだけ莫大な金額を提示してくれるんやからそりゃ当然“サッカー後進国”の何も知らない国=日本に行くやろ」っていうような論調。ちょっと待てやと!イタリアやスペインにこう言われるんやったらまぁ悔しいけど多少は納得しよう。けど、ベルギーに言われたくないね。ベルギーと日本の代表の試合をやったら勝つと思うし。けどお蔭で僕もよう知らん大分トリニータのチームのこととか大分の街が新聞に紹介されていた。まぁそれにしても日本関連の話題の多い今日この頃。
今日も昨日程じゃないにしてもかなり気温が上がった。いつもより一枚服が少なくても十分、それでもちょっと気合を入れて歩いていると汗をかく。うん、もう春がきたかな?実際春の匂いがした。僕は春の匂いが好きじゃない。とってももの悲しくなる。
          

  
  
11月30日(木)           
はぁー、とうとう携帯を買っちゃいました。実は昨日買いに行ったんやけど、「あぁ!忘れてた。明日にはどうにかするから」って言われた。先週は水曜日には用意できるからって言っていたのに……。とりあえず、携帯(GSM)、データー通信カード(carte réseax)、ケーブルの3点で、契約10000FB。2万5千円くらい、うーん、高い。とりあえず、家に着いて今まで人が携帯を使っていたのを見てきたのを参考に試行錯誤。SIMカードっちゅうやつを携帯の内部に入れて、それから"orange"ちゅう携帯会社に電話していろいろ番号とか住所とかを伝える。これが一番緊張した。やっぱり電話嫌い。すっごい汗かいた。いつものように相手のおっちゃんはやる気なし、客に対する感謝の気持ちなし。20分後にある番号に電話して自分のカード番号を入力(これらは後から書く、かも)するともう使える。で、ソフトをインストールして完了。試しにメールを送ってみると意外なほどすんなりといく。はぁー簡単簡単。じゃ、HP更新しよう。けど、遅い……。痛々しいほど遅い……。メールチェックがやっとでネットで遊ぶことは不可能。まぁいいか。
今日もぽかぽか、春の匂い。真剣に冬が終わった?まだ11月やでー。けどベルギー人に「今年は例外?」って聞くと「今年はおかしい」って人と、「これがベルギー」って言う人に真っ二つに分かれる。そろそろ桜が咲いてほしいとは思っているけど。