11月1日(水)           
今日はToussaintの祝日。けど、そうは言っても日本人にはぴんと来ないと思う(もちろんカトリックの信者の人達も日本にいる訳だから分かる人には当然分かるんやろうけど)、僕もそう。一体何の日かいな?辞書によると「万聖節」とか「諸聖人の祝日」とか、これでもいまいち分からない。まぁ一杯いる聖人達を祝う日……なんだろうけど、うーん、10月に出雲に日本の八百万の神様たちが集まるみたいなもんかな……、多分違うやろうけど……。まぁとりあえず休日。そこでTousssaintの言葉の話。「諸聖人の祝日」と聞いたらなんとなく想像つくと思うけど、Toussaintは"la fête de tous les Saints"の省略語(ellipse)。文字通り「全ての聖人を祭る祝日」という感じ。古い形では"la feste Toz Sainz"。それが1180年ごろに"Toussains"になって、さらに17紀後半に現在の形の"Toussaint"になった。ここで注意しなければならないのは、常に大文字のTを取るということ。そしてla fêteが省略されているわけだから、女性単数形の定冠詞を必ず従えるということ、つまり必ずla Tousssaintとなる。これは文中にある時も同じで、Pour la Toussaint, j'ai deux jours de congé.となるわけ。これは実際の話で、今日と明日は学校が休み、高校生までは今週全部休みなのに……。まぁ、外国人のためのフランス語の授業は今週一杯休みなんだけど、大学は月、火は学校があったし、金曜日もさりげなくある。
今日はちょっと旅立とうと考えていたんだけど、起きたら13時だったため出発は中止。いかんせん昨日っていうか今日6時に寝たのが悪かった。どうも生活のリズムが夜型から抜け切れない。もがいている。しかし出発を中止してよかった。ものすごい豪雨と暴風。嵐。そういえば一昨日の嵐もかなり凄かったらしく、イギリスでは3人死んだらしいし、eurosterも運転中止、もちろん空の便も大荒れだったらしい。ベルギーではダイヤが乱れるくらいでそんなにひどくなかったらしいけど、それでもSpaでは瞬間最大風速120km(日本と違ってこっちでは風速が時速で書かれていて分かり難い、従ってしこしこ計算すると、瞬間最大風速33メートルってところ)だったらしい。しかし今日は恐らくそれ以上。そんな嵐の中、僕は食べ物と煙草を買うために、祝日でシンとしたMonsの街をさまよった。しっかし、あまりにも雨と風がひどいので煙草は断念。はぁー、今日は煙草なしで過ごした。今日は早く寝たいけど……。
PATRICKについて情報が手に入ったので書きます。PATRICKは間違いなくフランスの会社なん(だったん)だけど、去年か一昨年に日本の会社が権利を全て買い取ったらしい。ということでフランスでは一部のサッカーチームを特例としてあとは販売することが出来ないらしい。ちゅうことはPATRICKは日本でしか手にはいらないのかな?そうだとしたらPATRICKはやっぱり日本の会社やん、ヨネックスみたいに……。けど一体どんな契約があったんやろう。謎?
          

  
  
11月2日(木)           
昨日のToussanitに続いて今日は"la fête des Trépassés (défunts)"で祝日。またまた辞書を調べてみると、「万霊節」とか「死者の記念日」とか。けどこれは昨日の聖人達に比べて話は簡単(だと思う)、みんな花を持ってお墓参りに行くらしいから、日本で言うお盆!間違いない。最近ずっと店に墓参り用の花が沢山並べられていたし。お盆、お盆。Halloween → la Toussaint → la Trépassésと3連発。
ちょっと天気が怪しいけど小(こ)旅行に出ることにする。とりあえずはっきりした予定はなしに、ランボーの生まれ故郷の街を見ることが出来ればこの旅は大満足ということで。どうやってフランスへ入ろうか迷ったんだけど、何週間か前の新聞に「Mons-Valenciennes間の鉄道電化開通の声高まる」という記事があったのを思い出して、そのコースで国境越えをすることに決定。先ずはベルギー国境の街"Quiévrain"まで向う。電車で30分ほど。料金にして100BF(約230円)。ちなみに説明しておくと、このQuiévrainから先は電車が走っていなくて、Mons-Valenciennes間はたった35Km(Quiévrainからなら19km)しかないのに、電車で行くことが出来ずに車をもってない人は僕が今たどろうとしているルートを使って国境を超えているらしい。Monsで電車を待っている間に雨がぽつぽつと落ちてきた。やばいね。でやって来た電車は10両くらいの長い編成。おーい、どこ行くねんと思っているとなんのことはない、途中の駅で切り離すわけ。Quiévrainまで向うのは3両になってしまった(これでも乗客の数を考えれば多すぎくらい)。僕の読みは外れて電車の端から端まで雨の中ホームを全力疾走することに……。
Quiévrainに着いてみるとひどい雨。そして駅前には見事なほど何もない……。新聞でValenciennes行きのバスが出るバス停まで20分ほど歩かなあかんということを知っていたので、近くにいたおっさんにバス停の位置を聞く。わざわざ少しついてきてくれて教えてくれたのにはとっても感謝したけど、一々「電車は走ってなんだよ」って言うのにはうんざり。知っとるっちゅーねん。だからバス停の場所を聞いているんでしょ。その後思いっきり迷って、人に聞きまくり、かなりの雨の中をぼろぼろになりながら歩き続ける。そうこうしている内に『France 450m』って看板が……。あぁー分かった。バスで国境を超えるんじゃなくて、バスはフランスに入った所から出ているわけか。まぁそっちの方が感動的だけどね、歩いて国境を超えれるわけだから。一応今は形骸化(というか必要ないのか)している検問所を超えいよいよフランス突入。
30分に1本でているValenciennesの中心に行くバスに乗る。料金は8FF。フランスフランのことは全く忘れていたので、一瞬あせったが50FFを持っていたので事無きをえる。危ない所だった。さて、このコースで国境を超えての感想。車なら30分足らずでつく距離なのに、電車、徒歩、バスを乗り継いで行くと1時間半くらいかかる。乗り継ぎが悪ければ2時間くらいかかるかもしれない。たった35kmしか進んでないのにかなり疲れた。けどかなり面白かった。観光にはこの上なく刺激的で楽しいけど、ここに住んでいる人達にとっては納得いかない35kmなんだろうな。

終着駅 国境
ベルギーの端 国境

Valenciennesの駅に着いて次の行動を考える。困ったことに今日中にランボーの故郷に辿り着くことが出来ないことが発覚。全くフランス中のはどこでもParis中心だね。横の接続が悪すぎる。まったく嫌になる。仕方ない、ちょっとでも近付くためとりあえずReimsまで行くことにする。新しい試みとして"la carte 12-25"を作る。170FF払ってこのカードを作ると、今までdécouverte(フランス国鉄SNCFの割引制度で、乗客が少ない時間帯(période bleu)に出発する時には25歳以下だと何も無くても25%引きになる)で25%引きだったところが50%引きになる。そして割引がきかなかった時間帯(période blanche)でも25%引きになるスグレモノ、しかも有効期間が1年間ということだから作っといて損は無いでしょう。窓口が2つしか開いてなくて、人がいっぱい並んでいる。しかも片方は後30分で閉まる。カード作るのには多分結構時間がかかると思うけど、彼らは待たせるのも待つのも平気な人たちなので、こっちも気を使う必要ナシ!たっぷり30分ならんで、たっぷり20分かけてカードを作り……、切符を買う。
さて、Reimsまでの行き方だけど、これがまた渋い。Thomas Cookにも載っていない今年の10月1日から運行を開始した新しい路線を使う(Hirson-Laon)。しかし、さすがはフランスの鉄道、接続が悪い。なかなかうまく行かないものでHirsonという本当に何にもない街で、2時間を潰さなあかんはめに。ちなみに大雨。強引に街の中を歩いていたけど、さすがに雨が烈しくもう絶えられなくなり、駅前のしがないcaféに。おばあちゃんが1人でやっているcafé。お腹が少しへっていたのでcroque-monsieurとfrites、そしてbièreを頼む(53FF=約750円)。食ったものも飲んだビールもまるでベルギーにいるかというくらい日常的なもの、全くフランスなんて感じさせない。さらには、おばあちゃんがfritesを作るときにかなり危なかしくって、たまに呼吸が乱れたりして、あーあ、頼まなければ良かったなと後悔した。
HirsonからLaonまでの電車は3両編成のこぎれいな電車。ただ、出発した時は僕しか乗っていなかった……。そしてLaonまでの1時間の行程で、人が2人乗ってきて、Laonで僕を含めて3人が降りた……。大丈夫なんかいなこの路線?ちなみにLaonは何て読むんやろ。「ラオ」って読みたいんやけど、何度アナウンスを聞いても「ロ」としか聞こえない。"a"は読まないんかな?それとも"aon"で「オ」の鼻母音なんかな?
Reimsについた時はもう真っ暗。さっそくhôtel探しを始める。Reimsの街は安いhôtelが沢山あった。時期が時期だけに部屋も選び放題。結局決めたのは125FFのトイレ共同、シャワーなしの部屋。共同シャワーが無いよと言われたけど、そんなもの必要全く無いっす。125FFというと2000円足らず。これは安い。部屋もこぎれいで十分。さらにTVもついていたし。夜飯は近くのピザ屋に入る。ピザ屋といっても安物のそんじょそこらのピザ屋とは一味違う、いきなり店に入ると"火"がある。高級レストランの身構え。で、1人で入っていった僕はかなり浮いてしまって、ちょっと寂しくピザを食べワインを飲んでそそくさと店を後にする。ピザなのに110FF。hôtelが125FFなのに……、おーい。

Vallenciennes Hirson Reims
Vallenciennes
Monsからたった35kmなのに。
Hirson
伝わらないけど、ごっつい大雨。
Reims
はてこれは何の建物?

          

  
  
11月3日(金)           
気合を入れて朝8時には起きて、8時15分には駅に。いよいよ今日Arthur Rimbaudの故郷、Charleville Mézièresへ。この時間に旅立って、昼過ぎにはReimsに戻って来ておかないことにはこれでけで今日が終わってしまうんで、気合を入れて早起きしたわけ。雨は降っていない。けど寒い。
Charleville Mézièresは小1時間。とっても素敵な町。街の中心(らしき)の方へ向って歩いて行って、黄色いGrand-Place(Pl. Ducale)に辿り着いた時はちょっと感動した。いやいや何とも素敵な趣。ついでにOffice de tourismeがあったので地図を貰う。そこのおばちゃんがまたとっても愛想のいい人で、日本から着たんだよ(最初、韓国人といわれた……)と言うと、「日本人はランボーに熱心だね」とかいって一杯パンフレットをくれて、そして奥から紙袋を持ってきてくれてそれもくれた。Musée Rimbaudもとっても素敵だった。素晴らしいMuséeだ。この美術館はムーズ川(la Meuse)にかかっている旧水車場を利用したもの。ムーズ川を見ながら、この川はベルギーのNamurまで続いているんだー、そしてMaastrichtまで繋がって、さらにはRotterdamまで、と考えると何か不思議な気持ちになった。その後、Rimbaudの生家や、幼い頃住んだ家、さらにはRimbaudの眠るお墓まで訪ねて、まさにRimbaud三昧。Rimbaudマニアみたい。本当はRimbaudをほとんど読んだことがないのに……。Musée Rimbaudでは日本語のパンフレット(というか紙)が用意されていた。それだけここを訪ねる日本人が多いということか。その日本語のパンフレットを読んで色々と想像した。多分これはどこかのRimbaud研究家が訳したものだと思う。彼は恐らく何度かここに足を運んでいる内に頼まれてこれを訳したんだと思う。フランス語版と比べるとちょっと年代が違っていたり、かなり危うい部分もある(もちろん昔のフランス語版に促しているんだろうけど)。これは全くの想像だから違うかもしれないし、あっているかもしれない。けど、色々想像して楽しんだ。

Place Ducale Le vieux Moulin Marionette
Place Ducale
黄色いGrand-Place。
Le vieux Moulin
Musée Rimbaud。
ちゃっちい仕掛け時計。

Arthur Rimbaudはベルギーとの国境に近いフランスの片田舎に生まれる。幼少時代から学校における全ての賞を総なめにする程を頭脳を見せる。そして18歳でParisの文壇に衝撃的なデビュー。20歳で詩を捨てる。その後各地を放浪し、37歳でその生涯を閉じる。一方僕、ロシアとの国境に近い日本の片田舎に生まれる。幼少時代から神童と自分で言い続ける。そして18歳東京に競馬を見に行く。20歳で学校を捨てる。その後確固たる道を見つけることないまま人生を放浪し、37歳で生涯を閉じるかもしれない……。この見事な一致……。この見事な共通点……。はぁ……、くだらなすぎる。彼は早熟、僕は晩成、その違いかな。まぁ、そんなことは別としても、Charleville Mézièresは素晴らしい街でした!以上。

Cathédrale Notre-Dame Cathédrale Notre-Dame2 Chapele Foujita
Cathédrale Notre-Dame。 シャガール作のステンドグラス。 Chapele Foujita −休業中−。

Reimsは何と言ってもCathédrale Notre-Dameにつきた。ちょっと教会というものに食傷気味なんだけど、ここはやっぱりちょっとだけ感動してあげた。なんといってもフランス国王の載冠式を見守ってきた教会だからね。教会の中にあるシャガール作(デッサンの)のステンドグラスは本当に素晴らしかった。教会のぴーんとした空気と、鮮やかな青、そして光が何とも言えない気持ちよさを与えてくれた。よかった。けどこれ程の文化財をもつ街ってのは一体どういう気持ちなんやろ。確かにこうして外国からも沢山の観光客が来てくれるけど、ずっと、この教会を修復し続けていかなければならないわけやろ。本当に地球が終わる日まで、途中であぁーもういいやって訳には絶対いかんわけやから。ちょっと重荷なんちゃうかな?重い十字架を背負わされたって思っている住人が絶対いると思うんやけどなぁ。どうよ京都市?
藤田嗣治のchapelleは冬季休業中だった……。むっちゃ長い距離をてくてく歩いて行ったのに……。残念。
ちょっと遅くなるけど、今日中にNancyまで向うことにする。電車で2時間ちょい。ちょっとの距離だと思っていたけど、フランスってやっぱり広い。Nancy着いた時にはもちろん日はとっくに暮れた後、hôtel探しが難航する。なかなか安いhôtelが見つからない。というかhôtel自体が少ないような気がする。急がなあかんねやけど、疲れと腹減りで歩くことが出来なくなり、途中kebab屋で小休憩。昨日も思ったんやけど、フランスのfritesはどうも上手くない。特にここのfritesは最悪。不味い。やっぱりベルギーの方が上手い。そして不思議なことにオランダで食べたfritesが一番気に入っている。結局寒いし雨も降っているしで2コ★のhôtelで大妥協。トイレなし、シャワー付きで195FF。190FFの部屋もあったけど、そこはTVなし。いいよ5フランならTVあった方がいい。そしてこの5フランをケチらなかったおかげで、僕は一瞬だけ狂喜することに。部屋に入ってTVを付けるとなんと『Monaco-Lyon』の試合中継が。「おぉー、ここCANAL+はいっているんかー、さすが2コ★だな」と狂喜乱舞。「おおっ、Simoneも出るね」と感動。彼とは数年前(彼がまだMilanにいる頃)に会ったことがある。といっても、それは日本で、心斎橋のパルコでサイン会に行っただけだけど……。でインタビューなんかな終わって、選手がピッチに出てきて、ホイッスルという瞬間、スクランブル放送に……。そやろうね……、2コ★やもんね……。一瞬でも盛り上がった僕が間違っていたわけやね……。まぁいいhôtelだった。Mousieurともいっぱいフランス語でコミュニケーションが出来たし……。
一つ気になったことが、ホテルの部屋にはWC付きって表示が出ているのに、トイレは付いていなかった。前もそういうことがあったので、もしかしたらWCって洗面所のことなんかな。以後調査す。
          

  
  
11月4日(土)           
今日はNancy観光。あんまり好きな町ではなかった。人が結構冷たかったし……。Place Stanislasなんてピカピカしていてあまり気持ちのいいものじゃない。なんでここが「世界遺産」なんやろと真剣に思った。ピカピカ貴族趣味。で、それでart nouveauはと長いこと歩いてMusée de l'Ecole de Nancyへ行ったけど、ここもさしたる感動を与えてくれるわけでもなかった。駅に帰る途中でバスと乗用車の事故を間近で目撃したことがより衝撃的だった……。ただMusée de l'Ecole de Nancyにも日本語で「要注意:足元が大変滑ります」という看板があった。ここにも日本人がよく来るということか。
fnacに行った。何故かと言うと、来週の土曜日にParisで行われる『France - Nouvelle Zélande』のラグビーの試合のチケットを取りに。いくらテストマッチといってもAll Blacksが見れるなら見ておきたい。フランスも前回のワールドカップ準優勝国だし。ちなみに今日パリで『France - Australie』の試合がある。これはワールドカップの決勝と同じカード。けど、fnacでチケットを買うことは出来なかった。何かお姉さんの説明によると、ラグビーの試合は席を予約してチケットは家に直接郵送されるシステムらしい。そしてそれには2週間くらいかかるから、今からでは遅いということ。じゃあ当日スタジアムに行ったらチケット買える?と聞くと、「Peut-être.」と。あぁー、来週チケットなしでParisに乗り込もうかな。けど不安やな、当日券なんてあるんかな。まぁとりあえず今日の試合でどれくらい観客が入ったか明日確認しよう。

Place Stanislas Jeanne d'Arc
「世界遺産」らしいが……。 彼女が一番印象に残ったけど……。
ちなみにJeanne d'Arc。 Pourquoi?

なんか猛烈に帰りたくなってきたので帰ることにする。帰りはLuxembourg経由のコース。とりあえず、Metzまで行く。またまたなんだけど、Metzって何て読むんやろ。ずっと「メッツ」って読んでいたけど、どうもアナウンスによると「メス」と聞こえる。地名はなかなか難しい。Metzでは2時間くらい待ち時間あったので、街中をうろうろする。この街はなかなかいい。駅からして頑丈そうで素晴らしいし、郵便局も「うわぁ、ごっつい働きにくいんやろうな」って言うぐらいしっかりとした重厚な建物。町全体もずんとしていてよい。駅前は結構何も無くて小さい町かなと思っていたら、centreはなかなか賑わっていた。観光客もたくさんいた。
MetzからEC90という国際電車に乗る。この電車は朝の8:10にMilanoを出発している電車で、Metzには16:03に着いて、Bruxellesに19:45に着く。イタリア、スイス、フランス、ルクセンブルグ、ベルギーと11時間30分かけて走っているものすごい電車。こう考えるとやっぱりヨーロッパは鉄道サイズ。12時間もあればMilanoまで行けるわけだから。是非イタリアに行く際は使ってみたいもの。Namurで乗り換えようと思ったけど、Bruxelles経由で帰ったほうが10分ほど早くつくようなので、そうすることにする。Monsには20:44着。今日はかなりの長旅。こう考えるとフランスまでは結構遠いんやよね……。

Cathédrale Saint-Etienne Cathédrale Saint-Etienne
聖Etienneはキリスト教最初の殉教者らしい。

今日は1つ大失敗。何のためにわざわざNancyまで行ったか。Platiniがデビューしたチームを、スタジアムを訪ねるためだったのに。なんか急激に帰りたくなってその事も忘れて帰ってしまった。電車の中で新聞を読んでいて思い出したけど……、すごく愚かなミスをしてしまった。Platiniを訪ねる旅が……。ついでに言えば今日Nancy(今ではDivision2ではあるけれども)の試合があったのに……。また必ず行く。
          

  
  
11月5日(日)           
Bon anniversaire! 俺。アニバーサリーとかあんまり好きじゃなんだけど、さすがに遠い異国で1人で誕生日を迎えるのは何とも言えない寂寥感がある。もう本当にいい歳になってきました。もういい加減社会に出て税金を払わないといけないのかなーという歳になってきています。うーん、非国民。とりあえず、happy birthday to me! 寒い……。
誕生日を祝して、コインランドリーに行く。誕生日を祝して、bièreを飲む。誕生日を祝して、pitaを食べる。誕生日を祝して、爪を切る。誕生日を祝して、いつも通りの生活を送る。
日曜日って新聞が休みなんかな?トルコかどこかで起きた日本人観光客拉致事件について新聞を読みたくて、さらには昨日のラグビーの試合結果を知りたくて、新聞を探し求めるけど、press(新聞や雑誌、煙草を売っているキオスクみたいな所)が全部閉まっている。駅のキオスクならと駅までわざわざ足を運ぶけど、閉まっている。新聞日曜日休刊か?どうなったか知りたいのに。
          

  
  
11月6日(月)           
昨日の夜ふと思いたって、先月どれだけ煙草を買ったか数えてみた。一応こっちに来てから『おこずかい帳』をつけているわけで(これをつけてないと本当に知らんうちにお金を使ってしまう癖があって、後で何故と思ってしまう。特に僕の場合形に残らないものばかりなので)、1個1個数えていった。その数計52個。はい僕は10月に52個の煙草を買いました。1日一箱半以上やん。日本にいる時より増えとる。まじで……。で、Marlboroのロング一箱126BF。ちゅうことは先月煙草に6552BF費やしことになる。日本円に換算してみると、1万5700円くらい。まじで……。ちなみに1ヶ月の寮の家賃が6500BF。まじで……。ベルギーに10ヶ月滞在するとして、15万7000円くらい。まじで……。税金の率がどれほどか分からんけど、煙草の税金は高いでって言われている日本より高いわけやから結構なものになると思う。この国にそんなに税金を払らわなあかん義務はない。免税にしてくれんかな、後で……。16万近くあったら、ちょっと贅沢でちょっと小粋な旅が出来る。あぁー、煙草止めたい。その昔、僕に始めて煙草を勧めた彼を恨むね。ベルギーフランが1F=1.5円くらいになったらいいのに……。止めてー。
今日は久しぶりの授業とともに8時間フランス後を話し続けた。やっぱりこれは身体によくないしんどい。日本でもこれだけ授業とかあったらしんどくなんで。先週授業なかったのに、何故かフランス語より喋れるようになっている。明らかに先々週よりもフランス語が口を付いて出てくる。ちゅうことはやねー、授業なんかでんと旅行をしとるだけでフランス語が喋れるようになるっちゅうことかいな?ヨーロッパの空気を吸う取るだけでフランス語が喋れるようになる論を発表しよう。けどこれが本当やったら一目散に授業なんかやめて、放浪しつづけるのに……。さて次はどこに行こう。
先週の土曜日はベルギーではカップ戦が行われたらしい。カップ戦というと日本の天皇杯のような国内の全てのチームが参加して頂点を目指すトーナメント。最初は下のリーグのチーム同志で試合して、段々上のリーグのチームが出てくる。そして今回から一部のチームが出てきた。わがチームMonsは前にも書いたように一部のLokerenというチームと対戦、先取点を取りながらも逆転され負け。残念、無念。どうせ負けるならAnderlechtとかStandardとか名のあるチームに負けとほしかった……。カップ戦らしく1部のチームが2部のチームに負けたり番狂わせがあった。ベスト16の中に1部11チーム、2部4チーム、3部は全滅、そしてPromotionという日本で言ったら地域リーグのチームが一チーム残っている。しかし何といってもベルギー中の話題をかっさらったのが、La Louvièreというチーム。一応1部のチームなんだけど下から2番目か3番目の位置にいるチーム。そのチームが何とFC Brugeに勝った。FC Brugeは前にも書いたけどリーグ戦(Championat)で11戦してまだ無敗の全勝チーム。"invicible"なチーム。新聞には一面に「La Louvière a mis fin à l'invicibilité : FC Bruge.」と大きな文字が踊っていた。快挙。日本で言ったらサンガがアントラーズに勝ったようなもの。いやいやそれ以上、サンガがアントラーズに勝つ可能性はかなりある……。Louvièreの町はEnzo Scifoが生まれた町(イタリア移民の多い町)。そしてLa LouvièreはScifoがプロデビューしたチーム。さぞかしScifoも大喜びかと思ったけど、新聞には何も書いてない。どうもScifoとLa Louvièreの会長との間には確執があるらしい。ちなみにBrugeは日本人観光客がむっちゃ訪れる街。どうもあの街が日本人には綺麗と映るらしい。
          

  
  
11月7日(火)           
雨。雨。雨。雨。雨。雨。l'Equipeを購入する。l'Equipeはベルギーでも売られているけど、おっちゃんに聞いた話によると1日遅れになるらしい。ただ、それがその店が1日遅れになるのか、契約か何かでベルギー全土で1日遅れになるのかは不明。しかも1日遅れるのに、何のつもりか高くなっている。フランスで買うと6FFで90円くらい。しかし、ベルギーで買うと52FBで、130円近く。納得いかん。ちなみにベルギーの新聞は30FBでl'Equipeの半額くらい。とりあえず今日、昨日(11月6日(月))のl'Equipeが帰るわけだ。で、ラグビーの結果。結果は昨日Dominiqueさんに聞いて知っていたんだけど、13−18でAustralieの勝ち。Franceが負けた。新聞の内容はというとわりと好意的に書いている、ただ「Entre regrets et espoirs (後悔と希望)」とか「Si près et si loin à la fois (もう少しで手が届きそうで届かない)」とか、やっぱりAustralieは強いねと。しかし、一番知りたかった入場者数が書いてない。ただ、多くの観客の見守る中で、とか書いてあるのでやっぱり満席だったんかな。やっぱり土曜日もチケット取れんのかな。分からない。どうしようか、行くべきか、行かぬべきが……。
Presseで本を物色していたら、『日本改造車』という本を発見。中を見てみると、日本の改造車が延々と紹介されている。はっきり言ってこの本は一体誰のためのものか。一応フランス語で書いてあったから(所々に日本語もあったけど)、恐らくはベルギー人向けのものなんでしょう。しかし……、日本がどうもまた勘違いされていくような気がしてならない……。こうやって誤解は生まれていく……、多分。
それはそうと、毎号かっている『フランス代表の本』を購入。サービス期間が終わって、段々高くなっていって今週はとうとう380BF(約950円)まで。今号はPETITANELKAのフィギュア2体をゲット。しかし今号は「ためになるサッカー用語」のコーナーがなかった。もう終わったかな?
今日は何故か2回も部屋間違えの人が僕の部屋を訪ねてきた。夕方と夜と、ドアをトントンってされて、誰やねんって思いながらドアを開けると知らん人が……。2人ともすっごく申し訳なさそうに謝る。そんなにむかついた顔してたんかな、俺?その後にこやかに「Ça ne fait rien !」って言って、にこやかに分かれたんやけど。2人目の女の人は何か食べ物をもっていて、「食べる?」って聞かれたけど、反射的に「Non, merci.」と答えてしまった。あらららら。けど、こんなに人が動いているって、今日なんかあんのかな?知らんぞ何も、俺。

la ville de Mons たまにはMonsの街でもどうぞ ……
− Mons駅前の夜 −
          

  
  
11月8日(水)           
雨。雨。雨。雨。雨。雨。今日水曜日は1週間の内で唯一午前中がフリーな日。従って、12時まで絶対に寝たろうと強い決意で眠りについたわけだけど、9時前に手紙を届けてくれるおばちゃんにドアをとんとんされて、果てしなく悲しい目覚め。こっそりドアの隙間にいれといれくれればいいのに……。それにこんな早い時間に……。ふぅー。昨日も3時過ぎに寝たのに……、けど良く考えると6時間は寝てるわけか……。1度目が覚めてしまうと、もう再び眠りにつくことができないので、仕方なく前回フランスで買って来た"Le Canard enchaîné"を読む。この新聞は週に1度水曜日に発行される新聞(journal hebdomadaire)で、紙面に堂々と「Journal satirique」とかいてあるほど皮肉りまくってある新聞。そして高い(8ページしかないのに8FF……)。旅行中に電車の中で読もうとしたけど、一面から何を言っているのか分からなくて断念していた。そこで今回は"avec dictionnaire"。しかしどこが強烈な皮肉になっているのかいまいち分からずじまい……、ただSNCF(Société Nationale des Chemins de fer Français :フランス国有鉄道)が外国の鉄道を買いまくっているってのは情報としては面白かった。後はChiracの事とか……、よく分からん。あーぁ、いい加減止めた方がいいよ、僕を。このまま勉強し続けたら、マジで賢くなってしまうよ。さぁ、毎日飲みにでも誘って僕を勉強させんようにしな、本当にヤバイほど賢くなっちまうよ。
トイレットペーパー(papier de cabinets)を買う。12個パックのごっついやつなんだけど、これで3回目。そんなにむちゃむちゃウンコしているわけじゃないんやけどなー……、なんかカッコ悪い。
今日はチャンピオンズリーグの予選最終節。わがAnderlechtはPSVとアウェーで対戦。Anderlehtは引き分けか勝ちで決勝トーナメント進出(Qualifié)決定。しかし負けれ予選敗退(éliminé)の大一番。見なければ。かといって真面目な学生である僕は授業を休んでオランダまで試合を見に行くことは出来ない、って言うか怖い(実際に乱闘が起こっていた)。絶対日本人の僕が1人で試合見に行っていたらシバカレル。で、例によってTayasuさん家でテレビ観戦。試合はまさに劇的、感動の坩堝。まず前半早い時間にAnderlechtがコーナーから運良く先取点。そしてまたまた相手のミスから追加点。2-0、この時点で決まったなと思ったが、さすがはベルギー(?)、一筋縄ではいかない。前半ロスタイムに1点かえされて、後半開始間際に同点に!同点に追付かれてからはPSVの一方的な展開。もうAnderlechtには追加点を入れ突き放す力は残っていない。攻められ続け、ポストに助けられながら、なんとか踏ん張るじりじりとした時間が過ぎる。ハラハラドキドキの連続、まるで過去の日本代表の試合を見ているかのよう(今では違うでしょう!アジアカップは安心して見ていられた筈)。ロスタイムは3分。ここで事件が起こる。終了直前に入った黒人の選手Youlaが相手のボールをかっさらってキーパーと1体1になりかけたその瞬間、相手選手に掴まれて転倒。もちろんレッドカード退場。さらに終了30秒前にはまたしてもYoulaがキーパーと1体1となって(しかし明らかにオフサイド)、冷静にゴールにボールを流し込む。3−2。この時点で予選突破決定。終了10分前にAnderlechtがトップの選手を交代させた時には(そのYoulaの投入)、何でやねんと思ったけど、結果はズバリ。素晴らしい采配。ベルギーにとっては数10年ぶりの決勝トーナメント進出。おめでとう!優勝すればクラブヨーロッパチャンピオン。"TOYOTA Cup"で日本で再会出来るわけだ。もちろん日本でまだ"TOYOTA Cup"が開催されるならばの話しだけど……。
          

  
  
11月9日(木)           
雨。雨。雨。雨。雨。雨。今日は10時15分から授業開始。よって9時半までは寝ていようと強い決意で眠りについたわけだけど、9時前にプリントを配っているおばちゃんにドアをとんとんされて、果てしなく悲しい目覚め。こっそりドアの隙間にいれといれくれればいいのに……。全く昨日と同じ状況だけど、今日はたった1枚のプリント。10月31日の20h30に火災報知機の非常ベルが鳴り続いていたんだけど、その時僕は「あぁー、またベルギーのmal organiséっぷりね」と思っていたんだけど、どうもそれは悪戯だったらしい。そして「もうそんなことやめっちゅうねん」っていう内容のプリント。プリントによると10月30日と11月6日にも非常ベルを悪戯で押した奴がいるらしい。しかも3階の踊り場(僕は4階)にある非常ベルが壊されていたらしいbris injustifié de la glace du boîtier "coup de poing"。僕から一言。おいおい下らないことすんなよ。ガラス割ったり、非常ベル押して喜ぶのは中学生のやることやん!けど、ちょっとそのプリントが面白いのでちょっと載せとく(著作権とか大丈夫やよな?)。

Il est grand temps de vous calmer !!   

     Toute personne sensée refusera de considérer ces faits comme des plaisanteries, même si elle sont de mauvais goût, mais reconnîtra qu'il s'agit d'actes scandaleux.

     J'ose espérer que celui qui les a commis n'est pas locataire de la cité !!

     Cependant, un de vous est au moins responsable d'avoir laissé entrer dans le bâtiment une personne dont le comportement est dangereux.

     Je vous suggère d'en discuter ensemble afin que chacun prenne conscience des problèmes de sécurité qui pourraient survenir à cause d'un manque de précautions ainsi que de sa responsabilité à l'égard des autres locataires tant au point de vue de leur intégrité physique que celle de leurs biens, sans oublier la responsabilité relative à la préservation des lieux.

これ面白い。ちょっと一回話し合おうぜって言っているところがいかにもベルギーらしいけど……。寮の規約にあったけど、寮の器物が故意に破損された場合にはその階の学生全体の責任らしい。何故?もし4階で何かがあっても僕は全く関係の無いこと。何故僕が責任の一部を引き受けなきゃならんの?関係無いし、くだらねー。むっちゃシルコンフレックスの多い文やな……。
あーあ眠い。昨日4時過ぎまで眠れんかったからなー。で、朝の授業は全く眠くて集中力が無くて、ずーっとボーっとしていた。途中である疑問が頭をよぎって、その後ずっとそのことが頭から離れなかった。それは、例えば「Il n'y a pas d'hôtel à Mons.」って文があったとしよう。ここで"à Mons"を中性代名詞"y"に変えるとしよう。すると「Il n'y y a pas d'hôtel」となるんかな?授業中ずっーと気になっていた。全く集中できなかった。あまりにも気になったので授業が終わった後、先生に「どうなん?」聞いた。結果はやっぱりそうは言わんらしい。文法的にはあっているけど、どうも音の問題と形の問題らしい。やっぱり変やからかね。書いたら"y y"ってなんか可愛いけど。
今週中に『部屋の整頓度チェック(verfication de l'éta des chambres)』がありますよって張り紙がしてあったけど、今日とうとうチェックにきた。「C'est propre!」と言うと、「Non! Désolé.」と言われた。そうかな、物が整然と機能的に並んでいるし、十分にきれいだと思うんだけどな。部屋も駄目、お風呂トイレもチェックされてそれも駄目。来週の月曜日に再チェックと言うことになった。日本の僕の部屋に比べたら格段のきれいさなのに……。まぁいい、よしお風呂掃除しよう。
la Ligue des championについて。昨日Anderlechtが決勝トーナメント進出が決定いうことは書いた。Anderlechtは昨日勝ったのでManchester Utdを抑えグループ1位で通過。素晴らしい。そしてオランダのPSVが負けた事について、またいつものようにJohan Cruyff(クライフ)がぶちぶちと文句を言っているらしい。彼によると「2トップで試合に臨まなかったのはPSVの監督の英断として素晴らしいけど、如何せんPSVの選手はベルギー人に比べ経験が足りなかった……(そうかな?)」ということらしいが、新聞にも書いてある通り、『Evidemment, après, c'est toujours plus facile ... 』、終わってから言うのはいつでも簡単なんだよねー……。ちなみにクライフのことを"le fameux numéro 14"と書いてあった。やっぱ背番号14番は有名なんやね。
他の組に目を移すとJuventusが予選敗退。ドイツのHambourg、スペインのLa Corogne、ギリシャのPanathinaïkosの組で最下位。最後の希望をかけた昨日のPanathinaïkosとの試合を1-3で落とした。またFC Barceloneも予選敗退。まぁこの組はAC MilanとかLeedsがいる予選とは思えないおっそろしいグループなんやけど。l'Equipeの見出しには『La Juve et le Barça au tapis』とあった。最初ぱっと見て、あぁユーベもバルサもどうにか予選突破したか、と思った。というのも"au tapis"っていうのがなんとなく「魔法の絨毯の上」に乗って次のステージに進むってイメージがわいたから。実際は、tapisはボクシングとかのリングのマット。つまり「マットに沈む」ってこと。ここで"Ligue des champion"には「各グループ予選3位のチームはUEFAカップ(la Coupe de UEFA)にまわる」という不思議なルールがある。まぁそれだけ"Ligue des champion"がレベル高くて権威があるってことなんやろうけど、UEFAカップの方でもずっとたくさんのチームがしのぎを削ってきていて、もう敗退したチームがあるのに、"Ligue des champion"の3位チームが途中から参加してくるのは何とも納得いかんことやろう。このルールのおかげでバルサはUEFAカップにまわることが出来る(とは言っても、バルサにとったらそんなちんけなカップにまわれても何の慰めにもならんねやろうけど)けど、ユーベは駄目。これはユーベにとってかなり屈辱的なことなんやろう。
次はMonsの移動遊園地(foire)の話。今日はいらん話しを長々と長い長い。MonsのGurad-placeに移動遊園地が来た。移動遊園地といっても日本のような子供だましのちゃっちいものじゃない。ごっついトレーナーががんがん来て、それがどういう仕掛けか、次の日にはアトラクションになっている。メリーゴーランドから、蛸みたいな形でぐるぐる回るやつとか、もう普通の遊園地になってしまっている。けど、各地を転々としていて、組み立てもあっという間やし、木の破片なんかを土台にしているし、はっきりいって安全性は?日本やったら絶対許可がおりんねやろうな。まぁそれでもこの遊園地は毎年恒例のものらしいし、Monsの人達は(子供達?)みんなわくわくしているらしい。と言うものWallonie地方には遊園地が1つしかないらしいので。これは本当に昔からこの時期に行われるイベントらしく、その起源は「la fête de la Saint Martin」という祭りで(なんで"la"なのかが分からない!)、その昔は遊園地と言うより大道芸人が来たり、旅回りの劇団が来たりしていたらしい。しかし"depuis des siècles"と書いてあるだけで、日本人の僕にはこれがどれくらい昔からを表すのかニュアンスがつかめない。
          

  
  
11月10日(金)           
雨。雨。雨。雨。雨。雨。今日は日本語の授業に出て(先週はこ旅行のために自習休講にしたので、今週は必ずと思いながら、遅刻した……)、それからParisへ向う。その前に一つ気になっていた事を。フランスにはフランス語を監督する"l'Académie Française" がある。例えば英語のファーストフードは正しいフランス語では"restauration repide"だよって言ったり(けどみんな"fastfood"を使っているし、Larousseにもちゃんと男性名詞って載っているけど)、Walkmanは"baladeur"だよって言ったり、フランス語の保護と純化のために絶えずその厳しい目を光らせている。じゃあ、ベルギーにはそんな機関があるの?ベルギーにもベルギーのフランス語があるやんと思っていたわけ。それで今日聞いた話によると、ベルギーもフランスのl'Académie Françaiseに従っているらしい。それじゃそれじゃ、"belgicism"(ベルギーで話されているフランス語)は?そんなに厳しいんやったらきっとベルギーのフランス語には納得いっとらん筈やん、アカデミーの方としても?と思うわけだ。それについては、"l'Académie Française"はベルギーで話されている本家とは違ったフランス語を"belgicismとして(comme belgicism)"存在を見とめているらしい。なるほど、納得。
さて話しをParisの方に戻す。どういう方法でParisに行こうか画策。時刻表とにらめっこ。なるほどMonsからParisまでは直通のTGVがあるけど、それは1日に1本だけで、Mons発は午前中1本のみ。で結局、オーソドックスにLilleまで出ることにする。LilleからはTGVに乗らずに行こうとしたけど、どう考えても時間が合わないので仕方なくTGVを利用。でもTGVを使わずに普通の路線で行くと、金曜日の午後は例の"Carte 12-25"で50%引きが25%引きになる数少ない時間帯の1つで、ちょっと悔しい。しかしTGVなら期間関係なく席があれば50%引きで乗れるらしい。で実際買ってみると驚くほど安い。Lille-Paris間が139FF(約2100円)、もちろん2等席だけど。そしてさらに電車に乗ろうとした時に気付いたんやけど、切符には「selon disponivilité」とある。おーぉ、とうとうきたね。ちょっと説明すると、TGVは全席指定で指定券がないと乗ることが出来ない(多分)。そこでこのシステムがあって(多分)、これは座席指定がないけど、もし座席を予約している人が乗ってこなくて席があいていたら座ってもいいよ、って言うシステム。あるあるとは聞いていたけど、今まで経験したことがなかったので、気付いた時はちょっとときめいた。で最初はデッキで待っていることになるんやけど、デッキにはちゃんと簡易座席(strapontin)があるのでここで十分。もうここでいいやって決めていたから空席があったのかどうかは分からないけど、他の乗客も中に入って行かなかったところを見ると空席は無かったんじゃないかな。車窓から流れいく畑を見ながらふと思う、やっぱりフランスって農業国やね。農業大国フランスを十分に満喫する事が出来た。ただ、同じデッキにいた黒人女性がこれまた同じデッキにいた煙草を吸っていた男の人に「ここは禁煙です」って言ったことから、恐ろしいほど重い空気が流れ続けたけど……。
Paris-Nord駅に着いて、そのままEREのB線に乗り換えAntonyへ向う。ぼけぼけのことに、家にフランスフランを忘れてきたので、さらには乗り場の直前まで来てしまったのでATMも無く(あれほどたくさん見かけるのに、必要な時にないATM)カードで11.5FF(約165円)の切符を買う。Antonyで電車を降りてフランをおろして、バスに乗り換える。
久しぶりの再会にも関わらず、Tomoちゃんは優しく迎え入れてくれて(TomoちゃんはVichyで出会った友達)、カレーをいただき、ビールをいただき、色々色々と話す。そうして夜は深けていきました。
          

  
  
11月11日(土)           
今回Parisへ来た目的はもちろん、ラグビーの試合を見に行くこと。「France - Nouvelle Zélande」というものすごいカードなのにチケットも持たずに。けれどそれは夕方の話しので、午前中はTomoちゃんに案内してもらってオペラ座近くの日本人街(?)を観光。ちょっと日本の本が買いたかったので。しかし今日は"Armistice"と言って国民の祝日。で何の日かというと終戦記念日というか休戦記念日。で何の休戦かというと第一次世界大戦。聞いた話しによると、ヨーロッパ中がこの日は祝日だけど、唯一ドイツだけは例外らしい。そりゃそうか。まぁそんなことは関係無くて、今日は祝日だから店や本屋が閉まってるんじゃないかっちゅうことのほうが大事。案の定、ジュンク堂は閉まっていた。けど、もう1つの日本語の本屋は開いていて『地球の歩き方 中欧』と新書を一冊買う。値段は2倍近く。たけーーーーーよ!送ってもらおうかなと思いながら結局買ってしまう。2冊で290FF、4000円ちょい。たけーーーーーよ!他に辺りにある日本の食材を扱う店(ここでは缶コーヒーを19FFだして買ってしまう)や、韓国の食品を扱う店(この店ではは『出前一丁』を3つ購入)などを見学。あと雲丹(oursin)がキロ180FFで売っていたけど、これは安いんちゃうかな?あーぁ、雲丹食いてー。
その後、St-Michelに行って中華料理屋で昼食。ここではサーモンの鮨が1つ6Fで売っていて思わず4個食べる。久しぶりに食べて美味しいと感じた、鮨。ここでTomoちゃんと分かれて前にも行った"GIBERT JOSEPH"に本を物色しに行く。あれもこれもと選んでいるうちに436FFも本を購入してしまう。よく考えると6500円ちょい。ちょっと金使いすぎかなと思ったけど、日本語の本が2冊で290FFやったことを考えると、本の数に比べて異様に安いから納得しよう。
いよいよ"Stade de France"へ向う。さすがに9月に一回行っているので楽勝で行ける。着いたのは4時くらい。試合開始の4時間半も前、さすがに駅を降りても人通りは少ない。おとなしいもんだ。で、stadeのインフォメーションで当日券ある?と訊くと、「non plus, désolé.」と無情にも非情な答えが。最初はチケットなかったら諦めようと思っていたけど、さすがにここまで来てしまうとなかなか諦めがつかん。仕方ない、最後の手段……ダフ屋(acheter au noir)。ダフ屋行為で買ったほうも罪になって、外国人なら強制送還って記事を新聞で読んでいたので、あーぁ、こんなことで日本に帰えらさせられるのはちょっとカッコ悪いなと思いながらぶらぶら。すると来てくれました、怪しげなおっちゃんが……。「Vous n'avez pas de place ?」→「Vous en avez?」→「Oui, oui.」→「Combien ?」→「Trois cents francs」→「Je peux regarder ?」→「Pourquoi pas ? Basse, basse. (basseちゅうのは席の位置だったらしい。その時は分からんかったけど)」と。チッケットをじっくり見て、よー分からんけど多分大丈夫やろということで購入する。チケットの裏がぴかぴかだったので、まぁこの人らも300FFでここまで手のこんだことせんやろと。結果的には全く問題なしに入場することが出来たわけやし、8時くらいにstadeに戻って来た時に駅前に必死になってチッケットないかーって聞いている若者達がいたので、この時間(4時すぎ)にこのおっさんからチケットを買ったのは正解やったなと。周りには警察も全くいなかったし。ちなみに正規の値段は100FF。3倍やね。そう考えるとちょっと悔しいけど、元の値段100FFってむっちゃ安ないか?まだ4時間以上あるので一度Paris-Nord駅まで戻ってコインロッカーに荷物を預けて、時間を潰すことにする。
荷物を預け、飯を食ってもまだまだ時間がある。ブローニュの森に行ってロンシャン競馬場(Hipprodrome de Lomchamp)を見たかったけど、もう辺りは真っ暗でこんな時間に森に行くのは怖くもあり、また楽しくもなさそうなのでそれは控える。かといって別に他に行きたい所があるわけでもなく、どうしようかと悩む。そうや、凱旋門(Arc de Triomphe)に行ってみよう。まだ遠くから眺めたことしかないし。地下鉄は混み混み、この時間はいつもそうなのか、それとも今日は祝日で特別なのか。こんな混み混み日本でも経験したことない。で、地下鉄の階段を上がると、そこには……。でけーーーー、まじで。けど嘘っぽいーーーー。とりあえず回りを1周してみてみる。けどどうやってあの真ん中まで行くんやろ。地下道かなと思い、地下鉄の階段を降りて本当にさまよう。けどどれだけ歩いても真ん中へ通じる道が見つからない。なるほどね、真ん中へ向う地下道は地下鉄とは関係なく存在するわけね。後でどうにか気付いた。まぁ真ん中に入ったものの、中に入る気は無いので適当に1週して終わり。けどオペラ周辺でも思ったけど、日本人の数半端じゃないね。絶対日本人の比率が50%を超えているはず。まぁ、僕も日本人。

All Blacks マニア All Blacks 観光した
北駅近くのCafé
ニュージーランド人の巣窟に。
All Blacksの試合前のダンス
伝わらないけど……
これなかなかすごかった……

8時過ぎに再びstadeに舞い戻る。今度はさすがに人で溢れている。歌を歌っている集団がいるのはサッカーの時と一緒だけど、何かちょっとだけ雰囲気が違うような気がする。ボディーチェックもなく難なく入場することができ、自分の席に着く。ゴール裏の前から7列目。ピッチまで近い近い。まぁ、7列目ってライブやコンサートなんかではとっても嬉しい話やけど、スポーツとなるとね、試合の全体の流れが掴み難い。ゴール裏も嫌いやし。まぁだから100FFやったわけやね。この席はサッカーやったらサポーターたちの席でみんな試合そっちのけで応援してるわけやけど、ラグビーの場合はゴール裏に子供たちがいたり、しっぶいおっさんがいたりして、わりと落ち着いている。もちろんサポーターみたいなやつらもいて一部で騒いでいるけど、試合が始まるとみんな座って、見ている。盛り上がる場面ではみんな立ち上がるけど。あと、これは日本と同じなんだけど、ラグビーを見に来ている女子はみんな綺麗、綺麗な人がラグビーを見に来ている。これは一体どういう仕掛けが働いているんやろ。サッカーとは全く違う。
さて、試合。あまり面白くなかった。前半は特に両チーム共に最悪。ノックオン(en-avant)、オフサイド(hors-jeu)などファール(faute)連発で試合が流れない。ペナルティーゴール(pénalité)で点は入っていくけど、大した見せ場もなく前半はトライ(essai)なしで終了。後半終了間際くらいに一度Lomu独走か?って言う場面があってみんな総立ちになったけど、あっけなくラインに出されてしまう。このプレーにフランス人たちは大盛り上がり。後半はALL Blacksがちょっとだけましになる。フランスは相変わらずよくない。ニュージーランドが立て続けにトライを決めてもうちょっと試合が終わったかなって感じ。フランスは後ちょっとのとこまで行くけど、どうしてもトライを取ることが出来ない(これは逆サイドだったので何が起こっているのかよく分からなかった)。フランス人は「Un peu. Un peu.」を連発していた。確かに、そういう時間が結構続いたのにトライを許さなかったニュージーランドはやっぱり凄い。終了間際になってフランスが2トライ決めて多少は盛り上がったけど、試合はもう決まっていた。26-39でフランスの完敗。
試合中フランス人は「Black Zélande !」と言ってニュージーランド人を馬鹿にしていたし、ニュージーランド人はフランス人を真似て「Allez ! Allez !」とずっと言っていて面白かった。知っている選手がLomuぐらいしかいなくて、さらにはやっぱり何で試合が止まったのか分からない場面も多々あったけど(日本みたいに説明してくれたらいいのに)、かなり面白かった。All Blacksの10番のMehrtensはむっちゃ凄かったんやけど。彼のプレーは僕が見ても全く他とは違って見えたんやけど、彼は有名な選手なんかな?
試合が終わりEREに乗ってAntonyまで帰る。ずっとB線でいいので楽。Antonyに着いてから寮に戻るまでにちょっと迷う。全く反対の方向に向っていた。それも自信を持ってそっちやと思っていたわけで、たちが悪い。絶対方向感覚があると思っていたのに……。寮に戻ったのは12時過ぎ。僕が「蕎麦食いたいね」って言ったら、そばを作って食べることになって、この時間までTomoちゃんが待っていてくれた。あり難い話だね。月曜日テストだっていうのにいきなり訪ねてきた僕を。蕎麦は最高にうまかった!鳥も葱も油揚げも七味も卵も入れて、まるで日本。すばらしい。その後、ビール飲んでワインを飲んで色々色々語って睡眠。よき1日でしたな。来年の3月24日に"Stade de France"で「日本vsフランス」のラグビーの代表の親善試合があるらしいので、是非行かねば。そうそうやっぱり日本を応援しないことには。みんなで行きましょう。チケットとってあげるから。
          

  
  
11月12日(日)           
9時過ぎに起きて、そそくさと用意をして旅立つ。ともチャンは明日テストだということなので勉強する時間が必要なわけで、いつまでも長居をするわけにはいかない。

Tomoちゃん Tomoちゃん
女子じゃない証明。

とりあえずParis-Nordに行き荷物を回収して、切符を買いに行く。ここでまた予定が変わるわけだが、本当はエトルタ(Etretat)に行きたかったんだけど、どうもこの雨が気に入らないので(金土は晴れていたのに、今日は雨)中止にする。どうせ時間あるんやから今日こそはTGV使わずに帰ろう。で、途中で時間が空いたらLille辺りを観光してもいいかなと。窓口で「pas TGV」と注文すると、お姉さんはちょっと不思議そうな顔をしながらも、ちゃんと時刻を調べてくれる。で、最短でParis-Nordを11:34に出てMonsに着くのが20:02。ざっと8時間半かかるわけやね、直通のTGVなら1時間20分の距離を。お姉さんは「ちょっと難しいね」って言ってきたけど、僕が「それでいい」っていうとさらに不思議な顔をした。多分彼女にはこの僕の無駄が理解出来ないんやろね。僕から見たらいつもいつも無駄な事をしているフランス人もこういう無駄は理解できないらしい。不思議な価値観の相違。とりあえずこのプランではLilleに行く途中のAmiensって街で3時間半の待ち時間がある。ちょうどいい、ほいじゃその街を観光しよう。それにしてもTGVを使わないのにTGVを使うより料金が高い。全くこの国のシステムは分からない。
ParisからAmiensへの2時間の鉄路は本当に快適そのもの。全車両2階建て車両でそれも編成が長い。電車もきれいでほとんど人もいず、快適。ただ、Amiensについても雨は降り続いている。それも結構烈しい雨。時間があるので観光しないと、もう義務。雨の中を突き進む……、も、やっぱり寒いし断念してトルコ料理屋に入る。ちゃんとテーブルクロスもひいてあってナイフとフォークが用意されているのでどんな料理を食べさせてくれるんやろと思ってメニューを見ると、何の事はないkebabの皿バージョン。まぁ別にいいか。"EFES"と言うトルコビールがあって飲んだ。まぁ普通のビールだったけど。で最後にcaféを頼む。もちろんこっちとしてはトルココーヒーを期待していたわけだけど、でてきたのは普通のエクスプレッソ(expresse)。まぁ別にいいか。
とりあえずこの町のメインらしき"Cahtédrale Notre-Dame"見学。本当に教会には食傷気味だね。まぁ、この教会は天井の高さが高くって気持ち良かったし、中にあるごっつい数の彫刻も他とは違ってなかなかよかった。まぁ日曜日の午後、雨の中、ちょっとケダルイ気分で人のほとんどいない雰囲気が気持ちよかったんやけどね。しばらくぼっーとしてたけどまだ時間があるので、ピカルディー博物館(musée de Picardie)に行く。なかなかきれいで快適な博物館だった。地下のエジプトのものとかはとっても興味ぶかかったし、1階の大広間に無数の胸像が並ぶ光景は『美術準備室』みたいやったし、2階の現代作家の絵画はとってもnulやったし……。
その後、LilleまでとMonsまでの電車はものすごい込み具合やった。はっきり言って地獄。なんで、乗客を予想して電車を配分出来ないんやろうね、フランスもベルギーも。いらいらする。そして気付いた事が1つ。煙草を頂戴と言ってくる人間の数は圧倒的にベルギーよりフランスの方が多い。今日1日で4本をあげる。けど、みんなあげているし。断れんシステムなんかな、法律とか条例かなんかで?それはそうと、Lille駅のホームに犬の糞(多分)が落ちていた。全くどうなっとんねんこの国!

Cahtédrale Notre-Dame 観光した
Cahtédrale Notre-Dame
お決まりの……
なんでやねん!って
運河の真ん中に人(形)が。
          

  
  
11月13日(月)           
週始めのフランス語の授業へ出る。やっぱり週末フランスに行っていただけど、前よりも喋れるようになっている。前にも書いたけど、まじで『ただぼーっと旅行しているだけでフランス語が進歩する法則』は実在する。間違いない。さぁ、どうやって化学的に証明してくれるんやろ。
気になった新聞記事。ポケモンはヨーロッパでまじで人気があるんやけど、今度ポケモンカード(les cartes Pokémon)のニューバージョンが発売されるらしい。これは"Fossils"と名付けられていて、200万年前に恐竜と共に滅んだと考えられていたポケモンが、実は南大""洋(la mer de la Tranquillité du Sud)の無人島で実は生息していた、というシナリオ。多分、fossile(化石)から作られた名前だと思うけど、このニューバージョンの登場に子供達もかなりときめいているらしい。ちなみにベルギーではフランマン語を話す子供達は英語版のポケモンカードを買っていて(むかつくことに(?)、彼らは小さい時から英語が話せるから)、フランス語を話すワロン地方の子供達はフランス語版を買っているらしい。けどいつも英語版の方が先にでるのでワロンの子供達はちょっと悔しい思いをしているらしい。新聞の見出しには「Gare à vos sous」と書いてあるし、親の方はやや呆れ気味で見ているらしいけど、子供達には待ちに待った続編ってところかな。このコレクション系のおもちゃってどうしてもハマってしまうんやよね、僕も『びっくりまんチョコ』に大ハマリしたから、子供達に何も文句言えん。まぁどういう形にしても日本の文化に熱狂してくれるのはいいこだと。それにしても彼らは商売がうまい(ちなみに"Wizard of The Coast"ってとこがヨーロッパでのポケモンカードの販売を担っているようやけど、これは任天堂の子会社か?それとも、任天堂は権利を売ってしまっているんかな?)。Pikachu
          

  
  
11月14日(火)           
今日はひっさしぶしに朝から太陽君が元気。暖かくないけど、雨がないというのは気持ちがいい。が、今日は寝坊をしてしまう。よって午前のフランス語の授業に行くことが出来ず。言い訳じゃないけど真剣に目覚ましが鳴らなかった(いつもラジオで起きてるんやけど)。僕は悪くない。
新聞から。ファーストフードチェーン(新聞には"fast-food"と書いてあった、やっぱりこっちの方がよく使うんやね)の"Quick"がハンバーガーを買ってくれたお客さんに抽選で10000人に携帯電話(GSM : "Global System for Mobile communicaiton"で英語。これがヨーロッパ共通の携帯方式で、ヨーロッパ各国で使用出来る。だから、それぞれ各国のアルファベットの読み方でそのままGSMと読んでいる。ちなみにフランス語では「ジェーェスエム」)をあげるよ、と言うキャンペーン(campagne)を行ったところ、カトリックの教会側からクレームがついた。というのも、このキャンペーンのコマーシャルにキリスト教の言葉が使われているらしいからということらしい。"la célébration de l'eucharistie"の言葉だと言うんだけどそれがどういうものか僕には分からない。とりあえず教会側としては、そんな神聖な言葉が商業を目的としたコマーシャルに使われるのは納得がいかん、今すぐCMを中止して、謝罪せよと。
ここでむっちゃ気になるのは、神聖な言葉とはなんぞやらということ。教会関係の事・物を表すための言葉が神聖な言葉だってことなんだろうけど、じゃあ、何でその言葉を広告に使ったらあかんの?言葉を使うことがそく教会を侮辱することになるんかな。言葉なんてものはそもそも単なる音の連続に人間が意味を与えただけのもの、言葉そのものはその事物と同一ではないと思う(まぁ日本には言霊思想というものがあって、ちょっと難しいけど……)。まぁともかく、その言葉を使う使わないが問題じゃなくて、その言葉を使う人がどういう意図を持っているかってことがよっぽど問題なんじゃないかな。Quick側が別に教会を侮蔑する意図がなければ、使う使わないは問題じゃないと思うんやけど。なんか言葉の一部を独占しようとしているようで気持ちが良くない。言葉はそんなものじゃないと、僕は思う。これはいわゆる『差別語』と言われるものにも当てはまると思う。確かに人によってはその言葉を言われたらいたく傷つくという言葉があるんだろうけど、問題の核心はその言葉自体じゃなくて、それを使う人の意識なんだよ。けど、今は傷つける意図をもっていようともいなくとも、その言葉を使う事が悪い事だと考えられている。そして、その「差別語」自体を葬り去ろうとしている。何度も言うけど言葉自体にはなんら悪くはない!貴重な文化である言葉の1つを失おうとしている、もし悪意ある人がいればその言葉が消えてもその意図は消えないのに……。例えば、「部落」と言う言葉。もうこれだけで我満がならないって人がいるかもしれないんだけど、とりあえず最後まで聞いて下さい。僕の生まれた地方ではこの言葉は何ら差別的な意味をもっていない(これは九州もどうだって聞いたけど)。まぁ「集落」っていうような意味。けど、関西ではこの言葉は同和問題と絡み合ってむちゃむちゃ危険な言葉。で、18歳、大学一回生で大阪に出てきたまだ目の輝いていた頃の僕はこの言葉の持つ僕の知らないもう1つの定義を知ってとっても驚いた。そして同時に釈然としないものを感じた。今はもちろん当時も何ら差別的な意識を持っていなかった僕が、それまでと同じ感覚でその言葉を使ったら、傷つき、悲しみ、怒る人がいるんだから。僕には何の悪意も無いのに。当時ははぁーこれが言葉の持つ力だねっと思って、使わないようにしようと思った。けどそうすると、この言葉は差別的じゃない意味も含めて死んでしまうんやよね。この言葉に差別的意味を与えたのも人間で、そして葬り去ろうとしているのも人間なんだね。差別しようとする人がいれば例えこの言葉がなくなったところで、差別自体は無くならないと思う、残念ながら、本当に残念ながら。言葉があって思想が生まれるんじゃなくて、思想があって言葉が生まれるものだと僕は考えているから。きっとこの言葉を使うなって言っている人達も差別をなくそうとしているわけであって、この言葉自体を消そうとしているんじゃないと思う。知らなくて事言葉を使う人も含めて、悪い意図を持たずにこの言葉を使うことは許されてもいいんじゃないかな。本当に何度も何度も言うけど、言葉には罪はない、その差別意識に罪がある。この点ではあの『三国人発言問題』も同じだと僕は思う。差別意識が無いのなら肯定。
色々好き勝手かいたけど、これが僕の意見。これで誰かが傷つくことになったんだったら、それは面白くない。それは本意じゃない。けど是非僕が何の意図も持っていないってことは汲み取ってほしい。言葉が足りないってこともあって、もしそれでも納得出来ないんやったら、真剣に謝ります。そしてその人の意見も聞きたいね。
          

  
  
11月15日(水)           
今日も昨日に続いて寝坊としてしまった。今日は確かにラジオが鳴った。しかし起きあがることが出来なかった。起きたら8時15分。悪い事に今日は朝8時からAndréと『日仏語勉強会』の約束をしていた。一瞬行かんとこーかなーと思ったけど、いかないとAndréが本当に心配するから(彼はそういう奴なので)、重い身体を引きずって10分で準備を完了して大学へ急ぐ。眠い眠い眠い。昨日寝たのは5時半くらい、やっぱりどうしても夜眠れなくなってきている、夜型リズムに戻りつつある。いかん。
昼から家賃を払いこんで、あと「学校の手続きがまだ完了してないからはよ来い」っていうメッセージが届いていたので"Service Social"という所に行く。メッセージを読んでもいまいちよく分からないので、直接おっさんに話を聞きに行く。どうも保険がどうのこうのということらしい。けど日本で入った海外旅行保険でいいんちゃうん?日本でちゃんと保険入ってきたでって言っても、おっさんは「それは"assurance internationale"なのか?」と繰り返すだけ。"assurance internationale"ってなんやねん?もう意味が分からんので、これ以上何もしないことにする。もしどうしてもその証明証ないしが必要ならもう一回言って来るでしょう。それまでもう何もしない。面倒くせーから。
金大中、ノーベル平和賞受賞おめでとう。平和賞ってのは因果なもので争いの火種がないと貰えないもんだからなかなか頑張っても貰えるものじゃないからね。それは学校にゴミがなかったら「美化係」がいらんのと同じ。うん?なんかちょっと馬鹿にしているような文になってしまったけど、違う違う。彼は素晴らしい人間。尊敬に値する人間。彼のやってきた事は寸分の間違いもなかったと僕は思っている。間違いなく20世紀を代表する偉人の1人。ノーベル賞もらって当然。けど話しは戻るけど、世界中が平和で満たされる時が来たらノーベル平和賞はなくなるんやろか……?しかし、金正日に同じ賞をあげなかったのはいただけない。過去はどうであれ最近の南北朝鮮の関係修復を評価するんだったら彼の功績も十分に認められるはず。それだけじゃなくても現に金日成の時代から見れば間違いなく大きく変わったわけだから。そんな一方にあげて一方に上げないなんて、大人気無い。平和ってものは双方の理解があって始めて勝ち得るものなんだから。それはまさしく今のバラク・イスラエルとアラファト・パレスチナの状況を見れば一目瞭然。やっぱりラビンは偉大だったんかなってちょっとだけ思ってしまう。双方の協調が崩れればそれはすぐに""平和に繋がるんだから。最後にちょっと世俗的な疑問。賞金の900万クローネはどう使うんだろう。彼の個人資産になるんかな?気になる。けどこのトピックはちょっと古すぎるか。ちょうど1ヶ月前か……。

11月後半(11/16〜11/30)へ